映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズのレビュー・感想・評価

全98件中、1~20件目を表示

3.5「クレヨンしんちゃん✖️インド」の化学反応は「混ぜるな危険」?

2025年8月8日
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基本的には例年のような気楽に楽しめる作品に仕上がっている点で及第点です。ただ「映画クレヨンしんちゃん」の出来は、近年クオリティーの高い作品が多いので、あくまでその比較での評価です。
今回の「クレヨンしんちゃん」はインドが舞台ということで、典型的なインド映画のように歌と踊りが入るんだろうな、と想像していましたが、これが意外にも「混ぜるな危険」という化学反応だったようです。
まず、「歌と踊り」のシーンが残念ながら「クレヨンしんちゃん」に上手くハマっていませんでした。
「インド映画風」という建て付けでどうしても「歌と踊り」の方にも力を割かざるを得ないためか、結果的に本体の物語が、取って付けたような雑さが目に余る感じになっていました。つまり、慣れない要素で手間どり、上手く融合し切れず共倒れな印象を持ちました。
結果的には、いつも通り本体の物語に注力して、インド要素は「幻のカレー」等のモチーフで済ませた方がまとまりができたように感じます。今回の監督と脚本家は優秀なはずでしたが、題材の食い合わせが悪かったのかもしれません。

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細野真宏

3.0ハガシミール州ムシバイ

2025年8月28日
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泣ける

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楽しい

2年前の前作「・・・とべとべ手巻き寿司」が初の3Dでストーリーもさることながら目の部分等の漫画チック2Dと顔の膨らみ3Dが見事に調和していてアクションシーンもすごく面白かったものだから今回のインド映画へのオマージュもかなり期待して観に行ってしまった。ボーちゃんがインドで暴君になるめくるめくボリウッド華麗ミュージカル、というアイデアは良いのだが全くのだめだめ企画倒れで残念。ロケハンをきちんとしていないのかインド映画の肝を掴めておらず、物語の鍵となる骨董屋にインド的怪しさは皆無で、しんちゃんたちが途中下車してカレーを購入する町はまるで越谷レイクタウンにしか見えない。見せ場のダンスシーンも全くインドが感じられずむしろ春日部での予選会の方が盛り上がっていたくらいなのだ。唯一「ボーちゃんらしさ」って何?というメインテーマが秀逸で園長先生を「組長」と呼ぶしんのすけがやはり好きである。

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たあちゃん

4.5まさか…君が最後の脅威だとはな…

2025年8月27日
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泣ける

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楽しい

小学生の妹と一緒に観に行きました
個人的には満足!!おもしろかったです
しんちゃん好きなら大人が観ても楽しめると思う!!!

インドに行ける理由がめちゃくちゃっていうのはそうかもしれないけどそんなこと言ったらメキシコもそうだし未来に行ったり夢の世界でなんやかんやしたりでキリがないのでそこは気にならない

出てきたメインキャラは全員活躍の場アリ!!(かな?)

クレしんの映画ならではのギャグにプラスして歌、踊りが組いることで楽しい作品になってました!!!

鼻に呪われたティッシュを詰めてしまったボーちゃんが暴君(ボーくん)になってしまったからそれをみんなで止めましょうって感じだけど
みんながボーちゃんを想う気持ちが滲み出てる

予想外なことに人が人に持ってるイメージを押し付けるのはどうなのかという人としてのあり方を考えさせられるシーンもあり

そしてレビュータイトルの通り…まさか君が最後の脅威だとは思ってもみなかったよ…

あとは暴君じゃない時のボーちゃんのテンションがいつもより高くてみんなとインドに行く、行けたことへの気持ちが観て取れてすごいかわいかった

アハン・ウフンさんもおもしろかったし

あとアリアーナもかわいい、アリアーナが踊るシーンはほぼなかったも同然だけど歌はあった!
顔もかわいかった

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にわかちゃま

3.0子供はやや飽きてました

2025年8月26日
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Yudai

2.0ひろし・みさえは1回休め

2025年8月24日
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楽しい

驚く

斬新

ボーちゃんと音楽メインの斬新なクレヨンしんちゃんで、新たな試みとして面白かったです。ストーリーは結構強引だけど、テンポよくテレビの雰囲気が出ていて良かったです。ただひろし・みさえの最近の説教感は鬱陶しく、今回のインド旅行はかなり強引に参加しているので、毎回映画に出てくる必要がないと思います。

