「ボーちゃんじゃなくて良かった感は否めないが一応たのしかった」映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ ただの映画好きさんの映画レビュー(感想・評価)
ボーちゃんじゃなくて良かった感は否めないが一応たのしかった
ネタバレにならない範囲での感想ですが、私はクレヨンしんちゃんの映画はしんのすけやヒロシの声優さんが変わってからしばらく観に行ってませんでした。なので、数年ぶりに観て真っ先に衝撃を受けたのが、しんのすけの声が自然で感動しました。
声優さんも相当努力されたんだなと思います。昔のクレしんの映画を全部見た人からしてみれば、新しい1つのスピンオフとして見ればまあ受け入れられるのかなとは思います。
個人的にエンディングのイラストがすごく好きでした。物語のテーマやキャラクターの魅力そのものは良いからこそ、その良さを表現しきれてなかった所が残念ではありましたね。全体を見て評価するんじゃなくて、いい所だけを切り取れば良作かなと思います。ひとつ思ったのは、ボーちゃんっていう滅多にスポットライトが当たってこなかったキャラがメインで登場したからこそ、大きな挑戦をした映画だったんだなと思えば割り切れる気はしますかね。クレしんファンには微妙かもしれないですけど、あくまでも子供向けですからね。強いていえば歌ったりダンスするのが好きな子を連れてけば喜ぶんじゃないでしょうか。ギャグは大人でも楽しく笑えました。
ここから先はネタバレになりますが、大事なことを伝えるシーンにたどり着くまでがただただ駆け足で中途半端にはなってしまったのかなと思います。女の子の葛藤の回収が丁寧だった割に、かすかべ防衛隊とボーちゃんの仲直りの仕方が雑だったなと思います。もちろんかすかべ防衛隊同士で助け合ってたのはすごく良かったなと思います。そのシーンがあったからこそボーちゃんをまた仲間として、友達として受け入れる事が出来たことに納得はいったのですが、それはそうとして、暴走したボーちゃんを納得させるほどのセリフとしてはしっくりこなかったので、この作品の最大の見所を潰してしまったんじゃないかと思います。
珍しくく園長先生が活躍したのはすごくファンとして嬉しかったですが、ボーちゃんに初めてスポットライトを当てた作品なんだから、ボーちゃんの扱いというか、ボーちゃんの良い所をきちんと知れる余裕が無かったです。ボーちゃんがおかしくなってからの展開の勢いを初見で受け入れるのは難しくて、ボーちゃんというキャラを好きになろうにもよく分からなかったという印象のままでした。いっそ映画専用のキャラがラスボスで良かったんじゃないかなと思います。どちらかと言うとボーちゃんじゃなくて女の子とインド、そしてボーちゃん抜きのかすかべ防衛隊のための物語になったと思います。
対決そのものもなんというか、ダラダラしてたのでそれで退屈する人も居たでしょうし、わざわざ野原一家を登場させた割にみさえやヒロシの扱いは雑だし、映画としての完成度として見ればやっぱり中途半端って思いはしました。
ダンスや歌が多かったり、インドの良さを伝えるための作品にしたかったのならそれは映画ではなく観光番組とコラボして伝えるので良かった気もします。そもそも今回の映画はインド映画風にしていたのでしょうか。私自身はインド映画は見たことがないので回答に困るのですが、インド映画を見てる人なら面白さが分かるのであれば子供には荷が重いのではないでしょうか。
しんちゃんが迷子になって色々な人にお世話になって、感謝の気持ちを伝えたことで上手くやっていけたってシーンはそれは別の映画で既に表現し終わってる事な気もしたんですよね。混ぜすぎたが故に駆け足になったのかなあと。伝えたいことがいっぱいあるならあるで構成を見直しても良かったんじゃないかなぁとは思ってしまいますね。
まあ楽しかったといえば楽しかったです。それは間違いないですね
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