「それぞれの戦いの真実の姿」フロントライン たつのこさんの映画レビュー(感想・評価)
それぞれの戦いの真実の姿
あの時あの船の中で何が起こっていたのか、それは想像を絶する過酷な環境下の中での戦いだったのですね。
勿論映画ですから多少の脚色はあるにしても、この作品の中で描かれていることは概ね事実だったのだろうと容易に想像がつきます。
未知のウイルスと戦う現場とは想像を絶する恐怖の中であろうと思います。
そんな環境下での船内の救命活動に駆り出された災害派遣医療チームDMATの面々の懸命な活動に心揺さぶられます。
船外の対策本部で指揮をとる指揮官の結城さんの存在も大きいですが、厚労省の役人・立松さんのような良き理解者がいて本当に良かった。
どんなに優秀な人が何人いてもチームは一丸とならなければ事を成し遂げることは出来ないと言うことがこのチームを見て良く分かります。
そしてその家族もまたそれぞれの生活基盤の中で戦っていたのですね。夫の体を案じ、そして子どもの学校生活などに影響がでないように案じ、そして自身の事も。
本来はそんな社会であってはいけないのですが、何か事が起きると自分本位に走ってしまうのもまた人間です。
そして森七菜ちゃん演じた船の乗務員のみなさんも恐怖の中に身を置いた厳しい戦いの中で素晴らしい働きでした。
客室の扉に貼られたお客さんの温かい言葉は大きな力になったでしょう。
その船内にいる乗客たちの毎日も過酷な戦いでしたね。
こんな大事が起きるともう誰しも戦いの連続です。
そして報道の姿勢も考えさせられるものでした。
報道とは何か?真実を伝えるとはどう言うことなのか?そこには人が作為的にやってはいけない聖域が存在するはずです。しかし現実はそうでは無く、視聴率優先に都合よく面白おかしく報じてしまう人たちがいました。
これが現実の姿なのかと考えると一体見る側は何を信じればよいのでしょう。
もちろんそんな人たちばかりではないでしょうが、桜井ユキさん演じた上野舞衣ような人が一人でも多く報道に携わってくれることを願います。
小栗旬さん・松坂桃李さん始め、キャストのみなさん素晴らしい熱演でした。
その中でも船内の指揮を執った仙道行義を演じた窪塚洋介さんと、同じくDMAT隊員の真田春人を演じた池松壮亮さんが強く印象に残りました。
新型のウイルスが中国で発生したと言う報道に始まり、横浜港でダイヤモンド・プリンセスという豪華客船の乗客がその新型ウイルスに集団感染しているというニュース報道をただ興味本位で対岸の火事のように見ていたあの時の自分を今更ながら恥じるのでした。
正に最前線であの戦いに携わったすべての人に敬意を表さずにはいられません。
いい映画を見ました
今晩は〜^ ^
ダイヤモンドプリンセス号が着岸してから乗客やスタッフの方々は下船するまで14日間も部屋で自粛していたと知って
何も知らなかったな…と反省しました
orz
共感ありがとうございます!
5年たって、covit-19に罹患してマジで死ぬんじゃないかと覚悟を決めていた時のことをこの作品で思い出しました。ああいう災害って、いつどこから降りかかってくるか分からないから、忘れずにちゃんと準備をしておかなければと再確認しました。
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