「キカイと一つになりたい(物理)」クラッシュ(1996) 凪さんの映画レビュー(感想・評価)
キカイと一つになりたい(物理)
キカイ(または金属)と一つになることに、
瞬間的なエクスタシーに似た何がある、と気がついてしまう。
それを交通事故という手段で、達成しようと試みる。
自動車に関するさまざまなことを、性的に例えることは、
ありがちで、ベタなことですよね。
けれど、上記の設定により、自動車に関する全てが、
性的行為に(無理なく)属してしまう。
人間とキカイのファックを追求している彼らは、
人間対人間では、当然満足できない。
求めるものは、決して手に入れられない。
その不完全な心のまま、似たもの同士が求め合い、
どこにも辿り着かない、という物悲しい話。
クローネンバーグしか、こんな映画は撮ることができないと思います。
とはいえ、訳がわからん、というのもごもっともで、
・運転下手すぎ
・即大事故
・無反省、無学習
というあたりを突っ込みながら観ても、楽しめるかと思います。
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