「深海の攻防は、まるで総裁選の如く」沈黙の艦隊 北極海大海戦 椛沢和征さんの映画レビュー(感想・評価)
深海の攻防は、まるで総裁選の如く
前作よりも、物語としての完成度と緊張感が格段に増した。潜水艦の攻防戦はスケールも音響も迫力を増し、観る者を一気に深海の闇へと引きずり込む。
そしてその奥に潜むのは、“国家とは何か”“リーダーとは誰か”という根源的な問いだ。
潜水艦の戦闘シーンは圧巻だ。
音ひとつで生死が分かれる極限の世界。
一発の魚雷に込められた決断の重みが、現代の政治判断にも重なって見える。
誰が舵を取り、どこへ向かうのか――その問いは海の底だけでなく、今の日本にも突きつけられている。
“沈黙”の名の通り、この映画は声高に主張しない。
だが、観る者の心には確かに響く。
「真のリーダーとは何か」「国家とは何を守るべきか」。
海江田の沈黙は、私たちにその答えを考えさせるための“問い”なのだ。
コメントする
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。