劇場公開日 2025年6月20日

28年後...のレビュー・感想・評価

全223件中、1~20件目を表示

4.0単なるゾンビホラーを超え、歴史と状況を俯瞰するかのような語り口が突き刺さる

2025年6月24日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

序盤から懐かしいほどのボイル節が全開。緩急に振り切れた映像にゾッとするホラー描写を載せ、リズミカルかつ叙情的な音楽が感情を掻き立てる。と同時に、本作といい「T2」といい、近年のボイル作はこれまで以上に縦軸と横軸が強化されているように思う。つまり歴史と状況。特に本作では、ゾンビ物を切り口として、自国の文化、価値観、現代史を俯瞰し、ユニークな創造性のうちに遊ぶ。併せて本作は「シビル・ウォー」のガーランドがイギリスに目を向け、彼ならではの特異な実験劇場を展開させた作品とも言い得る。恐らく両者には、内に籠もって過去の栄光と伝統を愛でるか、それとも危険を顧みず未知なる外の世界へと飛び出していくかという二つの未来を対比させる狙いがあるのだろう。それらが衝撃的な疾走感とホラー描写、人間模様、さらには生死の深淵を覗くような畏れを加味して描かれゆく様は、通過儀礼的であり、コンラッドの「闇の奥」的でさえある。

コメントする (0件)
共感した! 17件)
牛津厚信

3.0なんか気持ち悪い。監督のこだわりが伝わってくる!!

2025年12月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

驚く

斬新

ドキドキ

28日後が大好きで待ってました!

3部作の1ということで、始まりとして不穏…!
島も安全なはずなのに気持ち悪さが残るし、お医者さんもいい人っぽいけどなんか気持ち悪いし、何を信じたらいいのか、続きが気になります✨

とにかくとにかく監督のこだわりが伝わってくる!!
ゾンビの作り方だったり、カメラワークだったり。
ゾンビも進撃の巨人みたいな怖さがあった😱

コメントする 1件)
共感した! 2件)
ジュディス

5.028日後は面白く、28週後は微妙だったがこれは楽しめたが、日本では...

2025年12月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

ドキドキ

28日後は面白く、28週後は微妙だったがこれは楽しめたが、日本では案外否の意見も多くてびっくり
レビューが実際より低くなりがちなのは日本あるある

コメントする (0件)
共感した! 1件)
prydwen

4.0アーロン様…

2025年12月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

28年後。この言葉が呪縛となり、素直に楽しめませんでした。「28日後…」は、あっという間に感染が広がっていって、人間は成す術も無かったんだなというのが伝わってきたのですが、本作においては「28年後」という数字にいまいち説得力がなかった印象です。

28年あればもうちょっとなんとかなったんじゃない?警戒してんだか油断してんだか微妙なゾンビ対策には学習能力が疑われるし、子供と父親2人だけで危険な場所へ行くとか正気じゃない。ゾンビ舐めんな!(何目線よ…)この辺は「ゾンビランド」や「ゾンビマックス」、「ランド・オブ・ザ・デッド」辺りが上手いことやってたかな…。

あとキャラクターに魅力がない…というかお父さんがね…。せっかくのアーロン様なのにマジで勿体ない。なんかセリフが浮ついている感じ。説明が難しいですが、ストーリーの為のセリフって感じで、「28年ゾンビと戦ってきた戦士」って感じがしなかったです。

それでもゾンビの造形、襲ってくる勢い、グロ描写は流石でした。その点においては続編としての貫禄を見せつけた感があります。それだけでもゾンビ映画としての価値は十分なのでこの評価にしました。

それにしてもまだ続くんですよね、これ。だいぶ風呂敷広げましたからね…。本作は体調不良で劇場で観れなかったので、次回は劇場で見届けたいです。

コメントする (0件)
共感した! 12件)
吹雪まんじゅう

2.5全くの無知な観客で、スミマセン。

2025年12月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

ドキドキ

グロくて昼ご飯食べられなくなりました。

さて、次回作は28秒後…、でしょうか。
28分後…、でしょうか。
と思ったら来年スグに続編があるんですね。
無知でスミマセン。

この監督さんにしては脚本がイマイチ。
と、思ったら、もう一人の脚本家が次作を脚本担当。
(監督はダニーではない。)
企画モノ、になった、のでしょうか。
ダニー・ボイルだから期待している、ところはある。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
なかじwithみゆ

2.5面白くなかったことはないんだけど 、でももう一度観るかと言ったら観...

2025年12月2日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

面白くなかったことはないんだけど 、でももう一度観るかと言ったら観ないと思う。ゾンビ映画とよりは家族 映画みたいになっていた。メメントモリの辺が良かったけど登場人物が全部ご都合主義だった。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
ひびきわたる

2.0なんで?