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タベレン夕

3.5このままでいい

2025年8月24日
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癒される

春日部市とインドのムシバイが姉妹都市になったことを記念して、ムシバイでダンス大会が開催されることになった。そこで、春日部市代表としてしんちゃん一行が選出され、インドへ招待された。旅先でしんちゃんはある雑貨屋にあった不思議なリュックを購入する。そのリュックには2つの紙が入っており、それを鼻に詰めると強大な力を得て暴君になってしまうという代物であった。偶然その紙がボーちゃんの鼻に入ってしまい、ボーちゃんは暴君と化してしまう。しんちゃん一行は暴君と化した彼を救うことができるのか…。

しんちゃんの映画を久しぶりに鑑賞した。最後に観た記憶が曖昧だが、10年ぶりくらいだと思う。そんな状況で、本作を鑑賞した第一の感想としては、昔と変わっていなくて安心した、である。

オトナ帝国やアッパレ戦国など多く名作が存在する本シリーズ。残念ながら、それらと比較すると本作の完成度は低い。しかし、昔ながらのしんちゃんの良さはふんだんに盛り込まれていた。

例えば、友人を救うことを最後まで諦めないしんちゃんの友情、カスカベ防衛隊のボケとツッコミのバランスの良さ、裏切りに心揺れるおにぎりなど挙げればキリがない。

その中で、本作で突出すべきシーンは、ピンチの場面でイケメン作画になるヒロシである。これを挙げたのは、私がトップガンのファンであることに起因するが、トップガンをよく知らない人でもこのシーンには笑ってしまうだろう。ヒロシが運転したことのない飛行機を操縦するシーンなのだが、あの有名なテーマを意味不明な歌詞で歌いながらドヤ顔で飛び立つのである。そして、なぜかこのイケメンヒロシの操縦がかなりイケてるのである。トップガンマーヴェリックで崖を左右に避けるシーンがあるが、これがそのまま採用され、ヒロシはこれをリズムよくかわしてしまうのである。これには参ってしまった。これはウケるシーンでもあるが、こういう大人もバカになって、本気で敵に立ち向かうのが本シリーズの醍醐味だったなと昔の気持ちを思い出した。

本作の高評価が少ない理由としては、インド映画特有のダンス&歌唱シーンが多く、ストーリーに関係のないシーンが多い、ボーちゃんを救うのがメインテーマであるが、案外簡単に紙をとりだせてしまう、肝心のラスボスが意味不明なチャパティかよ、など様々あると思う。

しかし、これも引っくるめてクレヨンしんちゃんシリーズなのだと思う。姿勢を変えずにフルスイングしているから、大ハズレも大アタリもあるのである。

国民的アニメは毎年1本新作映画を上映しているが、コナンしかりドラえもんしかりそれぞれの色が出ていていいと思う。本作を観た人が、しんちゃんは迷走していると言うかもしれない。心配ない。クレヨンしんちゃんは最初から決まった一本道など進んでいない。私は、本シリーズには、この姿勢のままできるだけ長いこと走り続けてほしいのである。

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セッキーかもめ

3.0抑えるところはしっかり

2025年8月23日
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採点3.3
橋本昌和監督による「クレしん」新作、子らと行って来ました。
インドのムシバイが春日部と姉妹都市となってみんなで訪れるといった、かなり強引な設定。
色々と冒険していて、新鮮であって不思議な展開も多いです。
またボリウッドダンスの導入は、流石に「クレしん」にフィットしてなかったかなぁ…個人的にですが。
しかし山ちゃんと速水奨のコンビが最高すぎたりと、見どころも多いです。「オラはにんきもの」もアツかった。
抑えるところはしっかりと、子らも「おもしろかった!」と好評だったので、メインターゲットには成功でしたね。次作も楽しみです。

