シンシン SING SINGのレビュー・感想・評価
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いつかまた彼らに会いたくなる映画
80%の収監者が、アメリカ警察司法制度により、有罪判決がでていないにも関わらず、階級や人種差別によるもの、とパンフにあり、衝撃を受けた。
そんな不遇な立場の彼ら、そりゃ誰だってヤケクソになるだろう。
それでも、じぶんがやりたい役で自由な喜劇を演じる事で、あらたな自分を発見していく。
お互いが、お互いの過去を見つける。ともに励まし合い、よさを発見していく。
私は、尊厳とは、その人らしさを認めることだ、と学んだ事があります。
この映画の何よりすごいのは、ほぼ全員が、かつての収監者であり、本人役を、演じている!
心に響くセリフが、たくさん。
彼らの全身から確信を持って、生きてビシバシつたわる。
プロセスということば。
自分が今会いたい人はだれか目をつぶって思い出しなさい。
コンピュータやアニメが作り出せない人間臭み、不器用で愛すべき人間による、人間のための、圧巻のヒューマンドラマ。
そうか!
だから、演劇や芝居が、古からあらゆる時代を経てもなくならないのだ。みんな人間がみたいのだ。
ひとりひとりは弱いけど、人間はすばらしい。
人間は弱いけど、ひとりひとりは、すばらしい。
モーツァルト魔笛の歌詞を思い出しました。
観たことない、傑作です。
満席でした。
余談
ミュージカル映画プロデューサーズで、シンシンが出ますが、あれはギャグじゃなくて本物だったとは!
人生はやり直すことができる。
じぶんが世界を決めるのだと。
ブレージングサドルもシンシンのセリフに出てきたし、メルブルックスはやはり偉大なんだなあ、私は大好きだ。
受刑者の心情に迫る力作
誰が実際の受刑者なのかなぁと思いながら観ていたら…
ほぼ全員が元受刑者で刑務所内の演劇プログラムで演技を学んだだけだと知って驚きました。
プロの役者と遜色ない実力です。
受刑者の役者が歌って踊る艶やかな舞台を想像していましたが、演技を学ぶことにより自身の内面と向き合うことを追った内容でした。
舞台そのものよりもその舞台に至る過程が丁寧に描かれています。
舞台を作り上げる過程において演技の練習などで自己の内面を語るシーンが多く登場するのですが
収監されるに至った「個人的な事情」は多様で
自らの体験をベースとした嘘偽りの無い内面の吐露が、元受刑者の演技に迫真のリアリティを与え、プロの役者に全く引けを取らない存在感を示すことができたのでしょう。
長く収監されている人々の心情にはやるせない気持ちになりました。
それゆえに刑期を終えて出所する風景にはカタルシスを感じます。
変に感動作にしないことでよりリアリティを感じる
黒人比率が高すぎでは?
米ニューヨークのハドソン川沿いに有るシンシン刑務所で行われている収監者更生プログラムの舞台演劇により、収監者の友情を描いた実話を映画化。
ディヴァインGは、刑務所内の更生プログラムで舞台演劇グループに所属し、収監者仲間たちと演劇に取り組むことで生きる希望を見いだしていた。そんなある日、刑務所で一番の悪人として恐れられていたディヴァイン・アイが演劇グループに参加することになり、次の公演に向け喜劇を演目とし、練習に励む、という話。
収監者の黒人比率が高いなぁ、と感じた。ドキュメンタリーなら仕方ないが、ディズニー的ポリコレだとアウトでは?
シンシン刑務所の元収監者でこの舞台演劇プログラムの卒業生が多数参加しているそうで、リアリティを持たせていたのは良かったと思うが、演技が上手いわけでもなく退屈だった。
友情物語なんだと思うけど、なんだか既視感だらけで新鮮さもないし、面白くなかった。
自分には合わなかった
悪くないけど本番シーンもっと観たかったな〜
本音を語り、傷をさらす
こないだ鑑賞してきました🎬
刑務所内での更生プログラムを題材にしたストーリー。
ディヴァインGを演じるコールマン・ドミンゴは確かに良かったですね🙂
プログラムの中心メンバーであり、演目を考えたりもしますが、時折現実に押しつぶされそうになったり。
そのあたりの心の揺れ具合を、画面越しからも伝わる熱量で表現したドミンゴは見事でした😀
アカデミー主演男優賞ノミネートも納得です🫡
クラレンス・マクリンの本人役も良い味でてましたね。
最初は稽古に身が入らない感じも、雰囲気がありリアルでした😳
実話ベースということで、プログラムを通じて収監者たちが少しずつ希望を見出していく様は心に響くものがあります🤔
実際の刑務所関係者や、更生プログラムの卒業者が出演しているのも功を奏していますね。
刑務所が舞台のヒューマンドラマとして、確かな手応えを感じる1本でした👍
既視感あるも胸熱!
