「正解のない現場で、人はどう生きたか」フロントライン 観たい日は休みますさんの映画レビュー(感想・評価)
正解のない現場で、人はどう生きたか
コロナ禍の初期を象徴する「ダイヤモンド・プリンセス号」。
本作は、その混乱の渦中で最前線に立った医療関係者、行政職員、クルーズ船スタッフたちの姿を、多面的に描いた群像劇です。
ドキュメンタリーではなく、フィクションを交えたドラマだからこそ、各人物の葛藤や選択が人間味を持って描かれています。
「何が正しいか分からない」状況で、それでも自分の役割を果たそうとする姿勢に、観る者は自然と引き込まれるのではないかと思います。
キャスティングも見事で、人物の背景を多く語らずとも、立場や信念が伝わる演技が印象的です。
緊張感のある医療現場の描写から、人と人との信頼やチームワークの在り方まで、静かで力強い人間ドラマとして仕上がっています。
実際の出来事を基に「コロナ禍」を経験したすべての人にとって心に残る場面がきっとあるはず。
日常が戻りつつある今だからこそ、この出来事を風化させず、次に活かすためにも、多くの人に観てほしい一本です。
コメントする