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白波

3.0スパイスでマイルドになりすぎたボーちゃん

2025年8月23日
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saitofj

3.0踊る野原ジャ

2025年8月23日
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斬新

2025年映画館鑑賞77作品目
8月23日(土)イオンシネマ新利府
ACチケット1000円

監督は『映画クレヨンしんちゃん バカうまっ!B級グルメサバイバル!!』『映画クレヨンしんちゃん オラの引越し物語 サボテン大襲撃』『映画クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリ』『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 失われたひろし』『映画クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝』の橋本昌和
脚本は『映画クレヨンしんちゃん バカうまっ!B級グルメサバイバル!!』『映画クレヨンしんちゃん オラの引越し物語 サボテン大襲撃』『映画クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ 拉麺大乱』『映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン 失われたひろし』『映画クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝』のうえのきみこ

インド旅行にやって来た野原家とかすかべ防衛隊と園長先生
不思議な力を与えてくれるティッシュを鼻に詰めたボーちゃんはキャラが完全に変わってしまう

『海がきこえる』の監督と脚本家とその他スタッフが昔やったように綿密な現地視察が窺い知れる

なぜかインド映画にモロ影響受けている
なにを今更感がハンパないが実はそこそこ静かなブームがまた起きているのかもしれない
そんなわけでコメディータッチのミュージカル映画になっている

インドの人はあまりナンを食べないらしい
ナンは外食で家庭料理ではないから
日本の田舎にもある美味しいパン屋さんのカレーパンの方が美味しい
ナーンでか
それはねまあいいや

声の配役
ふたば幼稚園ひまわり組かすかべ防衛隊のメンバーで助けようとする父の手より鶏のもも焼きを選んだ野原しんのすけに小林由美子
しんのすけの母で熊本出身の野原みさえにならはしみき
しんのすけの父でスパイスの影響で靴下の悪臭が少しは和らいだ野原ひろしに森川智之
しんのすけの妹で赤ちゃんだが表情はとてもいい豊かな野原ひまわりにこおろぎさとみ
野原家の飼犬でわりと賢いシロに真柴摩利
ふたば幼稚園ひまわり組かすかべ防衛隊のメンバーでツッコミ役の風間トオルに真柴摩利
ふたば幼稚園ひまわり組かすかべ防衛隊のメンバーで趣味は「リアルなおままごと」の桜田ネネに林玉緒
ふたば幼稚園ひまわり組かすかべ防衛隊のメンバーで泣き虫で坊主頭の佐藤マサオに一龍斎貞友
ふたば幼稚園ひまわり組かすかべ防衛隊のメンバーでいつも鼻水を垂らしている無口でボーとしてしているノッポだが今回は饒舌で紙の力で動きが素早くなったボーちゃんに佐藤智恵
ヤクザっぽいふたば幼稚園の園長先生に森田順平
スゴイキューブを開発した大富豪のウルフ・ザ・パーフェクトに賀来賢人
インドのガイドのウフンアハーンに小峠英二
インドの雑貨屋のバイト君に西村瑞樹
インドのエンタメフェスタで人気者になったインドのタレントのアリアーナに瀬戸麻沙美
インド警察機密未解決事件特殊捜査班の刑事で相棒が行方不明になると途端に病気の老人のように元気がなくなってしまうカビール・カッチャパパル・パッカパパル・カッチャパパル・パッカパーパルに山寺宏一
インド警察機密未解決事件特殊捜査班の刑事でカビールの相棒のディルに速水奨
ウルフが開発した超高性能人工知能装置スゴイキューブに日髙のり子
インドの雑貨屋の店主のフラグタテルデーに宝亀克寿
ウルフが勝っている凶暴なイタチ科のラーテルに坂本千夏
アリアーナお気に入りのアニメキャラのキュアウコンに伊藤かな恵

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野川新栄

5.0笑って泣けて大人でも楽しめる作品

2025年8月23日
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Mizuki

3.5インドが舞台ながら、カレーらしく華麗な一作に至れなかった凡作

2025年8月21日
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【イントロダクション】
映画『クレヨンしんちゃん』シリーズ第32作(3DCG作品含めれば33作)。インドを舞台に、しんのすけ達「カスカベ防衛隊」の面々が、呪物によって“暴君(ボーくん)”と化してしまったボーちゃんを取り戻す為に歌って踊って大冒険を繰り広げる。
監督は、『バカうまっ!B級グルメサバイバル‼︎』(2013)から映画シリーズに参加し、今回で6度目の参加となる橋本昌和。脚本に『謎メシ!花の天カス学園』(2021)等、映画シリーズ7度目の参加となるうえのきみこ。

