「亡き娘が、家に帰ってきた──人形の姿で。」ドールハウス シネマ紳士さんの映画レビュー(感想・評価)
亡き娘が、家に帰ってきた──人形の姿で。
得体の知れない人形をめぐる物語を軸に、喪失と狂気、そして母性という重いテーマをサスペンス仕立てで描かれた作品。
ファーストシーンで心を掴み、中盤以降はアトラクションのようなスリリングな展開と謎解きのテンポが加速し、観客を飽きさせない構成になっている。
ただその分、いろんな要素が詰め込まれた印象も否めず、感情の余韻をじっくり味わいたい人にとってはやや散漫に感じられるかもしれない。
とはいえ、長澤まさみを筆頭としたキャストの演技は説得力に満ちており、細部の演出にも緊張感があった。
過剰にショッキングな描写に頼らないホラー演出なので、ホラージャンル初心者や普段ホラーを敬遠しがちな方にもおすすめできる。
• 世界へ入り込む度:★★★☆☆
• 感情ゆさぶられ度:★★★★☆
• エネルギー消費度:★★★★☆
• 配信でも観ます度:★★☆☆☆
• 人にすすめたい度:★★★☆☆
【制作エピソード】
人形造形には徹底したこだわりが込められている。モデルとなったのは、江戸時代に作られたリアルな“生き人形”。さらにビスクドールや球体関節人形の要素を融合し、顔はあえて左右非対称に仕上げられている。そのため、見る角度によって微妙に表情が変わり、長澤まさみや瀬戸康史も「表情豊か!」と驚きを口にしたほど。国際映画祭を巡る中でも、まるで人形自身が旅を楽しんでいるかのような表情を見せていたという。
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