クラッシュ(1996)のレビュー・感想・評価
全6件を表示
名監督らしからぬ愚作
大昔に観て以来、久しぶりに観てみましたが、観るに堪えないチープさに言葉を失いました。
複数の女性と、取っ替え引っ替え遊んでいるほど性行為に依存した男は、自身が起こした交通事故により、不自由な体になりますが、別の性癖にも目覚めてしまいます。彼はその性癖の虜になり抜け出せなくなる、みたいな話です。
カークラッシュのシーンや、傷口などの特殊メイクの技量には驚きましたが、性行為に依存しているのなら中盤にブロンドの女性が言っていた、同性での性交には映画の終盤にようやく及びましたが、いわゆる“美女”ばかりではなく、老若男女もお構いなしにあらゆるシチュエーションで行為に及んで欲しかったです。いわゆる“容姿の劣る女性”が登場すらしない時点で、この作品が唯の男性の欲求を満たす為に作られた、駄作である事が分かります。
U-NEXTで観ましたが、下半身にボカシが掛かっているシーンがありました。あれは本当に必要な処置なのでしょうか。人間が生まれながらに持っている性器を見せてはいけない、などと言う日本のルールに甚だ疑問を感じます。
無駄にシリアスな表現、ムーディーな音楽、音量を上げても聴き取れない声など“B級映画”のフルコンボを決めています(笑)
大掛かりなマジックショーと同様、こういった官能的な映画でも苦労させられるのは女性なんですよね。
胸糞わるいだけで観る価値ありません。他の作品をどうぞ✋
実際に居そうな人たち
別に有名な「クラッシュ」を見たことはあったが、こちらは初見。のっけから刺激的な夫婦共に不倫映像。一気に視聴者を性的モードに突入させる勢い。BGMやカメラアングルも、常に性的な刺激を強調するかのよう。
性癖は、人それぞれかと思うが、他の人の性癖を見ていれば、移るものなのか? 人が性的に興奮するのは、禁忌を侵した時でもある。見られると興奮する人がいるように、やってはいけないことを犯すことで、興奮が生じるのでは。傷を負うこと、死に近づくことで、生へのエネルギーが生まれ、クラッシュで壁を取り除くことで、そのエネルギーを全面的に解放できる?という描き方。クラッシュがエクスタシーへのスイッチになっているかのよう。ただ、自分も頭でそういうものだろうと理解はすることはできるが、感覚的には共感できない。
その欲望を追求すれば、死にしか至らないのだが、一部の人間は最後まで追求するのかも。薬物で強烈なエクスタシーを得ようとするのと似ているように見えた。
予想していた程ハードでは無かった
かなりハードなシーンが連続するのかと思っていたが、想像していた程では無かった。
官能の極北を描くのであれば、もっとハードコアなセックスが必要だと思う。
車のドライビングとセックス、セックスと死が、イメージとしてリンクするのは共感し易いと思うが、衝突事故のクラッシュともなると一寸ハードルが高くなるので、もう少し丁寧に(映像と台詞の両方で)官能を徐々に炙り出し、その末にハードなクラッシュ体験が情欲をスパークさせてしまう脚本にして欲しかった。
それこそセックスにおける執拗な前戯の如く。
そういった意味では、冒頭のシーン、飛行機の流線形ボディにフェティッシュな欲望を露わにしたり、後半の方の洗車マシーンのシーンも悪くは無いのだが、もっと前半の方で、車のボディ(まだクラッシュする前の!)に対する執拗なフェティッシュなどをエロスたっぷりに表現した方が良かったと思う。
ジェームス・ディーンのポルシェの再現シーンだけでなく、もっと他にも、昔のジャガーやフェラーリなど美しい車を登場させて、より一層フェティッシュをエスカレーションさせて欲しかった。
クローネンバーグは凡庸と思ったのかもしれないが、そういう分かりやすさは、とても重要だと思う。
凡庸と言えば、音楽が如何にも90年代の映画にありがちなスコアで、こういうのは凡庸だと本当に駄目。例えば、60年代のホロヴィッツのカーネギーホールの悪魔的な演奏を唐突にインサートするとか、もっと工夫がないと。
しかし、アメリカ人がフロイト好きなのは前々から分かってはいたが、ここまで極端にリビドーを展開させてしまうと、あまりのバカっぽさに何度も失笑してしまった。
どうせなら、もっとブラックユーモアを炸裂させた方が(特にロザンナ・アークエット登場シーンなどで)面白くなった気もするが、どうにもこうにもピューリタンなお国柄の所為なのか、潔癖というか、真面目というか、ヘヴィなテーマに対するユーモアが足りない気がする。
あとラストは、冒頭の方の流れから行くと、まあ、ああなるしかないのかな。
まだ原作は読んでないが、たぶんラストは違うと思うので、早速読んでみたい。
濃厚接触祭り
交通事故で重症を負った主人公が退院したら、車の事故を起こすことに性的興奮を覚え始め、カー・クラッシュ・カルト集団とズブズブの関係になっていく話。
.