【ストーリー】
インドの"ハガシミール州ムシバイ"が、春日部と姉妹都市になったことを記念して、「カスカベキッズエンタメフェスティバル」が開催されることになった。そのダンス大会で優勝すると、ムシバイに招待され、現地のステージで踊る事が出来るのだ。

しんのすけたち「カスカベ防衛隊」の5人は、練習を重ねて見事ダンス大会で優勝し、インドへ招待される。ひろしやみさえ、園長先生ら大人達の引率の下、しんのすけ達はインドへと出発する。

インド観光を満喫する中、しんのすけとボーちゃんは現地の骨董品店を訪れ、店の2階で鍵の掛けられた棚に仕舞われていた「鼻の形」に似た不思議なリュックサックを購入する。実は、このリュックサックの鼻の穴部分から出ているティッシュペーパーには邪悪な力が宿っており、それを鼻に刺した宿主の欲望を引き出して超人的なパワーを与えるものだった。

ティッシュを片方の鼻に刺してしまったボーちゃんは、普段の大人しく優しい性格から豹変し、“暴君(ボーくん)”となって暴走し出してしまった。ボーくんはもう片方のティッシュを鼻に刺して完全な力を得ようと、しんのすけの持つリュックサックを狙い始める。

現地警察の特殊捜査官カビール(山寺宏一)とディル(速水奨)は、歌って踊って自らの中に眠る力である“インドパワー”を覚醒させ、事態の解決に乗り出す。一方、「強き者」を相棒にしたい大富豪のウルフ(賀来賢人)は、圧倒的なパワーを手に入れたボーくんを相棒にしようと彼に協力する。やがて、昨年のフェスティバルで一躍大スターとなった美少女アリアーナ(瀬戸麻沙美)も巻き込んで、邪悪なティッシュを巡る大冒険が始まる。

【感想】
これはXでも同様の意見が見受けられたのだが、昨今の『クレヨンしんちゃん』や『ドラえもん』といった子供向け映画作品には、「子供達にとって教育上真っ当なメッセージ性を込めなければならない」というノルマでも存在するかの如く、製作側の考える“正しい主張”が盛り込まれている印象。しかし、本作をはじめ、そういった作品は「物語の中にメッセージが存在しているのではなく、メッセージの為に物語が存在している」という印象を強く受けるものばかりで、決して成功しているとは言えないのである。

両作品とも作者が存命だった時代は、あくまで「エンターテインメントの中にメッセージ性が隠されている」という塩梅だったように思う。漫画家・手塚治虫先生の言葉にあるように、「テーマ(メッセージ)はさり気なく」を心がけるべきはずなのだ。
クレヨンしんちゃんの原作者・臼井儀人先生が生前に映画の脚本製作に携わっていたわけではないが、歴代の監督や脚本家達はこの塩梅から逸脱する事なく描いてきたはずなのだ。

では、メッセージ性の為に物語が存在してしまうとどうなってしまうのか。その答えが分かりやすく展開されているという意味では、本作を鑑賞する意義は十分にあると言えるだろう。
結論として、しんのすけ達の冒険と、敵キャラやキーアイテムの存在それぞれに繋がりが薄く、あまり必要性が感じられなくなっていたのだ。

インドを舞台にしんのすけ達が歌って踊って大冒険する姿と、インド文化と全く関係のない由来不明の謎のティッシュは、完全に別要素として存在してしまっている。
これならば、インドらしくカレーを巡った冒険だって良かったはずだ。例えば、「邪悪な力を与える伝説のスパイスの入ったカレーを誤って口にしてしまったボーちゃんに邪悪なパワーが宿ってしまう。ボーちゃんを元に戻す為には、邪悪なスパイスの効果を打ち消す、別の伝説のスパイスを用いたカレーを食べさせる必要があり、その為にしんのすけ達はスパイス探しの旅に出る事になる。その過程で、歌って踊って大冒険を繰り広げる」といった内容の方が、余程インドという舞台を存分に活かせたはずだ。

