シンシン SING SINGのレビュー・感想・評価
全103件中、61~80件目を表示
「塀」の中で続く自分自身との闘い
収容されている者にとって、「塀」の向こう側へ出て行くのは容易なことではない。そのためのプログラムの一つに焦点をあてた話。
舞台に立ち、役を演じ切るためには、感情のコントロールが重要だ。どんなに辛く落ち込むことがあっても、平常心を持ち続けることができないと役者は使いものにならない。周囲からの気遣いやサポートを受け、いよいよラストへ。
実話に基づいた作品だし、「本人」が出演者として参加していることに驚いた。
何だかジーンと来る作品だった。
自己管理
ニューヨーク州の最銃警備刑務所シンシン刑務所の演劇による更生プログラムRehabilitation Through the Artsに参加する囚人たちの話。
無実の罪で収監されRTAを立ち上げつつ本を書きながら演者も務めるディバイン・Gと、新たな劇に臨む際に入って来たヤサグレ男のディバイン・アイを軸にみせて行く。
あらすじ紹介にはGが無罪の罪と記されているけれど、けっこう話しが進んでからサラッと突然証拠がどうのというし、事件のあらましが示されるわけではないからから少々解り難い。
アイもどの程度の立場のギャングだったか解らないし。
とはいえ、そんな登場人物たちが、マウンティングを捨て心を開き対等に接するだけでなく、フォローし合う仲になって行く様はとても良かったし、明確に説くわけではないけれど、囚人だってという本質や人間らしさみたいなものがみえて面白かった。
受け手の自分が疑り深いために単純に受け入れにくく……
元囚人が本人役で出演していて、エンタメ性は抑えめに、再現ドキュメンタリーに近い手法で作られたドラマ。
セリフにしていない、感情の爆発を噛み締めて耐えながら、じわじわと蝕まれて、ついに演劇仲間に当たり散らしてしまう主人公の姿が可愛そうでならなかった。
同情し、思わず応援したくなりました。
このまま受け入れたら、★4以上をつけたいところだけれども…
実話ベースらしいので、「無実だが司法の怠慢と面子による捏造での冤罪での収監だと主張する主人公」側視点で物語が進むわけで。
だからか、いろいろ偏りの存在への疑念も抱き。
作中に出てきた再審請求に対応する「刑期短縮審査官」なる連中の物言いが、日本時代劇における悪人そのものだし。
粗野な黒人犯罪者たちは周りの環境や、白人から受けた差別・レッテル張り被害から過ちを犯しただけで、本当は悪い奴じゃない(実はいい奴だ)という主張を強く感じました。
人間は善悪の二面性だけで形作られるわけではないし、受け取る側の印象で発言内容の意味合いがそのままなのかわからないなどあり、このまま受け入れていいのだろうか?と不安になったし。
もし本当だとこのまま受容するならば、アメリカって国の司法の現場は、質の悪い連中がのさばっていてひどいもんだなとも不安になりました。
そういった諸々の、(日本人だから)アメリカの現地を知らない身での、どっちとも判断つかなさが、深く共感することを阻んでしまいました。
これが、完全に「創作」のエンタメなら、かなり良質な作品として受け入れられたと思います。
刑務所が劇場に変わり、劇場が人生に変わる
刑務所内での物語と聞くと、派手な活劇やショッキングな事件があると思いきや、ドラマティックな演出は逆に極力抑え、淡々としたドキュメンタリーのような描写に徹した作品です。
演目選定、配役割り振り、衣装選びなど演劇を作り上げる過程を丁寧に描くことで、演劇グループの結束と友情が育まれていきますが、舞台発表自体を詳しく描くことはしていません。
静かな感動はあります。ただ全体として見るとやや淡白すぎるかなという印象を個人的には持ってしまいました。
主人公ディヴァインGはリーダーシップもあり、他の受刑者への気配りや貢献も積極的に行う人格者。そんな彼でも、親友の不慮の死や減刑嘆願申請(実は冤罪)が通らない絶望感から限界を感じ、自暴自棄になってしまいます。このあたりの葛藤や持って行き場のない苛立ちをコールマン・ドミンゴが絶妙に演じています。ラストの清々しさも含めドミンゴの演技は見る価値が充分にあります。
本人役で元囚人の方が出てて面白い
期待ハズレ!
