デュオ 1/2のピアニストのレビュー・感想・評価
全34件中、21~34件目を表示
双子の姉妹は、二階建て電車に乗って国境を越え、カールス・ルーエ音楽院に通っていた
予告編を斜めに見ただけで、十分な予備知識もなく、よくあるピアニストのジストニアの話か、と思っていた。フランスのアルザス地方に暮らす双子の姉妹。才能に恵まれていて、幼いころからピアニストを目指す。親が全面的に協力・支援するが、プロのピアニストまでたどり着くのは平たんな道のりではない。
二人は、ドイツの名門カールス・ルーエ音楽院に入学する。姉クレールはトップのクラスに、とてもシャイで、少しだけ地味な妹のジャンヌは、すぐ下のクラスに。特に、姉は、ソリストとしてオーケストラとの協演を目指すが、本当に大変だったのは、それからだった。
何と言っても、音楽が聴きもの。幼いころ、デュオで挑戦したモーツァルト、音楽院に入学する時のベートーヴェンのソナタ、苦しいレッスンの時、クレールが弾かされたハノン(練習曲)。興味深いことに、苦しい状態で、音の粒がそろっておらず、やっとのことで弾いたけどゲストの指揮者に認められたり、完璧に弾いたと思っても、コピーと言われたり。
一番心に響いたのは、ジャンヌが、誰もいないはずの音楽院のレッスン室で、まるで、問わず語りでもするように、つま弾いたチャイコフスキーの「四季」から「舟歌(6月)」。ジャンヌにとっても、姉のクレールにとっても、自分の足(と手)で、歩みだすきっかけを与えてくれた曲だったのだと思う。
是非、映画館で観て、聴いて下さい。よい映画です。
才能と家族について
実在する双子のピアニスト、ダイアン&オードリー・プレネ姉妹をモデルにした“実話系”作品。
1番でないと価値が無いという方針の父親に、幼少時からピアニストとしての教育を受けた姉妹。
才能を確信した父親は、自分を犠牲にしても姉妹を成功させようと躍起になる。
(日本でも珍しい話じゃないねぇ)
でも、ちゃんと娘たちを愛してる描写があるのには救われた。
双子ゆえに、いつも一緒
いつも一緒にいるせいで、セットで扱われる理不尽
同じ環境下で、お互い切磋琢磨できる反面、もう一人のコピーでしかないのか?
両親に全面的にバックアップされているからこそ、のプレッシャー
世間的に才能を認められた子ども、双子、当事者でなければ感じないような心情が丁寧に描かれていました。
…これは家族関係の物語。
【今作は実在したという、ビックリ、一卵性双生児姉妹ピアニスト物語である。】
■双子の姉妹クレール(カミーユ・ラザ)とジャンヌ(メラニー・ロベール)は、小さい頃から一緒にピアノを習って来た。あるコンクールで2位になるも、潜水で一度だけ金メダルを取った父親セルジュ(フランク・デュポス)から”一番にならなきゃ!”といわれ、後に隣国ドイツの音楽院に入学する。
ピアノのソリストを目指す2人。だが、彼女たちは両手が徐々に不自由になる遺伝性の難病にかかっていることを知る。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・まずは、この物語が実話ベースという事に驚く。
・で、彼女達をピアニストにしようと頑張るお父さんが、娘達に過剰な期待をかけてしまう人で、それが彼女達から自由に音楽を楽しむという事を奪っているんだよね。
・更に、音楽院のキビシイ男性教師がコレマタ、いけ好かない奴で、自分のお気に入りの傲慢な娘をソリストにしようとするが、クレールの才能を認め一度は彼女をソリストにするが、彼女が手首を痛めた(最初は病気とは分からず。)途端に、ジャンヌをソリストにするが、実は傲慢娘を起用しようとする魂胆なのである。
ー 傲慢娘のピアノを、マエストロに”傲慢さが出ている。”と否定され、自分の音楽教師としての眼も批判されたからであろう。しかも、ジャンヌにキスまでしているのである。全くもう!-
■この映画は、随所で演出や脚本の粗さが目立つのである。何だかなあ。ダニエルとクレールの恋の描き方も中途半端だしなあ。
・けれども、クレールとジャンヌは、一卵性双生児だからこそ出来る演奏方法を編み出すのである。