また、明確な悪役を呪いのティッシュという物言わぬアイテムに委ねてしまっている為、ゲストキャラクター同士の関係性が薄くなり、それが物語の推進力を削ぐ要因となってしまっている。特に、特殊捜査官のカビール&ディルペアと、大富豪のウルフはラストまで会話すらロクにしない始末だ。

昨今の『クレヨンしんちゃん』や『ドラえもん』に共通するもう一つの要素として、「打倒されるべき明確な悪役を登場させない。そうした役割は、アイテムや怪物といった意思疎通の図れない存在に委ねる」というものもあると思う。だから、昔のクレしん映画ならば、「大富豪のウルフが自身の支配を完全なものとする為に邪悪なティッシュを求めて暗躍する中で、捜査官達はその野望を阻止すべく動いており、しんのすけ達は意図せずして巻き込まれる」というシンプルで魅力的な構図が成り立っていたはずなのだが、本作ではえらく回りくどくなってしまっているのだ。

更に酷いのは、ゲストキャラクターのアリアーナの扱いに関してだ。暴走するボーちゃんを見離さずに立ち向かうしんのすけ達の姿に疑問を投げかけたり、仲間として受け入れられるボーちゃんの姿に嫉妬心を抱く役割を押し付けられ、完全に製作側のメッセージを描く為の道具にされてしまっている。そして、ひろしやみさえは、そんなアリアーナの姿を「人間、そんな時もあるさ」と真っ当な意見で励ますのだ。実に回りくどく、面倒くさい構図だ。

余談だが、アリアーナにしんのすけがいつもの調子で「お姉さ〜ん❤︎」とならないのは、しんのすけのモットーとして「18歳未満(高校生未満)の女性に興味は抱かない」というものがあるが、本作で明らかに一際可愛らしく描かれているアリアーナにしんのすけが終始興味を抱かないのは、彼女の年齢がその範囲より下である、もしくは現代的観点からオミットされた(その割に、列車内では女性観光客に声を掛けている)結果であろうか。

そして、こうしたチグハグな物語構成もあってか、インド映画を意識した歌や踊りが、殆どストーリー展開に寄与していないという問題点も引き起こしている。
製作にあたって、製作陣がインド現地への取材やインド映画の予習をした事は勿論ではあろう(特にインドの背景美術のクオリティ)が、それでも「インド映画って、こんな感じだよね」という“何となくの雰囲気”で作られているなと感じざるを得なかった。子供向け作品なので、歌と踊りにフォーカスしていれば問題はないのだが、近年では日本でも『バーフバリ』シリーズや『RRR』のヒットを始め、様々なインド映画を鑑賞出来る機会に恵まれている為、近年のインド映画(その中でも言語地域によって更に細分化されるが)のクオリティが最早ハリウッド大作と遜色ないレベルにまで来ている事を実感している身としては、やはり「子供騙しだな」という印象はあった。

とはいえ、賞賛すべきポイントもいくつかある。その中でも本作最大の評価ポイントは、迷子になったしんのすけが街中で『オラはにんきもの』を歌いながら踊るシーンだろう。前任である矢島晶子さんから役を引き継いだ小林由美子さんによる往年のテーマソングの歌唱は、ファンとして嬉しく思った。

途中、ひろしが逃亡の為に皆を小型セスナに乗せて飛行する際、彼がインドパワーを引き出す為に歌うのが、『トップガン』シリーズのKenny Logginsによる『Danger Zone』なのにもクスリとさせられた。トム・クルーズの日本語吹き替え声優が、ひろしと同じく森川智之さんだからという“中の人”ネタであるのだが、下手すれば親御さんの中にも通じない人が居るのではないかというレベルのネタである。しかし、こうしたネタを仕込んでくるのは、かつてTVスペシャルで『スター・ウォーズ』を告訴ギリギリレベルでパロディしたりしていた、往年のクレしんらしさが感じられて良かった。
サビ以外の歌詞は何となくリズム感だけで覚えているというのもあるある。

