劇場公開日 2025年5月16日

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「結果を恐れずに行動せよ」かくかくしかじか みかずきさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 結果を恐れずに行動せよ

2025年6月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

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漫画家を目指す女子高生のサクセスストーリーだが、彼女と絵画教室の教師との9年間を主軸に描くことで、サクセスストーリーを超えた味わい深い作品に仕上がっている。原作は原作者である人気漫画家・東村アキコの自伝的作品であり原作者が脚本も書いているので、フィクションのようなスマートさはなく自伝らしい泥臭さがある。リアルに感じられるシーンが多いのは、原作者の拘りが作品に反映された結果だと推察できる。

本作の主人公は宮崎県で暮らすぐうたらだが自信家の女子高生の林明子(永野芽郁)。彼女は漫画家になるため美大進学を決意し絵画教室に通う。絵画教室の教師・日高(大泉洋)は竹刀を片手に持ち常に生徒達に描くことを強いる個性的スパルタ教師だった。日高の熱血指導で美大に合格したが、明子は目的を見失って漫画家への道は遠のいていくが・・・。

主演の永野芽郁が青春期の明子の輝き、彷徨、戸惑い、危うさ、脆さ等を瑞々しい感性で表現している。特に美大入学後に目標を見失い彷徨し日高にアシストされる展開は共感できる。私も一浪して志望大学に入学し受験一色の生活から解放されたが、その後がノープランで彷徨していた時期があった。敷かれたレールの上を進む人生から自分で考えて自己責任で進む人生への転換期だった。懐かしくほろ苦い青春の思い出である。

大泉洋と夢を追う女子高生という設定は、小松菜奈と共演した『恋は雨上がりのように』を思い出す。大泉洋の役柄は全く違うが本作でも芸達者振りを発揮して見事に日高役を熟している。厳しさの中に、絵画への想い、生徒達への想いが伝わってくる。特に象徴的なのは、彼が叫ぶ『描け、描け』という言葉である。結果を恐れず行動しろという意味だと解釈できる。明子や生徒達だけでなく我々観客を鼓舞している。更には、現在苦境にある女優・永野芽郁へのエールだと感じた。

行動すれば失敗もある。過ちもある。しかし行動しなければ己を高め人生を前進させることはできない。本作からの味わい深いメッセージである。

みかずき
こひくきさんのコメント
2025年10月3日

読んでいて作品への熱意と深い共感が伝わってきました。

特に印象的なのは、単なるサクセスストーリーとして片付けず、教師との9年間を軸に「泥臭さ」や「リアルさ」を評価されている点です。原作者の人生そのものが反映されているからこそ、観客の心に刺さるという指摘には強く頷きました。

また、永野芽郁さんの繊細な演技に注目し、ご自身の青春時代の彷徨や転換期と重ねて語られているところはとても胸に響きました。作品を鑑賞することで自分自身の経験や感情が呼び起こされる――それこそ映画の醍醐味ですよね。

さらに、「描け、描け」という日高の言葉を「観客へのメッセージ」として受け取られている視点も素晴らしいです。行動する勇気、失敗を恐れない大切さを作品から引き出した読み解きは、多くの人の背中を押すものだと思いました。

こひくき
n007さんのコメント
2025年7月5日

はじめまして、フォローとコメントありがとうございます。よろしくお願いします。

n007
カルヴェロさんのコメント
2025年6月15日

弱い心は鍛えなければ
日々の積み重ねは何ものにも変えられない自分自身の経験になる
観終わった時そんな思いが浮かびました

カルヴェロ
パタリロ殿下さんのコメント
2025年6月14日

共感ありがとうございます。
永野芽郁にせよ、大泉洋にせよ、お二人方ともに名演技であり、作品に引き込まれました。
永野芽郁に関し…記述もしたんですけど、ほんとハマり役だと感じました。
またよろしくお願いします。

パタリロ殿下
おつろくさんのコメント
2025年6月12日

共感ありがとうございます!

自分も美術学校出身なんで、黒歴史を思い出しながら鑑賞しました。大好きな絵を描くことも課題として膨大な量を求められると、これが凄い苦行なんです。代ゼミの東京藝大受験クラスを見学したことがありますが、自分よりはるかにデッサンが上手な人が六浪とかしているのを目の当たりにして、強烈な熱量が無いと生きていけない世界だと悟りました。

おつろく
トミーさんのコメント
2025年6月12日

共感ありがとうございます。
永野さんのスキャンダル、信じられない大火事になってますね。もうエール位じゃどうにもならない印象ですが、この作品は面白いので評価別物と考えてもらいたいです。

トミー