とにかく5分に1回濡れ場か事故映像が流れ、しかも誰一人として性欲を我慢できない。ムラムラするとすぐに股間に手が伸び、自ら脱ぎ出し、身内のコミュニティでヤリまくっている。
.
1番衝撃だったのは、足にぱっくり空いた傷のある女の人のそのキズにいれてる?みたいな濡れ場があって、おいおいあんたそれ気持ちいいんかってなった。
.
あとは、洗車のシーンで車のボンネットが開くと同時に女の人が脱いでムラムラし始めて、車が洗われると共に行為がエスカレートしてくという、車と彼女が一体となってる的な濡れ場もすごいね。(今回の感想大丈夫か?(笑)フォロワー減らんか?(笑)).
.
車のシーンでは、煽りまくるしシートベルトしないしとにかく車校で絶対やっちゃダメと言われてることを全部やってて逆に爽快。というか全員真面目な顔してアホなことしてるのが笑える。
.
ジェームズ・ディーンの事故現場再現では歳も風貌も全くジェームズ・ディーンとかけ離れたおっさんが『理由なき反抗』で有名な赤革ジャンを着てジェームズ・ディーン役をやってたのも、馬鹿らしいよねちょっと(笑).
.
感性が全く違うと…
1996年公開との事だが、僕は当時小学生になるかならないかくらいの年代だった為もちろんリアルで見た事がなければこの作品の存在も今回初めて知った。
予告でうたわれていた、交通事故への衝撃が性への快感に変わるというのをどういう風に作品としてて仕上がってるのか興味を抱きこの度劇場で鑑賞する事とした。
率直にいうと感性が全く合わずつまらなかったかなというのが感想である。
主人公が交通事故を経験したことによりそこから性快感へと導き、同志達と共有していくのがストーリーとなるのだが、そもそも事故によるというより彼らが極度のSEX依存者、SEX狂気者が故に新たになにか興奮するシュチュエーションを求めているだけにしか見れず、それがたまたま事故の衝撃も含めたカーセックスに溺れているようにしか見えなかった。
この辺を少しでも共感できる狂気として楽しむには感性が大事なんだろうなというのはわかるが、少なくとも僕はこの感性に1ミリも響くことができなかった。
途中から頭で考えながら見るようになってしまったが、こうなり出したらもうダメである。
こういう作品は頭で理解しようとしてもなかなか難しい。
この作品の登場人のようにSEX依存者や変わった性癖を持った人は沢山いるだろう。
また事故と似た点においては、川や空からとダイビングを楽しむ者、命綱なしで高いところでパフォーマンスする者等々命の危険を感じることを楽しむ者も世の中には沢山いるだろう。
そのあたりの変わった感性が重なり合うとこうなるんだろうなぁ…
映画の楽しいところは本来持っていない感性や考えでも作品を観ている時は刺激され時には没入することで擬似体験ができそれが楽しさに繋がることはいくらでもあるが、まぁ全く合うことも理解する事もできなかった。
共感、刺激できる人にとっては面白い作品なのであろう。
面白い脚本
異常な性嗜好、でも面白い。現実の世界だけれど、まさにクローネンバーグっていう感じです。有名人の交通事故について語るシーンがあるが、本当のような気がする。アカデミー賞受賞のクラッシュとは別物です。
全6件を表示