ー スンゴイ、不思議な演奏方法である。手をヒラヒラと鍵盤にタッチしながら演奏するのだが、あれで鍵盤がホントに押せるのかなあ、と思いながらも手元を映してくれないから、演奏方法の詳細が良く分からないのである。ー
<ラスト、コンサートでジャンヌがピアノの前に座るも、ビビりじゃなかった筈の姉クレールがイキナリトイレに籠ってしまうのだが、ギリギリ間に合って、ピアノをどっかからもう一台持ってきて、二人は背中合わせでピアノを弾き、拍手喝さいを浴びるのである。
今作は、実在したという、ビックリ、一卵性双生児姉妹ピアニスト物語なのである。ウーム。>
一番じゃなくていい
音楽ものの中でも展開読めない
2025年劇場鑑賞66本目。
エンドロール後映像無し。
プロを目指す音楽家ものはよくあって、まぁ色々障害があって映画として成り立つのですが、この映画は音楽家ではないスパルタ親父に音楽の英才教育を受けさせられた双子が音楽学校に入ります。どちらも相当の腕前のピアニストですが、ソリストと呼ばれるオーケストラでピアノを演奏する役割は一人だけなので、当然1人しか選ばれず、最初にそのオーディション資格を得られる選抜クラスに入れるかどうかの振り分けがあって・・・という話。ここだけでもちょっと毛色が違うのですが、ここからさらに大きな展開があって面白かったですね。これがフィクションならちょっとやり過ぎだと思うのですが、実話ベースだっていうんだからびっくりです。さすがに先生とのエピソードは創作だと思うんですけど、だとしたら本人は気悪いですよね。
旋律の絆
双子の物語を親子監督が演出。親子間で生じる問題もとてもリアルに描かれていたので自分たちのことを照らし合わせての演出だったのかな。
社交的な兄、内向的な弟、ジェレミー・アイアンズが一人二役の双子を演じた「戦慄の絆」を思い出した。一人の女性をめぐり二人の間にかろうじて保たれていた均衡が崩れていく様を描いた。
本作は双子姉妹がソリストの座をめぐり関係がぎくしゃくする、しかし後半はさらなる怒涛の展開に。
スポコンドラマとしても双子同士のライバル関係を描いた愛憎劇としても難病ものとしても親が自分のエゴを子に押し付けムービーとしてもすべての要素がまんべんなく丁寧に描かれた超娯楽作品。
主演を演じた二人をはじめとして役者さんもすべてが魅力的で特に若い頃のエリック・バナにそっくりの音楽学校の先生がよかった。宗像コーチみたいなキャラはスポコンものでは必須、でも生徒に手を出したらいかんでしょ、この辺がさすがのフランス映画。
お父さんの頑固おやじキャラも良かった。娘に夢を託すのをあきらめて再び潜水の記録に挑むところが可笑しい。お母さんも娘たちの夢を後押しするために自分を犠牲にする母親像がよく描かれていた。人間ドラマでは必須の人物描写がその背景から丁寧に作りこまれていて心理描写もうまくて、次から次へと登場人物たちに起きる事態に見ていてお腹いっぱいになるほど。最近のフランス映画は「ダンサーインパリ」など良作が多い。
親の期待を背負わされながらもピアノの腕を磨き精進する双子姉妹は名門の音楽学校へ入学、ソリストへの道を駆け上る。ただ選ばれるのは当然一人だけ。ここで二人の関係に亀裂が生じ始める。あがり症でいつも姉クレールの陰に隠れるように遠慮がちなジャンヌは姉のコピーと厳しい言葉を投げつけられショックを受ける。それでも控えめな彼女は姉を応援する。姉は社交的で彼氏も作り楽しそうだがジャンヌはその陰で地道に努力を重ねる。
しかしソリストに選ばれたクレールに異変が、初期の腱鞘炎と思っていた症状は改善せず、ソリストの座をジャンヌに奪われてしまう。
抜け駆けされたと思いジャンヌをなじるクレール。姉妹の関係は悪化するが、それもつかの間クレールの症状は遺伝的なものと判明し、時を経ずしてジャンヌにも同じ症状が。教師の言う通り輝きを見せたとたんに光を失うのは彼女らの血筋が原因だった。しかし本当の輝きが別のところにあることを教師はこの時は知らない。
もはやこの時点で姉妹はピアノをあきらめざるを得ない状況に、二人はどん底に突き落とされる。