地味だけど深い
実話を元に作られているらしく、だからこそ地味でリアル。刑務所で更生させるためのプログラム。受刑者たちが演劇に取り組んでいく過程は、最初はバカバカしいと尖る。次第に自分の感情表現を芝居と共に喜怒哀楽で表現していく。その感覚をつかんでいく様子などがまた深くて、人間らしくていい。
何よりも主要人物となる人たち以外は、実際に収監されていてプログラム経験者たちを出演させている。そして実際にモデルになった本人も登場していたと知ってビックリ。だからこそリアルだったんだ。
こういう取り組みの中で人間らしさを取り戻していく経緯を知るのは、とても温かい気持ちになり、重要な事なんだと思わされた。色んな人生があって、生まれながらに犯罪に手を染めなければ生きていけない世界もあっただろう。感情をこんな形でしか表せない人はいっぱいいるのだと思う。深いテーマだったので良作だけど、あまり浮沈のない流れなので、見る人によって評価が分かれるかも。
それと主題歌がカッコよすぎて、鑑賞後に調べました。
シンシン(映画の記憶2025/4/14)
ほんのりした感動が味わえる作品でした
タイトルの「シンシン」とは、ニューヨークのハドソン川沿いにある刑務所の名前で、シンシン刑務所を舞台にした囚人の方のヒューマンドラマで、実話の映画化した作品。
主人公意外、殆どが実話になった囚人の方が脇を演じているとの事。簡単にお話を話すと囚人の更生プログラムのひとつに、演劇があり、その演劇を通した囚人たちの友情や更生を描いた作品。
少々、内容と言うかお話の進め方が、淡々として味気ないような印象を受けてましたが、お話を最後までみると、心地よい感想に包まれる作品でした。
もう少し周りの喜怒哀楽を脚色してでも描いて貰えるともっといい作品になるように感じましたが、幾つかのシーンで幾つかの台詞に考えさせられました。
人は間違えを犯す事もあるし、人に迷惑をかけてきた人たちが、演劇を通して人に感動を与え、自身も成長したり、色々な事に格闘したり、元犯罪者というプライドや嘆きはあるものの、次第に更生する他人を思いやり共に成長し、その想いを分かち合い・・・
芸術を通して、人が人に戻る姿、人間らしくなる姿はいいですね。
ほんのりした感動が味わえる作品でした。
心と体の自由。
この映画は服役中の罪人のお話。
人の行動範囲とは人それぞれ。
刑務所の中で生きる人。
体が不自由で遠くへ出かけられない人。
入院中で病院内で過ごす人等…
行動に制限のある人は世の中に沢山いる。
この映画を観たら、私の入院が思い出された。
日常に見ていた景色を、入院によって見られなくなった数日。
無事退院できて、外へ出てみれば…
普段見慣れていたはずの景色は「ハッ」とするように新鮮であり、生き生きしていた。
人は行動範囲の自由を奪われると辛い。
逆に言えば、行動範囲が広がると生き生き出来る。
人に許可を得ることなく、
人手を借りる事もなく、
自由に外へ出けられる幸せ。
近所→国内→海外へと行動範囲が広がれば広がる程に?
心は自由を感じて
のびのびと
幸せを実感するのでしょうか?
