「宣伝と全然違うじゃん!」ドールハウス 屠殺100%さんの映画レビュー(感想・評価)
宣伝と全然違うじゃん!
この映画の宣伝が、ダイニングテーブルに人形座らせて、それに気づいてワッと驚くコメディ調だし、オリジナル曲じゃなくてどっかで聞いた曲使って安っぽいなあと思わせるし、人形にMRIやるシーンみせて馬鹿馬鹿しい感じだったので正直馬鹿にしてました。怖いの苦手な人を騙して客増やすためにわざと軽くみせてたでしょ?コメディ調とのギャップで驚かせる戦略でしたかね?実際にみたらこれはなかなか怖いですよ。
怨霊系のホラーですが、その怨霊の力がなかなか強いんです。それは観てのお楽しみ。
エクソシストのパズズやヴァチカンのエクソシストのアスモデウスみたいな超有名で強力な大物じゃないんですが、鬼滅の刃でもそうですが、この世で壮絶で悲惨な生き方や死に様をした人ほど鬼になると上弦入りするのと同じ理屈で、そりゃあもう悲惨で可哀想で凶悪な怨霊誕生の秘話があるわけです。可哀想の度合いが強ければ強いほど強力に怖くなるのはなんででしょう?
怖さのみせ方が非常に巧みで、どっちが長澤まさみの娘でどっちが人形かだんだん分からなくなっていくようになってるし、娘も呪われてリーガンになっちゃうんじゃないかとヒヤヒヤしてきたり、なんといっても怨霊のビジュアルがなかなか凶悪な感じで怖い。サブリミナル的で、かなりブレのある映像でそいつをみせるもんだから悪霊感が出てて素晴らしい。なんだかよく見えないのが逆に怖さを増してます。
大林宣彦の漂流教室みたいに何か奇声あげる化け物が高速で動きながらうごめいるのはわかるが、はっきり見ようとしても暗闇とフラッシュが連続するので何が映ってんだか分からんようなみせ方をこの映画でも観ることができました。
また、異世界に入ったのか、あるいは頭の中の世界なのか巧みに気づかせないところもあの世感が出ていて素晴らしい。
欲をいうなら、暗闇とフラッシュの切り替えの時にあの怨霊の顔をフラッシュで一瞬でもアップで見せたら結構怖かったんじゃないかと思います。
あとエンドロールの最後の暗闇の画面で一瞬サブリミナル的にあの怨霊の顔をアップでみせるとか。そうしたら結構なショックだったんじゃないかと思います。それがなくてもポラロイド写真で撮ると凶悪な悪霊がはっきり映ってたりするといったひねりの効いたみせ方がうまいのでなかなか怖いお化けでした。それにしてもCMで騙すんじゃないよ!
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