「あまり怖くなかった」ドールハウス Tenjinさんの映画レビュー(感想・評価)
あまり怖くなかった
主演の長澤まさみさんは的確な演技をされていると思いますが、生来の丸顔がシリアスなシーンでもどこかコミカルに見せてしまうのが残念ですね。背の高さとか中堅の域に入った女優としての貫禄がたくましさを感じさせるし、弱々しい女性の役には合っていない気がします。
物語としては、人形供養の専門家が出てくるまでがちょっと長いというか、そこからが本来のホラーだったのかと頭を切り替える必要がありました。前半のあれやこれやをもう少し端折ってもよかったかもしれません。
いざ専門家との対決となると人形も本気を出してくるわけですが、やはりある程度正体がわかってしまうと怖くなくなってしまうのはホラーの構造的弱点ですね。カメラのピントをわざとぼかしたり、現実と夢を混ぜて物語をわかりにくくしたりと工夫はされていますが。やりすぎて色々スッキリしない終盤になってしまった感もあり。
細かいツッコミどころとしては、子供だけを家に残して外出するときは外から鍵をかけたほうがいいのではとか、子どもの姿が見えないときは洗濯機の中を見るくらいしないんだろうかとかありますね。
総じて丁寧に作ってあり、映像や音に安っぽさとか作り物っぽさはないのですが、話にあまりのめり込めず、結果的に後半は半分ギャグとして見ることになってしまいました。専門家のおじさんの微妙に頼りにならないところとか。あと、YouTubeのシーンはもっと短くしてもよかったかも。ユーチューバーにありがちな、わざとらしい大げさな演技(の演技)が上手な分、虚構感が増して冷めます。
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