芸術更生というものを初めて知った。
演じてみたり
読書などによって
頭で旅をする事ができるとしても…
心と体
両方で旅をしたい。
主人公は無実の罪
刑務所の囚人たちに対する更正プログラムとして行われている、彼ら自身による「演劇」。
これにまつわる、囚人たちの友情や葛藤。
それも、この出演者の多くは実際にこのプログラムに参加した「元囚人」とのこと。
アカデミー賞にも複数部門でノミネートされるなど話題も多く、公開館数は少ないものの、朝7時30分の上映回だが、そこそこ人は入っていた。
端的に感想を言うと、「あんまりピンと来ない」。
あくまでこの演劇は、かなり重い罪によって罰を受けた彼らの「更正」のためのプログラム。
その彼らが、演劇という場で仲間との交流の中で自分や自分の過ちを見つめ直す…という話ならまだ飲み込めたんだけど。
こういう言い方は良くないのかも知れないけど、詰まるところ、やっぱりこれは彼らの「レクリエーション」にしか見えない。
「塀の中にいても、演劇の中では頭は外に自由に出られるんだ」なんて、申し訳ないけど私に言わせれば「ちゃんと真面目に罰を受けろよ」と思ってしまう。
その意味では、主人公は無実の罪で収監されてしまっているワケで、罰を受ける必要は本来ならないはず。
じゃ、その彼が自ら「更正」プログラムに参加するのはどーなの。
もちろん現実にそういう人がいてもいいし、それを否定はしない。ただ、あくまで「映画」という中においては主人公の立ち位置だけが中途半端な気がしてしまう。
作中で起こるエピソードも、なんだか取り留めもないというか、唐突というか。
誰が誰のどの部分が気に入らなくて怒ってんのかわかんないし、肝心の演劇も、正直ナニやってんのかよくわかんなかった。
結局最後まで彼らが何をしたくて、今はそれを何が阻害してるのか。この作品をとおして誰に対してどんな願いや思いを持っているのか。
残念ながら私には伝わって来なかった。
もちろん好きなシーンもあるよ。
演出家のブラントが、彼らに「自分が完璧だった瞬間の場所や気温などを想像してくれ」ってそれぞれ想像した内容を語るシーンとか。
自分ならどう答えたかな、とか考えたら自分のエピソードで昔のこと思い出してグッと来ちゃった(笑)。
おそらく、こういうカンファレンスみたいなものを通して自己を見つめ直すっていう「更正」を促すんだろうけど。
そもそも、主人公以外の彼らは(その人間性はともかく)「可哀想な人たち」ではない。自分の犯した罪によって裁かれた罰としてここにいるんだから。
もちろん彼らの生活環境とか、仲間とかが、彼らをここに追い込んだことも社会的な問題として存在はするんだろうけど、別にそういうことを言いたい映画ではない様だし。
この主人公と、他の収監された人々とでは、世界の見え方もこの刑務所への思いも、やはり全然違うと思うし、「外へ出る」ということの意味も違う。
ただ、高く評価されてる方が多いみたいなので、おそらくちゃんと観る人が観ればちゃんと傑作として映るんだろうから、この後、あらためて有識者の方々がどう受け止めておられるのかを学んで、(イヤミとか開き直りではなく)私の不見識を反省したいと思います。
典型的な刑務所モノというか、最初反発してた元ギャングのヤツも徐々に...
