「難病にかかりソリストを諦めてデュオとして再生する双子のピアニスト」デュオ 1/2のピアニスト 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
難病にかかりソリストを諦めてデュオとして再生する双子のピアニスト
ドイツの名門音楽院で勉強する双子の姉妹のピアニストの卵。
2人が遺伝性の骨の病気で挫折するものの、関節に負担のかからない演奏法
を考案して、編曲を工夫してデュオのピアニストとして
生きていく話し。
一説によると音楽大学でピアノを専攻する学生の10に1人は
腱鞘炎により、ピアニストの夢を諦めているそうです。
練習のし過ぎ(無理に広げたオクターブ演奏など、)が原因です。
《ストーリー》
双子の姉妹のクレールとジャンヌは父親の厳しいしつけで
メキメキと腕を上げで2人揃ってドイツの名門音楽院に入学。
ある日、学院でオーケストラを招いてピアノコンチェルトを演奏する
ソリストのオーディションがありました。
姉のクレールは見事ソリストに選ばれます。
そうして厳しい教授レナート先生の特訓を受けるうちに手首の痛みが
悪化して精密検査を受けると遺伝性の骨が脆くなる病気と判明。
レナート先生は妹のジャンヌを代役に立てる決断をしてしまいます。
しかし妹もやがて同じ症状を発症します。
自暴自棄になるクレール。
ピアノも売り払って学院も退学してしまいます。
静かな日々が訪れます。
でも2人の思い・・・私たちにはピアノしかない。
2人で少しづつパートを分け合って弾くピアノは、楽しく
心満たされて、2人はやがて隠れて練習するようになります。
お父さんには内緒でお母さんが交渉して復学が決まります。
怒り狂うお父さんでしたが、姉妹が心から楽しそうに演奏する姿を
聴いて応援することにします。
ピアノも戻ってきます。
そして演奏会の日。
背中合わせの2台のグランドピアノ。
手首を丸めて高い位置から打鍵する独特の奏法。
2人の演奏は感動のうねりを生み大喝采を浴びるのでした。
(ここでラストなのですが、)
この映画のモデルとなったのが、
ディアン&オドレイ・ブリオ姉妹。
2013年11月11日の東日本大震災の復興を支援するために来日して
コンサート映像が公式ホームページに、ありました。
プリオ姉妹は日本語が堪能で曲の進行と解説を日本語で担当しています。
演奏の独特の手首を高く上げる奏法から、驚くように美しいハーモニーが
生まれます。
映画の中のクレール&ジャンヌの演奏より、数倍感動しました。
ピアノを愛する人たち全てに届く演奏。
テクニックや難解さより、自らが楽しんで演奏して、
聴く人を幸せにする。
そんな2人は輝いていました。