子供の頃から親の期待を一身にあびてピアノ一筋で生きてきた姉妹にはあまりにも残酷過ぎた。成長したひな鳥がいざ翼を広げて大空に飛び立とうとした矢先に翼をもがれたように。しかし一方では今まで自分たちの重荷でもあったピアノから解放されて心が軽くもなった。二人は初めて自由になれた気がして羽を伸ばした。
しかしいざピアノから解放されてもやることが見当たらない。コンサート会場のチケットもぎりのアルバイトでは退屈過ぎた。他の職業を探せといまさら言われても。
ホールにあるピアノに何げなく触れる二人。あらためて自分たちにとってピアノとは何だったのか、この時二人は親の期待やオーディションなどといったこととは関係なくまっさらな状態でピアノと向き合えた。そして二人は思い知る、やはり自分たちはピアノが好きなんだということを。
趣味でもいい、やりたいことをやろうと、二人の意思はこの時はじめて一つになった。枝分かれするかと見えた線路のレールが再び一本のレールになるように二人も離れたりくっついたり、これが双子というものなのだろうか。
関節に負荷がかからない奏法を独自に編み出した二人。双子だからこそなしえたシンクロ奏法でもあった。
音楽には詳しくないけどこれが実話だとは驚き。どこまでが事実でどこら辺が演出なのかわからないけど、コンサート本番で指揮者が二人のデュオを知らされてなかったのはあり得ないと思う。あとジャンヌが教師とピアノの上で関係を持つのは創作だろうなあ。
クライマックスでの演奏前に怖気ついたクレールがいつもジャンヌがあがり症克服のために口にする言葉をすればなお良かった気もする。
誰が見ても楽しめる見終わった後に多幸感に満たされる大満足の映画でした。
双子ならではの困難と神秘
双子ですから
No.1ソリストの夢を持ちドイツの名門音楽院に通うフランス人ピアニスト姉妹が、遺伝性の難病。発症する話。
連弾でコンクールに出て銀賞を受賞した帰り道、親父の毒が片鱗を見せるけれど、あれ?なんか明るい感じ!?
と思っていたら、あっという間に大人になって音楽院に通い始め巻き起こっていくストーリー。
クラス訳で辛辣な言葉をかけられた妹だけど、実力は姉と同レベルなんじゃ…アガリ症なんですね。
放題とあらすじ紹介に記されていることで、なんとなくこんな感じかなとは思っていたけれど、実話ベースじゃなかったらにわかには信じがたいまさかの分業っぷりにびっくり。
唐突過ぎてな躁鬱みたいにメンタルの波があったのは面倒くさかったけれど、なかなか面白かった。
原題はProdigiesなので「神童たち」
日本人の丁寧な脚本のアニメみたいによく出来た話。
なので最初のテロップ「事実に基づいてる」を忘れがち。
なので映画の最後にちゃんとこの神童の双子を
しっかり再度リスペクトするのが最高。
ストーリーの起伏はシナリオの教科書みたいに完璧。
姉妹だけでなく家族の関係性が
ダイナミックに変わっていくのも興味深い。
まあ巨匠のコンダクターなら緻密なゲネするだろ?とか
お父さんの競技なんだよ?!とかツッコミどころは満載だけど
線路とか楽譜とかハンマーとか
人物以外のいろんなものに登場人物の気持ちを乗せてて
お!シャレード久々に見るな!ってなったのでとても満足です。
まあ、毒親ほんとに勘弁だし
自分のことしか考えてない教育者とか
色々考えさせるとこも良いですね。
明日からベルリンなのに何も用意してないけど
ファーストデイに映画に行くのを選んだのバカかもしれない。
それではハバナイスムービー!
痛みに呼応するピアノ
驚くほど素晴らしい映画!
惜しい作品
感動するし、必ず涙を誘う作品。
だが、モヤモヤは残り名作ではない。
ラスト演奏前の妹のトイレこもりはもっと伏線張って無いのか?
父の名誉回復のためにもっと気の利いたセリフはなかったのか?
指揮者がダブルピアノ知らないのは流石にないだろう。
姉の初恋は語らずに、妹の先生との秘め事はするなり描かれているのも???
しかも復学の材料しか使われてない。
「その手で弾くの?」「これしかないから」は結構響いた。
10分時間をを伸ばしてもう少し語れば良かったのではないか。
全34件中、21~34件目を表示