「人形ホラーあるある 生き人形マリア」ドールハウス レントさんの映画レビュー(感想・評価)
人形ホラーあるある 生き人形マリア
安定の矢口ブランド。監督の作品のクオリティーは折り紙付きで観客はお金払って劇場鑑賞することに躊躇しないほどその信頼性は高い。
個人的には「ロボジー」と「ウッジョブ」が大のお気に入り。前作の「ダンスウイズミー」は途中から失速して残念な展開だったけどやはり普通に楽しめた。
本作はいわゆる人形ホラーというある意味やりつくされた分野に手を出してしまったので、どうしても見る側のハードルも上がってしまうため幾分心配しての鑑賞。
やはり不安は的中。さすがの矢口監督だけに観客を充分楽しませる術を心得ていて普通に鑑賞には耐えられるし非常に丁寧に作られた作品であることが随所から伝わってくる。
普段映画を見ない観客にしたら十分楽しめたんじゃないかな。でも逆にそんな矢口作品だけにシネフィルが見るには当然ハードルは上がる。
ありきたりな人形ホラーあるある以上のサプライズが要求されるのは仕方ない。結末の二段落ちなど頑張ってはいる。しかしやはり観客の予想の一段上、二段上をいくほどのものはない。
本作は良く言えば丁寧に作られた定番の人形ホラー、悪く言えば観客の予想範囲内におさまるホラーである。
作品のクオリティーが高いのが当たり前という矢口作品だけにやはり観客を驚かせるだけのものがなかったのが実に残念。
監督の能力の高さが観客の期待をいやおうなく上げてしまっているジレンマは致し方無い。同日鑑賞した「リライト」のような作品が世に出されてるだけにベテラン監督にはつらいところではある。
ちなみに人生で一番怖かったのはサスペリアパート2の気色悪い人形のシーン。気になっているのはフィリピン映画の「生き人形マリア」。
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