沈黙の艦隊 北極海大海戦のレビュー・感想・評価
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大画面大音響で38年前の物語が視覚化され、今そこにある危機が立ち上がる
原作コミックははるか昔に全巻読んだきり手放してしまっていた。アマプラで「東京湾大海戦」を予習して行ったが、原作との相違をここで語っても仕方がない。映画には映画の魅力がある。
やはりこの手の作品は大画面大音響で鑑賞するに限る。TOHOシネマズ日比谷プレミアムシアターで見る価値があった。
2時間半の大半は北極海とNY沖の海中、および各潜水艦の内部の映像だが、特に氷山の水面下でのバトルは「北極海大海戦」のタイトルに違わず迫力満点。CG予算のほとんどは、あれの表現で費やされたのでは、と勝手に想像した。
それにしてもこの『沈黙の艦隊』の物語に久しぶりに触れて、時代を超えて米国外交の野心と身勝手な論理の本質を見事に突いていると感じる。
コミック原作当時は名実ともに強いアメリカ、「世界の警察」としてのアメリカだったかもしれないし、この作品でもそう描かれているが、今の内向きなトランプのアメリカになっても、一皮剥けば実は大して変わらないことに気づく。
要は外向きだろうが内向きだろうが、その「中華思想」のような「米華思想」、つまり自分が世界の中心であるべきという世界観は根強いのだ。
もちろん、すべての国は本質的には「自国ファースト」だろうけれど、ノブレス・オブリージュを忘れた大国は愚かな帝国に過ぎない。中国やロシアほど分かりやすい独裁帝国ならともかく、民主主義と自由主義を標榜する米国がその実、友好国を隷属させながら世界の盟主(君主?)たらんというのなら、それは単なる茶番だ。
原作者のかわぐちかいじは、戦後日本の「トモダチ」だったアメリカの別の顔と冷徹な国際政治の現実を、コミックという媒体で描いた。それが1988年、なんと38年前である。
ロシアはまだソヴィエト連邦であり、その年の1月にペレストロイカを開始したゴルバチョフとレーガンが5月に首脳会談をしたが、11月にはブッシュ(父)が新しい大統領となった。
なお、Wikipediaによると11月17日にオランダがインターネットに接続された2番目の国となったとある。この時点では研究者ベースのネットであって、まだ一般市民はインターネットを使っていなかった。それどころか、まだ携帯電話も普及していなかった。
日本では『となりのトトロ』と『火垂るの墓』が2本立てで、また『AKIRA』がマニアックに公開された。そして『ラストエンペラー』で坂本龍一が荘厳な劇伴を手がけ、日本人初となるアカデミー賞作曲賞を獲得する。
ともかく、昔である。
そんな昔にこんなアメリカを描き、日本の安全保障の根底を問うコミックを描くなんて、今更ながらに驚異であり、ある意味でかなり正確な未来予測をした、と言っても過言ではない。
つまり、物語の骨格と地政学上の課題は、現在に置き換えても全く色褪せることがない。
むしろ、ウクライナやガザや、これからもきな臭い中央アジアや台湾やフィリピン沖も全部ひっくるめて、わたしたちは『沈黙の艦隊』の物語を通じた「Clear and Present Danger(今そこにある危機)」に思いを至らせたほうが良いかもしれない。
今そこにある危機
リアリズムからかけ離れて非現実過ぎる展開に少し残念
こちらの作品を絵空事と評する方もいるようですが、「核のありかた」「...
こちらの作品を絵空事と評する方もいるようですが、「核のありかた」「自衛隊や軍隊の存在」「条約」など、いろいろと考えさせられる作品ではないでしょうか。主要な登場人物が、それぞれに信念を持っている姿も魅力的です。今の腐った政治家たちも自分の地位やふところばかりを気にせず、この作品の中の政治家たちの様に大胆に国のために働いて欲しいものです。
前作の実写版はアマプラ視聴でしたが、戦闘シーン等、やはりスクリーンで見る方が迫力があります。映画の冒頭にさらっとこれまでの経緯が流れますが、本当に簡略されているので、ここまでの話を知らない方は、事前にアニメや最初の実写版の視聴をお勧めします。
タイトルなし
原作がユニークで、今まで見ているし。
大沢さんは、始皇帝の役の型を思わせるので、もう少し違う感じが欲しいけど、この役はなかなか他の人にはやれないかも。
政治家たちがあまり良くない。津田さんのみ新鮮。テレビ番組の時の風吹さんは悪くなかったけど、駄目だ。江口さんはもう少し精悍さが欲しい。悪役の顔。上戸さんもジャーナリストの力強さ足りない。
というわけでキャストがいまいち。
アメリカの話かよというくらい、兄弟の話とかそんなにいらないのでは。キャストもぱっとしないし。VFXに金がかかったのか。
潜水艦ってこんなに強いのかとびっくり。
クジラみたいに飛び上がったのにはびっくり。
よく実写化したなぁ
潜水艦ものにハズレなし
政治的な部分は、日本の政治家にこの映画のような決断が出来るとは思えないし、自衛官についても、このような行動が取れる者がいるとは思えない。だから、そこではどうしても白けた気分になってしまう。
そこを机上演習と割り切って観るなら、たった一隻の原潜が、戦略を尽くし、米国の大艦隊と渡り合う奇跡のような戦闘を観ることが出来ます。
ぶれない武将、大沢たかお
二つの大きな戦いの緊迫感が半端ない!!