2025年11月24日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 3件)
bebe

4.0まさかの展開

2025年11月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

いい意味で仕切り直し。28日後、28週後と同じ世界だけど、物語としては一応一旦は仕切り直し!またつながってくるかもしれないが、これはこれで面白い…というかめちゃくちゃ面白い。生と死の話でもあるし、他にも様々な要素がうっすらと忍び込んでたようにも見えて、色々思うところはある。そして、序盤に起こったある事をいつ回収してくれるのかとずっとワクワクして、むしろその事が映画を見てる最中ずっと頭の中で気になってた。とはいえ島から本土てでてのサバイバルもめちゃくちゃハラハラするサスペンスだったのだが、ラストのある展開で歓喜✨早く続編が観たい!

コメントする (0件)
共感した! 4件)
映画大好き神谷さん

2.0ゾンビ映画と思うなかれ

2025年10月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

個人的には全然ダメだった…続編〜続編である必要はなく、大筋のストーリーはありきながら、撮りたいものを撮りました的なイメージだ。
自然の美しさと醜いものの対比、そして生と死の対比。分かるんだけど、観る側として観たいものはそのぢゃなかったんだよ。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
Iwarenkon

3.5続きが気になる…

2025年9月28日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

興奮

ドキドキ

新たな三部作の幕開けとなるシリーズ3作目。

三部作の一作目だけあって、いろいろ不明な部分はあるものの、設定的には納得。主人公の少年は無謀なように感じたけど、まぁソレを言ったら話が進まないので(^_^;)

めっちゃ続きが気になる終わり方したので、続編が待ち遠しいです。

それにしても、この世界の生き残りはクソ野郎ばっかりだな(言葉も汚い)…

コメントする (0件)
共感した! 2件)
n.yamada

2.028シリーズ期待していただけに残念…

2025年9月25日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

難しい

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 4件)
BANAO1975

3.5叙事詩的始まりの物語として

2025年9月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

『28日後…』は観たけど昔過ぎて断片的な記憶しか無く『28週後…』は観ていない。どちらも配信で観られるからどうしようかなぁと思ったものの、特に思い入れも無いのでまあいいか、と結局おさらいはせずに本作を鑑賞。結果、単体で観たことのデメリットは特に感じず。凶暴化=ゾンビ化ウイルスの蔓延で英国が壊滅的状態に陥って封鎖されていることは冒頭字幕説明あるし。
一本の映画として、自分は好きです。ただしゾンビ映画やホラーとしてではなく、既存の社会が崩壊した世界に生まれた12歳の少年スパイクの、少年期の終わり、訣別と、新たな旅立ちの物語として。映像の美しさ、静謐さも好ましい。
物語としてはちょっと緩さや甘さに突っ込みたくはなるし、え、そこで終わるん?となったけど、世界観と主人公そのままで続編があるそうなので、あくまで始まりの物語とみるならなるほどね、ありだわね、と。
ちなみにU-NEXTの有料コンテンツとして観たのですが、本編見終わった後に短い特典映像ありました。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
りら

2.0残念

2025年9月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

ゾンビ映画にファンタジーやら感動やら求めてないんだわ。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
夏桜なったん

2.5話の説得力に欠ける

2025年9月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

狂暴化ウイルスに侵された本島を調査する話

ラスアスと進撃を足して水で薄めたような作品(失礼)
まず、危険を冒して本島を積極的に調査する理由がイマイチ分からない。
敵が群れで来るのに弓矢しか使わない理由も分からない。
細かいことを言い出したらキリがないぐらい分からないことだらけ。

今作で完結せず三部作らしいけど、そこまで広げるなら設定を煮詰めてほしい。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
ひとふで

1.028シリーズを悪い意味で終わらせた。

2025年9月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

28日後は感染系と言われるジャンルを切り拓いたゾンビ映画界の歴史的作品。
28週後は冒頭の印象的なシーンをはじめ、28日後を継承する重責を果たしたと言える。

28年後は28シリーズの尊厳を地の底まで貶めた。
泥塗られただけの地面に這いつくばるデブが出てきて確信した。これは駄作だと。
とにかく、ゾンビがチープ、映像がチープ、全てがチープ。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
Keys

3.5新たなる創世記

2025年8月25日
Androidアプリから投稿

最近戦争映画に入れ揚げているアレックス・ガーランドが脚本を担当した本作は、冒頭からキリスト教の臭いがプンプンと漂っている。レイジ・ウィルスの発生から28年たったイギリス本土は、感染者の排除に成功したEUに見放された“隔離島”と化していて、生き残った人間たちは干潮の時だけ一本道ができる(まるでモン・サン・ミッシェルのような)離れ小島でコミュニティを形成し生活していた。

