「大変面白く今作を観ました。」ドールハウス komagire23さんの映画レビュー(感想・評価)
大変面白く今作を観ました。
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(完全ネタバレですので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
(レビューが溜まっていたので短く)
結論から言うと、今作の映画『ドールハウス』を大変面白く観ました。
映画冒頭の事故は、現実でも実際に起こっていて、主人公・鈴木佳恵(長澤まさみさん)が経験する悲痛な感情は、余りにも重くリアリティがあったと思われました。
この根底の主人公・鈴木佳恵の悲痛なリアリティは、扱われてる題材が非現実的ながら、作品に最後まで手触りあるリアリティをもたらしていたと思われました。
なので、人形の動きや感情に生々しさが加わり、大切な生命が消失したという精神的な恐怖も根底に流れ、観客の心をつかみ最後まで引っ張って行ったと思われました。
ただ、個人的な好みとしては、前半の日本人形でありながらの人形の動きや、夫・鈴木忠彦(瀬戸康史さん)との生活が、どこか西洋的で矢口史靖 監督らしい意外性があったのですが、後半の呪禁師・神田(田中哲司さん)が出て来た辺りから、日本的な呪いの世界に変化して行き、これまでの邦画での村の呪いといったやや既視感ある内容に変化したと思え、惜しさは僭越感じられました。
また、作品の着地に関しては、夫婦の別の抜け出た解決の方が好みではありました。
ただ一方で、矢口史靖 監督が新たな境地に乗り出した、冒頭の事故の悲痛さに舞い戻り、監督が大切にしていた根底を想い起させる、深さある秀作に仕上がっていたと、僭越ながら面白く観ました。
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