「予想を裏切る良作~単館映画館、独立映画、余韻を楽しみたい層へ~」(LOVE SONG) ひなさんの映画レビュー(感想・評価)
予想を裏切る良作~単館映画館、独立映画、余韻を楽しみたい層へ~
時間潰しに観た映画。
BL→興味ない
監督→知らない
森崎さん→知らない
向井さん→テレビで見たことある
みっちー→テレビで見たことある
タイ・タイ料理→好き
そんな程度の前知識。
子供の習い事の待ち時間を潰さなければならず、暇を持て余していたところ、同じ建物内にある映画館でやっていたので、たまたま入っただけでしたが…
なに、これ⁉ 笑って泣いて、最後は号泣!
エンドロール流れる主題歌に、これまた涙腺ゆるゆる。
何と言っても映像美!それと、音が良い!
音楽じゃなくて「音」ね。
風の通り過ぎる音、緑が擦れる音、路上の町娘たちの会話音、街の喧騒、フオークナイフがぶつかる音、雨が地を打つ音、銭湯お湯の音、夏の夕暮れの蝉の声、夜の虫、街を彩る鳥たちの囀り etc…カイチアオの油音から雨音への移行なんて、計算されつくした美しさですよ。
物語自体はツッコミどころ満載なのですが、
裏通りに無造作に干されている洗濯物とか
夜のバス停の薄暗い照明とか
料理をする男性の鍛えすぎていない背中とか(褒めている)
普段通りの日常生活を切り取った映像美が、物語にリアル感を持たせてしまい、観客が「それでいいっか」と納得してしまう。監督さん、すごく上手。
森崎ウィン→めちゃくちゃ芝居上手。丁寧に心情を表現していて、軟弱ソウタが魅力的に見えた。
向井康二→この人、しゃべらないと全然印象が違う。視線や表情だけで喜怒哀楽が伝わってくる感じが良かった。
他の演者さんたちも皆さん好演で、でしゃばりすぎない優しい演技が、映画を観終わった後の客席に優しい空気をもたらしてくれるんだな。
筒井さん(ソウタ母)は短い出番なのにすごいね。
こういう、ストーリーは単調でも心情を丁寧に描く映画、すごく好きです。
90年後半あたりの、今はなき単館映画館、インディペンデント系映画、邦画とは全然違うアジア映画にも、どことなく通づる作品。懐かしいなぁ…。
余韻に浸りながら、さぁーて、子供のお迎えに行って現実に戻ろうw
明日からも頑張るぞ!
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