ディヴァインGとディヴァイン・アイの友情物語である。
シンシン刑務所で行われている収監者更生プログラムの
舞台演劇を軸にストーリーが展開するが、
Gとアイを中心に描かれている。
ラストで私は『ショーシャンクの空に』が頭によぎった。
刑務所が舞台なだけに目新しさはないし、
友情物語と言えば‥ということで、
どうしても既視感はある。
しかしながら、最初は尖っていたアイの態度が
Gとのコミュニケーションを通して
徐々に仲間と打ち解けて和らいでいくのには
感動するし、俳優の演技も素晴らしいと思う。
無実なのにもかかわらず刑務所から出られないGの葛藤と
仲間とのぶつかり合いも見応えがあった。
Gも聖人君子のような立ち振る舞いだったものが、
やはり一人の人間なのだとあらためて感じる素晴らしい
演出だった。
そして今度はアイがGに寄り添い、Gの心を溶かしていく。
ラストでは先に出所していたアイがGの出所日に
車で迎えにきていて、涙ながらにハグする場面は
心が震えた。
ラストショットのGの表情も実に爽やかで、
観ている私としても救われる気持ちになった。
実話がベースであり、本人役で出ている人もいるし、
実際の画像も使用され、リアリティも増していたと思う。
時々こういう作品が観たくなる。
ちょっと何か足りない感じ
人間になるためには
まるでドキュメンタリーを観ている感じ。
主要キャストが受刑者の方々とは。
as himself リアルだった。
挫折と再起。
あのビニール袋が網にかかっただけで警報。
『人間になるためにここにいる』
自分の弱さと向き合い、他者と心を寄せて
前向き生きる。そして人が人らしく
生きて行くには何が必要かを学ぶ。
本物の喜びと苦しさと人間味の優しさが
伝わってくる。
『そうだ、死ぬのは簡単だ、喜劇は苦しい』
色々な想いと気持ちがぶつかり合う言葉である。
極道めし 演劇部篇
シンシン刑務所は実際にニューヨーク州のハドソン川に面して建っている。
お漬け物やパンダの名前みたいだし、架空の施設だと思ったら、先住民ウォピンジャー族の部落の名前から取ったらしい。
指導する演出家のおじいさん、ブレント役のポール・レイシーはどこかで見たなぁと調べたら、映画サウンドオブメタルの聴覚障がい者施設のガンコ親父役だった。彼の両親は聴覚障害者で彼は本物のCODAの舞台俳優だったが、サウンドオブメタルで70歳を超えてブレイクした。ブレントが部員に今までで一番と思う思い出をそれぞれに語らせ、情操訓練を行う場面が、「極道めし」での生唾ゴックン話とリンクして、たまらなかった。
エンドロールのキャスト。
As himself のまぁなんて多いこと😱
準主役のクラレンス・“ディヴァイン・アイ”・マクリン。
いかにも悪そうで、いやだなぁ〜と思っていたら、やっぱり元部員だった。
主役のコールマン・ドミンゴの出てる映画は自分でも意外なほど多く観ていた。いい人そうな感じでほっとする。ボビー・オ〇ゴンよりずっといい人だと思うんだな。
我々日本人の都市生活者の多くは、シンシン刑務所の独房より狭いところに住んでる気がして、演劇の練習に使われるホールなんか、ホテルの披露宴会場みたいだった。高級外車も持ってないし。
なんだかなぁ😥
アメリカの刑務所に入って、お釜掘られずに生き延びるなんて無理だと思っていたけど(ショーシャンクの空にの影響)、演技の才能があれば、なんとかなる気がしてきたけど、やっぱりハードル高いわ。
外部の女優さんとの接触目当ての輩もそりゃいるわなぁ。永島敏行主演の「サード」のある場面も思い出した。
RTAでライオンキングはやらなかったのかなぁ?禁演演目だったのかなぁ?