ある日、父親のジェイミー(アーロン・テイラ=ジョンソン)とともに息子スパイクは、干潮の時にできた道を辿って本島へと“狩り”に出かける。どうもコミュニティ内の通過儀礼的儀式になっているそのハント(いかに“感染者たち”を無慈悲に殺せるか)によって、大人の男として見なされるようなのだ。“スローロー”や“駿足”、“アルファ”と銘々された感染者たちを自家製弓矢で射殺するシークエンスは、いつもながらにグロテスクかつ残酷に撮られている。

監督のダニー・ボイルによると、シリーズオリジナルの『28日後』同様に、こういったシーンをわざわざiPhone15proを使って撮影したらしい。父と息子が狩りに出かけるシーンに使われたキプリング作詩“ブーツ”も、当初の予定ではシェイクスピアの戯曲『ヘンリー5世』に登場する“聖クリスピンの演説”を用いる予定だったとか。世界で起きている紛争に積極介入する英国の現況を、まさに“先祖返りの退行現象”としてとらえた演出であろう。

注目すべきはスパイクたち一行を襲う感染者たちがみなフルチンで素っ裸という点である。(腐女子に限らずとも)ついついアルファの股関でプランプランと揺れる巨根に目がいきがちだが、『28日後』ではまだちゃんと衣服を着用していた感染者たちが、なぜ“原始人”のような産まれたまんまの姿で描かれているのか、私たちはむしろそこに着眼するべきなのだ。

病におかされた母親アイラ(ジョディ・カマー)を本土に住むケルソン医師(レイフ・ファインズ)に診察してもらうため、再び本土へと向かうスパイク少年が、食料として持参した大量の林檎=知恵の実。アレックス・ガーランドとダニー・ボイルは、感染者たちを、いまだその実を食すことなく羞恥心さえ持ち合わせていない“エデンの住人”として演出したのではあるまいか。聖書の創世記に登場する“エデン”も、意外と本作におけるイギリス本土と同じ、魑魅魍魎が跋扈するまがまがしい土地だったのかもしれない。

当然キリスト教的文化はリセットされているわけで、そこで長く暮らしているケルソンは、火葬したご遺体から取り出したシャレコウベを塔のように積み上げながら、メメント・モリな聖地で、どこか東洋的な“祈り”を捧げていたのである。「西洋のキリスト教的信仰は行き詰まっている」と親日家俳優ジャン・レノがインタビューに答えていたが、ガーランドやボイルも又、アフターコロナのイギリスに対して同じような閉塞感を抱いていたのではないだろうか。

本作は3部作の第1部として製作されたらしいが、映画冒頭とラストに登場するする(英国のジャニー喜○川ことジミー・サヴィルがモデルといわれている)ジミーと、ケルソンからキリスト教とはまったく別の信仰を学んだスパイクとの間で生まれる“宗教的確執”がおそらく次作以降のテーマとなってくるはずだ。我々観客はそこで、キリストの再臨を目撃することになるのか、それとも、まったく新しい救世主の登場とあいなるのか。どちらにしても“新創世記”と呼ぶに相応しい内容になるのは間違いないだろう。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
かなり悪いオヤジ

4.0ゾンビ映画の極北(ゾンビじゃないけど)

2025年8月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

常々、ゾンビの脅威が解決しなかった世界がどうなるのか頭の中で思い描いてきた。人型の化け物を殺すことに慣れた人間が、子供を産み育てることができるのか、そのためには一体どんな死生観を身に着けるべきなのか…。

その疑問にこの映画は答えてくれる。生き延びた人間は、感染者を殺すことに慣れればならない、ゆえに感染者をヒトだと思ってはならない、薬がなければ死を受け入れなければならない…。
しかしこの映画が出す結論はその程度ではない。この映画は、他人を想うことをやめてはならないと説く。大切な人の死を受け入れて前に進み、同じように感染者の死にも想いを馳せなければならない。大切な人も、感染して化け物に成り果てた人も、死は同じようにやってくるのだから、と。

ゾンビあるいは感染者と共存する映画は少ない。そんな中で、これこそが共存なのだと強いメッセージを発した作品。
ただ、前作から期待した内容にならなかった点は減点したい。普通、こんなしっとりした映画だと想像しないでしょう…。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
サブレ

4.0想像した以上にうまく作りこんでるけど。(ネタバレあり)

2025年8月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

単純

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 2件)
とととと

3.0じゃない感全開!