実は、これらの評価ポイントは、ちゃんと歌と踊りに関係している部分であるので、やはり物語の構成やキャラクター設定に一本の筋が通ったものであれば、クレしんとインド映画的要素は、本来なら相性は良かったはずなのだ。
せめて、エンディングでしんのすけ達が主題歌となるオリジナル楽曲に合わせてアリアーナと共に皆で踊るといった演出でもあれば、もう少し満足感は増していたはずなのだが。

【総評】
昨今の子供向け映画における製作側の姿勢、それが上質なエンターテインメントを成立させる上での障害となる事を浮き彫りにした一作だったと言える。
監督と脚本が比較的優秀な人材を宛がわれていただけに、少なからず期待もしていたのだが、残念な結果になってしまったと言わざるを得ない。

それでも、本編終了後の来年の映画予告では、季節的にも相性バッチリな(恐らく公開はまた夏になるであろう)妖怪モチーフの映画となる様子で、これまでもファンタジー世界との高い親和性を発揮してきたクレしんならではのポテンシャルが存分に活かせそうな題材のチョイスには、正直ワクワクさせられた。
監督や脚本を誰が務めるにせよ、ここらで今一度本物のエンターテインメントを見せつけてもらいたい。

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緋里阿 純

3.5インド映画のテイスト取り入れた歌とダンスとアクションは最高!

2025年8月20日
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カワイイ

映画としてはメッチャ楽しめましたよ。
インド映画を取り入れた、歌とダンスとアクションだけでも十分楽しめた!
それだけにアリアーナの物語は余分かな。
そこまで入れちゃうと、気が散っちゃうのよね。
話の軸は一本であれ!

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キブン

3.0クレしん映画にとって調子の悪い出来

2025年8月19日
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単純

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どんぐりマン

3.0可もなく不可もなく

2025年8月18日
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舞台がインド🇮🇳で、インド映画定番の歌と踊りが散りばめられた楽しい作品でした。

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tuna

3.5個人的に良かった点と惜しい点と残念な点

2025年8月18日
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マイメロになり損ねた者

2.5面白くはないです

2025年8月18日
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カワイイ

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S_P_E_E_D_

4.0そこそこ面白い

2025年8月18日
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楽しい

ドキドキ

子供にせがまれ、初めてクレしんの映画を観ました。映画シリーズは大人も楽しいとか泣けるとか噂は聞いてたけど、どんな無理やり設定もまぁあのクレしんだから!で乗り切れる。個人的にはもう少しインド人キャラにインドぽさが欲しかった。ミュージカルシーンは良かったな、特にオラはにんきものは懐かしくて。
強さを手に入れ欲望を悪い方に実現していくボーちゃん…という姿には、あまりのヒールっぷりに少し引いた。一体ボーちゃんの欲望って。。。誰でも無限の欲望叶え出したらああなっちゃうのかなぁ。みさえとひろしは、何の力も得てないのに異次元パワー発揮してて好き(笑)。笑えるシーンがたくさんで、子供も大人も声出して笑ってた。あと、今回はプロ声優ばっかなのかな?と思ってたら、芸人や俳優さんが多く出られてるではないですか!本当に違和感なく観られました。

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つぶまろ

5.0冒頭が映画全体のフリになってる!

2025年8月17日
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とにかく評論したいトー横キッズ

3.5インドパワーって言っとけば何とかなると思うなよ笑笑 ミュージカル好...

2025年8月17日
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インドパワーって言っとけば何とかなると思うなよ笑笑

ミュージカル好きなので★0.5プラスですが、
本当は★3くらいかな

子供は楽しんで観てたのでまぁ良しです

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abc

4.0自分らしさはどう決まるのか考えさせられる

2025年8月17日
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自分らしさとは何か?他者からの評価によって作られるものなのか?それともなりたい自分を演じることで作られていくことなのか?
いずれも決して間違いではないし、自分らしさにはそれぞれの答えがあるし、答えが無いこともあると思う。
そんなことをしんちゃんをはじめとするいつものメンバーのやり取りによって考えさせられる。
今作は親子の関係よりもどちらかというと友情関係に重きを置いている作品。
インドを舞台にインド映画風にチャレンジした作品。

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モトコ
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