掴めなかった・・
事実に対する敬意とあたたかさ
リアルに描ききった感動の物語
実話ベースで勉強になる
予告から感動の物語を期待して、公開初日に鑑賞してきました。最終上映回でしたが、観客は中高年中心にそれなりに入っていたようです。
ストーリーは、ニューヨークのシンシン刑務所に無実の罪で収監されたディヴァインGが、所内で収監者更生プログラムとして行われている「舞台演劇」に参加する中で出会った仲間たち、とりわけ遅れて仲間入りした気性の荒いディヴァイン・アイと交流していく姿を描くとういもの。
刑務所内でこのような更生プログラムが行われているとは知らず、しかも実話を題材にした作品ということで、とても勉強になりました。特に、参加者たちが過去を振り返るかのように語るシーンは、自身を見つめ直しながら自己開示をしていくようで、セラピーとしての役割があるのではないかと思います。あわせて、収監者たちを指導する立場の人の重要性を感じます。
全体的に登場人物の心情に寄り添いながら物語を進め、丁寧に描いているのは伝わってきます。それだけに、大きな感動で涙が止まらないかと思いきや、作品世界にイマイチ浸れず、期待していたほどの感動が得られなかったのは残念です。この手の作品は、登場人物にどれだけ感情移入できるかで、味わいが大きく変わってくるのですが、作品に浸れなかったことで、目の前の出来事を客観的にただ眺めるだけになってしまい、共感的に味わえず、感動につながりませんでした。
というのも、仕事帰りの鑑賞で、先に「プロフェッショナル」を観た後、調子にのって本作をハシゴ鑑賞し、完全に集中力が落ちていたからです。作品は何も悪くなく、全て自分が悪いです。しっかり覚醒している時に改めて鑑賞したいと思います。
主演はコールマン・ドミンゴで、細やかな心情の変化が伝わる演技がよかったです。脇を固めるのは、クラレンス・マクリン、ショーン・サン・ホセ、ポール・レイシーら。元収監者らが本人役として多数出演していることが、説得力を高めています。
Sweet Land of Liberty
本作の主人公は「第2級殺人」と余罪で「シンシン刑務所」に収監されている
『ジョン・“ディヴァイン・G”・ウィットフィールド(コールマン・ドミンゴ)』。
彼は無実を訴えているのだが、それはさておき
まず驚くのは刑務所の場所。
敷地内には鉄道が通り、
ハドソン川は目の前。
警備レベルは「maximum」とされているものの、
世間はすぐ身近にあり、
郷愁を掻き立てられる環境は
囚人たちにとっては辛いものだろう
もっとも、それが刑罰の一部か?
映画ではその立地が繰り返し映される。
次いで所内の自由度の高さ。
制限はつくものの、居房内は多くの私物で埋まっている。
ただ、受刑者服の着用は定められているらしく、
冒頭に舞台の上で拍手喝采を受けた役者たちが
袖から戻って来た後で皆同じ服に着替えるシーンは、
改めてその場所の特異さを認識させる。
所内で行われている更生プログラムの一つが、
「RTA(Rehabilitation Through the Arts)」で、
演劇のプロが指導する「舞台演劇」は
立ち上がってから三十年近い歴史があり、
受刑者たちの意識改善や再犯率の低下に効果があるのだと言う。
エンドロールでは
顔のアップと役名が流され、
数名のプロを除けば
ほとんどが「himself」と示され
本プログラムを受けた元収監者たちが
出演しているのが理解できる流れとなっている。
公演の企画、脚本や演出、はては劇団員の募集や入団後の面倒まで
『ディヴァイン・G』が「RTA」に深くコミットしている理由は良く判らない。
自身の再審や刑期の短縮になにがしかの効果があるとの思いは、
無いといったら嘘になるだろう。
一方で、他の囚人の恩赦に尽力するなど、生来の人柄の良さはありそう。
劇団の中での反目、
団員の不慮の死、
幾つもの障害を乗り越え、
新たな演目を世に出すまでの過程が映画の主線。
とは言え、プロの演出家が演技論により
囚人たちに課す基本練習の場面では、
正直、眠くなってしまった。
並行し、主人公の(囚人としての)葛藤も描かれるが、
共にありきたりの内容で、
舞台設定の妙は生かせていない。
囚人間で結ばれる友情には感銘を受けはするものの。
登場人物同様、本編では
実際に行われた舞台の模様も写し出される。
ボカシが入るわけでもなく、
彼等は堂々と作品の中で顔をさらす。
このあたりの感覚も日本とは大いに異なり、
作品への感情移入が薄くなる一要因かもしれない。
思い込み怖い
全103件中、61~80件目を表示














