「和ホラーのお約束てんこ盛りの作品」ドールハウス およよさんの映画レビュー(感想・評価)
和ホラーのお約束てんこ盛りの作品
登場人物の軽率な行動でどんどんと深みにハマってしまうタイプの和ホラーの王道作品です。
幼児期の子どもが集まる中、子どもたちだけにして1人買い物に行く軽率さから悲劇は始まり、
・思いっきり曰く付きのものだと(普通であれば)分かる呪物人形を手に入れる(精神が疲弊していたとは言え…)
・ずっと大事にしていた人形を、本当の子どもが生まれて用済みだと言わんばかりに押し入れに放置
・自分が大切にしていたのも忘れて人形を邪険に扱う。この手のホラーをちょっと掻い摘んでいたらタブーだと分かる行動までする
・ヤバい人形だと薄々気付いているはずなのに、その人形と会話している娘の言っている事を信じない
・元の場所に返されるのを全力で拒否する人形に気が付かず強行突破する(本当に帰りたがっているならこんなに拒絶しないよな…と、観てる間ずっと不思議だった)
・自分が負傷したからとはいえ、ド素人の夫婦に丸投げする呪術師(代わりの人とかいないのか…?)
などなど、最初から最後まで(ああ…こんな事したら人形が怒るぞ…)という行動を真面目な顔でやり続ける登場人物達の姿は、和ホラーの定番ではありますが、ある意味ギャグとしか言いようがない有様でした。
作品としてのクオリティは演出含め結構高いですが、ホラー好きが見たら「やっぱりね」の連続で新鮮味がなく、ラストのオチ含めて驚くポイントが何一つない作品です。
伏線の張り方や演出に関しては王道で上手くまとめられていて、和ホラーを作ってみたい人は一度見た方が良い、教科書みたいな作品でもあると思います。
ただ、分かっていたとは言え最後の真衣ちゃんの親を呼ぶ虚しい声には心を痛めました。
あの子はもう、あの夫婦には認知されないのだろうな、と…。
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