エンタメ映画の傑作だと思います。原作は読んだことがありませんが、世界を相手にストーリーを描こうとする気概は、大いに評価できるものだと思います。たった1隻の原子力潜水艦が、世界の平和を創造するために立ち回る姿は、ちょっと間違えると滑稽にさえ見えるかもしれませんが、少なくとも映画館で鑑賞している時は、そんな感覚は微塵もなくて大いに楽しめました。北極海での戦闘は、まさに知力を尽くした名将(大沢たかお・プロデュースも兼務)のようで、観ていて天晴れと思わせる力強さがありました。まさに鋼のようなたくましい精神力を仰ぎ見るようなイメージです。残念なのは、アメリカの原子力潜水艦1隻を撃沈せざるを得なかったことでしょうか。平和を希求しながらもアメリカ人を殺さなければならなかった心の痛みは、画面から十分に伝わってきました。ニューヨークでの戦闘は、実弾をいっさい使わない戦法で、居並ぶアメリカ艦隊を制圧しました。見事です(感涙)!そして海上に鯨のごとく飛び上がって着水した時のシーンは、一番のハイライトでしょう(拍手)。そして、日本国内では、やまと支持の是非を問うた衆議院選挙が行われますが、若干ライトな感じでしたが、わかりやすさは抜群笑。あと記者として登場した上戸彩の存在感は秀逸でした。平和を求める素直な気持ちがヒタヒタと伝わってきました。
追記 世界平和を実現することはまさに至難の業でしょう。一人ひとりの人間の精神を革命しなければ実現できない道ではありますが、挑戦し続けることが宇宙から与えられた使命かもしれないと、この映画を観てつくづく思いました。
先の読めない潜水艦バトルの真骨頂
原作未読だからこそ先が読めない面白さがあり、潜水艦対決やアメリカの主力艦隊とのバトルに緊張感が凄まじく体中筋肉痛になった。
「北極大海戦」
やまとの乗組員達は海江田艦長に命を預け、彼の指示に従い日本人らしい実直さと冷静さで任務に就いている様子に好感。
前作同様に前原滉さん演じるソナーマンの溝口が大きな役割を果たしていて、彼の迅速な聴覚と判断力でやまとの舵取りが動いていく様がとにかくカッコ良かったです。
当然クライマックスもVFX多様で緊迫したシーンに圧倒されまくりだったが、程なく大声で滑舌良すぎる乗組員たちの号令に思わず笑ってしまった。
「やまと選挙」
笹野さん演じる竹上首相が余りにも穏健、ただ江口さん演じる海原と選挙活動に尽力し応援したくなるバディ。
展開が早く見やすい中にもポイントをしっかり伝えていて飽きが来なかった。
残念だったのは相変わらず米国キャラの存在がチープ、日本人が想像する外人をそのまま絵にしたような実写だったので浮ついた台詞に時々拍子抜けした。
それでも続編があれば閉鎖空間である映画館にまた行きたい。
これぞ鋼の信念なり
シリーズの中で一番面白かった。
私はストーリーやテーマとして戦闘好きでも軍艦好きでもないけど、静かな心理戦からの号令、ミサイル、回避、戦略、誘導、囮、破壊等々、にずっとワクワクしっぱなしで面白かったです。原作は未読なので次に何が起きるか分からなくていい緊張感に包まま鑑賞することができました。
津田健次郎さんのラジオに江口洋介さんがゲストで来た回をたまたま聞けたんですが、「今作は物語の大半が閉鎖空間である戦艦の中でのシーンがほとんどを占めている。そんな作品だからこそ似たような暗闇の中の映画館は疑似体験できるぴったりの作品だ。ぜひ劇場で観て体感してほしい(そんなニュアンス)」ということを江口さんが仰ってて確かに!と納得。
前作も好きだったけど特にソナーマンの溝口がかっこよくて大好き。前原滉さん、クールな役最高ですね!
ただ、やっぱりアメリカ側のキャラクターが今一でやたら長い回想、タンプラーを持ってコーヒー?を飲む、やたら格好づけた態度とドヤ顔、日本をバカにする発言などが目に余る。まぁ概ね当たってはいるが……。何度もですぎると辟易する。
政治シーンもそんなに心動かなかった。国民も政治家も現実はそんなに綺麗じゃないことを知っているからかもしれない。
戦闘シーンだけはまた観たい。帰宅時はどうしても号令調の会話になってしまう。
国連安保理の機能不全が話題になる昨今、この作品は一石を投じているのかも。
「沈黙の艦隊」シリーズ第1作およびドラマ「沈黙の艦隊東京湾大海戦」の続編で「北極海大海戦」と「やまと選挙」を中心に描いている。
日本政府が極秘建造した高性能原潜やまと。
世界平和を望む海江田四郎はやまとを自分の指揮下に置き独立国「やまと」宣言する。
その後、東京湾で米第7艦隊を圧倒した後、国連総会へ出席するためNYへ向かう途中、ベーリング海峡にさしかかったやまとに、米最新鋭原潜2隻が迫り激しいバトルが繰り広げられるが、海江田の知略で米原潜1隻を撃沈する。
更にやまとはグリーランドを回りNYに到着するが、そこで、米海軍の大艦隊から攻撃をうけるが、世界平和のために大統領と面談を希望する海江田艦長は魚雷を使わず米海軍の攻撃を全て躱す事に成功し大統領は攻撃停止を命令する。
たぶん第3作目もあると思う。
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