「問答無用の怪作人形ホラーこういうのが見たかった」ドールハウス ONIさんの映画レビュー(感想・評価)
問答無用の怪作人形ホラーこういうのが見たかった
矢口史靖さすがの一作。かつて関西テレビの「学校の怪談」シリーズで傑作・怪作を残しているだけに、予告編で遂に劇場長編でオリジナルホラーやるんだと知った瞬間から待ちに待っていたが予想を全然上回る作品になっていた。
昔からカメラを使ってのギミック、というか全体的にエンタメ趣向の芸大生の仕掛けるいたづら感満載の人だと思ってるのでホラーに振り切り、そして「人形」ともなればここまでやれてしまうのか、とジャパンホラーコンテンツとしても待望の「人形ホラー」ほぼ最恐の一作になった。
まずアバンだけでも相当怖い。絵的にはまったく怖くないのに包丁を閉まい、風呂のふたを確認して出かけるだけで怖さMAXに持っていけるのが凄い。このコンティニティの素晴らしさ。長澤まさみのレジで聞くひとつの情報だけで、もう相当やばそうなことが予想されたあとのタイトル前に放り込まれる大穴。これだけでも傑作短編。それからこの長編でこの穴をどこうやって回収していくかの感動(それでもそれで終わらないが、、)含めて長編としてお見事。
さもない当たり前の日本家屋を特別な美術や照明でなく人形と実の娘(役者)のスイッチだけであれだけやれること、視界から消え、入れ替わる恐怖、何度始末しようとしても失敗して箱ごとバラバラになつてエスカレーターから降りてくる人形の不気味さ、始末しようにもできないという単純作業の繰り返しが半分コメディにも見える面白さ。動かない人形をどんだん怖く見せていき、動き始めた時にはハンパないのスピード感を見せ(監視カメラ、フラッシュ)、そしてほぼ数字フレームにしか見せない人形の顔の造形とその怖さ。久々に劇場で集団の悲鳴を聴いた。いやー素晴らしい。
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