劇場公開日 2025年6月13日

「あの日、あの時の最前線で何が起きていたのか…?」フロントライン bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0あの日、あの時の最前線で何が起きていたのか…?

2025年6月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

怖い

ゴースト・タウンの様に、街から人が消え、飲食店はシャッターが降ろされ、マスクを購入する為に薬局だけに長蛇の列ができた2000年・2月。新種のコロナ・ウイルスによって、その後数年に渡って、パンデミック災害を引き起こすきっかけとなった、ダイヤモンド・プリンス号でのコロナ・ウイルス感染。その船の最前線『フロント・ライン』で、見えないウイルスと、命を賭けて格闘した勇気ある者達の活動を、事実に基づいて描いた作品。

あの時の、世界はコロナによって、それまで築き上げてきた当たり前の生活が、一瞬にして崩れ去り、世界中をが息を潜め、只々、災いが通り過ぎるのを待っていた。本作は、ダイヤモンド・プリンス号に乗り込んで、命を賭けての医療活動を続けた、日本の災害派遣医療チームである『DMAT』の活動を中心に、乗客や感染者に対して、温かな励ましを続けた船の乗組員達の姿が映し出されていた。

本作は、映画として脚色した部分も確かにあり、感動を呼ぶシーンも盛り込まれてはいた。しかし、世界が初めて直面した溝尾のパンデミック災害に対してのこれからの教訓と、そこに決死の覚悟で従事した者達への感謝を示した作品であると思う。東日本大震災で起きた福島原発事故を描いた『FUKTSHIMA 』もそうであるように、本作においても、あれから何年か経ち、以前と変わらない日常が戻り、あのパンデミックを客観視できる時が来たからこそ描ける作品なのだと思う。

当時、毎日の様にダイヤモンド・プリンス号の映像が、ニュースや新聞を賑わせ、人々もその報道を丸のみにして一喜一憂する中、感染によって死んだ者とは、死に目にも会えず、感染者だけなく、医療従事者へのバッシングまでもが横行し、日本中がパニックになっていた。その最前線に立ち向かうと言うのは、どれだけの覚悟と勇気が必要なのだろう。自分がいつ感染するのかもわからない中、それでも医者として懸命な措置を施す姿に、私達は守られ、支えられて、今日の日常を取り戻したことを、決して忘れてはいけないだろう。

しかし、本作は世界中を恐怖に陥れたパンデミックの、あくまで序章に過ぎない分部だ。あの後、有名人も含めて、多くの人々が罹患し命を失い、未だに後遺症に悩む者もいると聞く。幸い、私はその後のワクチン接種のおかげで、これまでコロナ・ウイルスに罹患していないが、映画館に行くときは、未だにマスクを着用している。

出演者の『DMAT』の指揮官役の小栗旬は、自分の率いる部隊と上層部との狭間の中で苦悩する役柄を、相変わらずの安定した演技で務めていた。また、厚労省の役人役の松坂桃李は、最初こそ高飛車な役人気質から、小栗の姿を目の当たりにして、建前より命を最優先することの大切さに気づいていく、人間味が生まれる役人を演じていた。また、小栗の同僚で船内の指揮を執っていた、窪塚洋介の自然体の演技が、とても好印象に映った。

bunmei21
bunmei21さんのコメント
2025年6月15日

おつろくさん(^^)コメントありがとうございます😊
平常が戻った今だからこそ、改めてパンデミックへの備えをしておかなければならないのでしょうね👍

bunmei21
おつろくさんのコメント
2025年6月15日

共感ありがとうございます!

なにせ地元横浜であった出来事ですし、自分もcovit-19に罹患したので、ものすごい勢いで吸い込まれるみたいに鑑賞しました。こういう災害を忘れさせないような映画って大事ですよね。

おつろく
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