「王騎将軍バリに頼もしい海江田艦長の知略・勇姿を堪能せよ」沈黙の艦隊 北極海大海戦 K2さんの映画レビュー(感想・評価)
王騎将軍バリに頼もしい海江田艦長の知略・勇姿を堪能せよ
漫画の実写化なんだから、細かいことは抜きに、原作の世界観に浸って登場人物の活躍を堪能しましょう
原作の海江田四郎は、ひたすら冷静沈着、大胆不敵、という感じでした。
大沢たかおさん演じる本作でも、基本は同じなんですが、なんとなく"あの"王騎将軍がチラついて来て、今にもニヤっと笑って『童シン...』とか言い出しそうな気が...
(自分だけ?)
作品ごとに真剣に役作りに打ち込んでいるであろうプロの役者さんの仕事に、勝手な妄想を被せて見てしまうとは失礼千万
しかし、従来の海江田四郎像に極めて微かな"不気味さ"(いい意味で)をプラス出来たとしたら、これは大沢たかおさんにしかできない、見事な仕事と言えなくもない(ような...)
この男、何かとんでもないことをやらかすつもりじゃ...? という、"内なる狂気"をほのかに匂わせる、絶妙な海江田像が出来上がっていた気がします
前作(劇場版第1作)は、長編ストーリーの出だしにありがちの、人物紹介&顔見世興行っぽい雰囲気があって、面白いけどちょっとどうしたものかな〜という感じもありました
本作はガッツリ海戦スペクタクルや政治家の駆け引きなどが描かれ、エンタメ作品としてパワーアップした感があります
ところで、雑感ですが。
昨今の世界情勢の複雑さを目の当たりにすると、流石に原潜1隻で世の中が大きく変わろうか、というストーリーはマンガ的だな、と感じてしまいます
しかし、そういったストーリーが成り立つには、為政者たちが最低限の"常識"みたいなものを前提にして、それぞれの歴史観、世界観や倫理観に基づいて論理的に判断し、行動する世界、が前提になります
(海江田四郎が、それらの前提や常識を覆したり、揺さぶったりできるからこそのストーリー)
本作では、"世界"と言っても主に日本国内と米国(というか米大統領)のリアクションしか描かれませんが、それでも例えば米大統領の思惑や葛藤が、物語の重要な要素になっていることは確かです
これって、対峙する米大統領がト◯ンプ氏だったら全く成立しないよな~と思いました
良くも悪くも、世界情勢や対立軸がシンプルだった冷戦時代やポスト冷戦時代(〜同時多発テロ発生あたりまで?)が懐かしいな〜と感じる次第です
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