2025年8月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

『28日後』『28週後』に続く新作だが、“じゃない感”は否めない。ゾンビ作品の醍醐味である「人間の恐怖」は薄く、序盤は少年の経験不足や判断ミスが目立ち、観る側の苛立ちを誘う。

後半からは急展開を見せ、ラストで従来のシリーズ色を払拭する方向性に。新三部作の幕開けとされるが、2作目・3作目が製作されるかは未知数だ。

シリーズのファンとしては、期待と不安が入り混じる一作。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
abu

3.5ゾンビ世界のケス少年

2025年8月9日
PCから投稿

ゾンビ映画にはヒューマニズムによる逡巡というのがある。いちばん解りやすいのは親族や恋人がゾンビになってしまったばあいの描写。そんなとき、かれ/かのじょは逡巡して(ためらって)、すぐにやっつけることができなかったりする。

ただし、この描写は観衆にとって「もどかしさ」でしかない。「ああもうそれいいから、とっとと撃ち殺すか、首ちょんぎれよ」と思ってしまうからだ。当然ながらこれは観衆が無情だからではない。それがゾンビものに付きもののヒューマニズムによる逡巡だと解っているからだ。

ゾンビは幾度となく焼き回され、すでに観衆にとって解りきった世界なので、解りきった描写はいらないと思うのは観衆にとってごく普通の感慨なわけである。逆にだからこそゾンビ映画では作り手の手腕が発揮される。古典といえるフランチャイズをダニーボイルがどう料理するのかを見たかった。

結論からすると特別なことはやっていなかった。ジャンプスケア、ゾンビ造形のおぞましさ、無音(BGMなし)、わざと素人っぽい撮影(撮影は主にiPhone15ProMaxが使われたとのこと。ドローンやバレットタイム効果も導入され、素人っぽく見えるものの撮影は技術の粋を集めたものだったといえる)。
人間の籠城化とゾンビ世界を軸に置き、少年がゾンビ狩りデビューを果たす、とりわけ珍しい話とも言えなかった。

特徴的だったのは危うさの表現。人間の行動を迂闊に表現している。迂闊とは「注意が届かず、ぼんやりしているさま」と辞書にあったが、緊張感をひきだすために人間たちを楽観的に造形している。したがってどのショットでも、さっさとそこから離れた方がいいとか、周り見た方がいいとか、もっと声を小さくしたほうがいいとか、まだ安全圏にいるわけじゃないとか、観衆が楽観的すぎる登場人物の行動を心配することで、映画がずっと緊張を保っている。

しかし、これは前述したように「もどかしさ」でもある。登場人物を危機に陥らせるために、わざと不注意に造形しているのが観衆には解りきっているからだ。
とはいえ緊張を保っているのは確かなので、そこはさすがダニーボイルだった。出産しそうなゾンビ女を庇護して出産させるシーンがいちばんもどかしかった。これは一応、ゾンビから生まれたにもかかわらず産児は非感染だったというアイデアの見せ場ではあるが、とっと撃ち殺すか、首ちょんぎれよ、とわたしは思った。わら

28日後(2002)、28週後(2007)に続き、この3作目の企画はすぐに始まったそうだが、映画権をめぐる対立によって、何年も何度も延期された。その結果3作目の仮題であった「28ヶ月後」は吹き飛んで、あやうくまじで28年後になってしまうところを、映画権がサーチライトピクチャーズからソニーピクチャーズに売却され権利の応酬にけりがついた、という。なんか冗談みたいな話だった。
急速に開発が進み、来年2026年には4作目の「28 Years Later The Bone Temple」が公開されるとのこと。次回も(2025年時)14歳のAlfie Williams少年が続投するそうだ。
ダニーボイルは本作28年後についてケンローチのKes(1969)から影響をうけたと述べている。無骨さと無垢な少年、よくわかる発言だった。

映画公開の前後でキプリングの詩ブーツをとくにtiktokでよく聞いた。Taylor Holmesというアメリカの俳優が1915年に録音したものだ。この詩の朗読を採用したことは映画の宣伝にすごく貢献した。ブーツは戦時に行進している兵隊の反復的思考を描いたものだそうだが、聴いてると怖くなる不気味な詩だった。

映画は賛否が別れた。大別すると映画的博識や技術に裏打ちされていると見る向きと、普通のゾンビ映画だと見る向き。カンタベリー物語と食人族のハイブリッドだと言う批評家もいる一方で、シンプルなゾンビ映画だと低評価する批評家もいた。
おそらく映画を見慣れている人であればゾワゾワする違和を感じ取ったはずだが皮相的にはパターンが見えるゾンビ映画でもある。謂わば玄人受けするゾンビ映画だが、にしてもグロ描写や膂力並外れたアルファが全速力で追ってくるシーンは超こわかったし、なんにせよ妙な感触のある映画ではあった。企画が頓挫しているあいだにアイデアが溜りすぎたという感じ。次回も期待できるフランチャイズになったと思う。
imdb7.0、RottenTomatoes89%と63%。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
津次郎
PR U-NEXTで本編を観る