「劇場霊よりは遥かに出来がよい。」ドールハウス うにたん♪(DCPにも抜け穴あるんだ)さんの映画レビュー(感想・評価)
劇場霊よりは遥かに出来がよい。
ホラー作品として悪くない。
次の展開を、機会を…と見えるラストが悪い(商売っけが匂う)。
こんな書き方をしたが、近年公開された日本製ホラーの中では良くできているし、ライトユーザーにも優しい“作り”で目立つグロさもなし。ちょっとばかしのジャンプスケアを用意しておりますと言う内容。
日本らしい過去の設定などを見るに純粋なホラー作品
作中、鈴木家に起こった不幸な出来事のシーンで、子どもを放置したらいけないと言うのをイヤになる位刷り込まれる。
そして悪い奴ってのは、弱ったとこにつけ込んでくる流れ。精神薬で妄想、幻聴、幻視を抑えられても心の弱い所にぬるりと入り込んでくる人形。まぁ普通の感覚なら、あんな御札だらけの箱入り人形絶対買わない(笑)
亡くなった娘に似た容姿の人形に入れ込んで、セラピー効果が発生し妻は回復?(あれで回復とは思えないが)し、新たな命を授かる。
その娘が5才になった頃に蔑ろにされた人形が、その牙(歯)を剥き始めるのだが、あの歯形はほんとに痛々しい、引っ掻き傷も…。
即妻を疑う夫だがちょっと不満がある。
精神薬を飲んで持ち直したとは言え、そんな妻に任せて夜勤三昧?で娘と風呂にも入ってない様子。幼稚園で描いた絵とかも見てない。元患者の妻に頼りすぎと見るべきか?それとも夫の稼ぎだけで家を持っていた様子からローンと賃貸マンションの賃料のダブル払いで必死に働いているのか?…等と余計な事に頭がいってしまう俗な私。
まぁそれは置いても、人形の礼(あや)がアグレッシブに動くと驚くシーンが増える。
某マネキン映画はマネキンを歩かしていたが、本作は勢い良く視覚に訴えてくる為、まともに動いて人を襲う映像も出てくる。
だが、意外にもはっきり死んだと分かる人が出てこない。(死が確認出来てない)
島から出てきた理由がYouTuberと一緒に出てきたとして、YouTuberは編集で気づかなかったのか?実は6人になっていた!なら大喜びで撮れ高を喜んでいる筈なのに。
それとも彼らはもうお星さまになっているのか?
逆にクセ強なキャストが続々と登場し、こりゃやられるだろ?と見ていたら、クソ坊主今野についてはバチでも当ててみやがれと抜かした途端にバチが当たったし、イヤらしい性格が滲み出たような安田顕の刑事があっさりビビらされたり、人形供養のプロ?として登場する謎の呪禁師(じゅごんし)を田中哲司が期待持たせつつ、あっさり退場を決めるなど、肝心な時に役に立たねぇ~ユニークキャラクターが次々登場する。この辺は妙味がある。
しかしラストがいただけない。
二転三転させてどれが現実か判断がつかないようにしておいて、あのラストである。
祖母に預かって貰って、車で待たされていたと思われる次女真衣の横をベビーカーを押して幸せそうな顔をしている鈴木夫妻、腐った牛乳や枯れ落ちる花などを見るに、二人はもう連れていかれたのか?もしくは神無島でそのまま連れていかれたのか?色々考えてしまう。
そして次回もキャストを変えず製作するのか?それとも鈴木夫妻が亡くなった体で娘が人形供養の道に入るのか?
客の反応も悪くないけど、CMみたいに叫んでいる人は少なかった。まぁ公開から三日、日曜日に満席にならない程度の集客しか出来ないのを見ると…。コナン君とかドル箱になってる作品はロングになるけど、これは直ぐに終わりそうだ。私個人としては良い作品だが、観客数となると同じく夏場に公開されるホラー作品に押し負けるだろうから…。
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