「未知のウイルスに立ち向かった人たちの 事実に基づく物語はとても感動的 でも報道対応の仕方や報道機関の描き方には違和感」フロントライン Freddie3vさんの映画レビュー(感想・評価)
未知のウイルスに立ち向かった人たちの 事実に基づく物語はとても感動的 でも報道対応の仕方や報道機関の描き方には違和感
2020年2月に横浜港に停泊していた豪華クルーズ船ダイヤモンド•プリンセス号の船内で発生した新型コロナウイルスのクラスターに対応した医師、看護師の医療チーム、クルーズ船の乗組員、神奈川県庁に詰めていた対策本部の皆さん、それらの人々の奮闘の模様が圧倒的な臨場感のもとで展開されます。主要登場人物にはそれぞれ実在のモデルがおり、映画化にあたってそれらの方々に綿密な取材をされていたようなのでリアリティが半端なくありました。元々の素材が文句なく感動的でそれがリアリティたっぷりで展開されるわけですから、映画の成功は約束されたも同然でした。
で、ここから少し残念だった点を。報道機関の描き方です。なぜかTV局一社だけが描かれているだけで、他のTV局や新聞社、通信社等は登場しません。そのTV局の様子もこの映画の作り手側が悪意または敵意を持って描いたのかと思われるほど酷い描き方をされています。一部の映画やTVドラマなのでよく描かれている画一的で陳腐で紋切型の、ああ、あれか、みたいな感じで非常に残念でした。ということで、対策本部の報道機関への対応の部分に関してはリアリティが大幅減となります。実際のところはどうだったのでしょうか。
私も門外漢なので詳しいことは分からないのですが、日本にはあまり評判は良くないにしろ記者クラブ制度というのがあって対策本部が神奈川県庁に立てられたわけですから、役所回りの記者さんたちを中心に記者さんたちが集められて、対策本部側が船内の現場における現状と課題、医療チームの方針などについて簡単なペーパーを使って記者さんたちに説明、その後、対策本部、記者間で質疑応答の流れになると思っていました。基本的に医療チームのメンバーは現場対応で非常に忙しいわけですから、報道機関への対応は県庁に詰めている対策本部の事務方の非常に重要な仕事になると思います。この映画ではそのあたりがまったく触れられておらず、結果的に、たった一社の問題点大ありのTV局と報道機関への対応が必ずしもうまくいってないように見える対策本部が描かれていたということになってしまい、とても残念です。
いずれにせよ、こういった大きな出来事が発生した場合には、報道機関の動き方、動かし方といったところは非常に重要な課題だと思われます。たった一本のニュース映像、たった一本の新聞記事から、関係者からの大きな協力を得られることもあるのですから。この映画は非常によく出来ていて星五つのフルマーク必至だと思っていましたが、報道機関周辺の描き方に星一つ減です。
今晩は^ ^
濃密な良い映画でしたね…まだ未知のウイルスだったのを思い出しましたorz
ワクチンがまだ無かった時にDMATの方々は船内に入って医療従事されていたのを観ると、落ち着いた今だからこそ思う事が多いなと感じました。
共感ありがとうございます。報道機関の描き方は私も違和感がありレビューに書こうと思いましたが長くなるので止めました。
やたらとオールドメディアだの批判されやすい昨今の風潮から安易な描写に走ってしまったのかなと、他は緻密な取材を基にした作品だけにそこが少々残念でした。
共感ありがとうございます。確かにマスコミ報道のすべてを「マスゴミ」として一律に捉える方向にミスリードしているようにしかみえません。そこは私も違和感ありました。
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