静かに心に沁みる
実際の元囚人が演じてるというところに興味を惹かれて鑑賞。主演の二人くらいは俳優かと思ったらまさかのDivine Iは本人だった。(divine xが二人いるのがしばらく理解できず、人物の見分けは最初難しかった。。)
そしてフィクションならきっと彼が最後やらかして上演が危うくなるとかとか、仮釈放目前に詐欺の被害者と揉めてパーになるみたいな感じかなと冒頭思ったが、見事に演劇、RTA rehabilitation through the artsによって感情を制御し牙を抜かれていった。最初、所内で詐欺働くやつなんて入れなきゃいいのに、って思ったがそんな彼をも改心させるアーツの持つ力は強大だった。。実際はもう少し紆余曲折あったとは思うけど。事実は小説ほど都合良いアップダウンはない。
日本社会で例えばスポーツに打ち込む子どもが非行に走りにくい(と思われる)ように、何かに本気で向き合うことはとても意味があるし、それが自分の内面と向き合う演劇という世界だからこそ人の心を溶かしていったんだろうなとは思わせる。「プロセス」と呼ばれる、心を開く練習は私にも辛そうでやりたくない。
「ここではニガー(黒人蔑称の?)じゃなくて相棒と呼ぶ」というところ、元はbeloved?直訳すると愛されし者!?和訳工夫したなあと感心したが、だとしても収容所で大罪犯したヤンチャな人たちがそんな優しい言葉で互いを呼ぶのか?というのはびっくり。根がやはりクリスチャン文化の国だと愛は身近なのか。。?divine (神聖) だし?
マイクマイクと夜語るくだりだけ長いな、と一瞬飽きたら直後まさかの展開で飽きた自分を恥じてしまった。。一瞬一瞬を大切にしなければなのね。。
演じることで自由になれる
SING SING🟰シンシン刑務所
主人公ディヴァインGを演じたコールマン・ドミンゴが、第97回アカデミー主演男優賞としてノミネートされていたので、とても気になった作品
ニューヨークで最も厳重なセキュリティとされたシンシン刑務所で、収監者更生プログラムとして舞台演劇が行われていたことを題材に、無実の罪で収監された男と収監者たちとの友情を描いた実話とのこと
刑務所の中で自分とは違うものを演じることで、気持ちのうえで自由になれ幸せを見出す
すさんだココロも洗われ仲間との友情さえ芽生えていく
これが実話とは素晴らしいし、本人たちが演じてることがすごい
もう少し抑揚があって感動的であったなら、アカデミー賞作品賞でノミネートされてもいいんではないでしょうか
よかった
THIN THING
評価の高さと題材が気になって、遅ればせながら観てきたが…自分には合わなかった。
最も受け付けなかったのが、台詞廻し。
自分の文化に対する理解が乏しいせいか、それとも訳が上手くないのか、全然頭に入ってこない。
本当に黒人はこんな回りくどい会話をしているのか。
まぁ自分がズレた期待をしていた面は多分にある。
“若者が”のところを“囚人が”に変えた大人の青春もので、その立場ならではの葛藤や成長が描かれると思っていた。
いや、そういう内容ではあったのかもしれないのだけど、なんか芯が外れてるような。
ポスターで「難しい」とされている喜劇に対するアプローチにも興味があったのだが、これはゼロ。
本編は元より、劇中劇に喜劇の要素をほぼ感じない。
流れで見れば面白いのかと思えば、本番のシーンは丸ごとカット。
終盤に本物と思しき映像が少し流れるが、これだけ見せられて何を受け取ればいいやら。
Gとアイの仮釈放を巡る顛末は皮肉ではあるし、マイク•マイクの死はリアルな無常感がある。
しかし映画としては地味過ぎて終始眠かった。
冤罪だというGは別として、他の囚人が罪と向き合う様子が感じられないのもモヤモヤする。
罪を犯した者が楽しんじゃいけないとは思わないが、そこと向き合わない“更生”なんてあるのだろうか。
ラストの解放感のある画変わりはよかった。
To act or not to act…… Act, anyway. 当たり前のことだけどとても大切な何かを教えてくれる珠玉の名作
とてもいい映画を見ました。この作品には人気のイケメン俳優もゴージャスな美人女優も出てきません(内容からして当然と言えば当然なのですが)。監督は無名でもともとドキュメンタリー畑の人のようですが、劇映画ではこれといった実績がありませんでした。物語はドキュメンタリー•タッチで淡々と進み、劇的な出来事は起こりません。地味で静かな作品で、声高に何か主張したりしませんし、感動を煽ったりもしません。主人公の抱える問題は結局、解決せず、問題解決のカタルシスを味わうこともできません。でも、主人公や仲間たちの心の交流や友情から湧きたつ滋味のようなものが、まるで晩ご飯の後に飲んだ一杯のお茶のように、五臓六腑に染み渡り、温かな気持ちにさせてくれます。
物語の舞台は米ニューヨーク州ハドソン川の川べりにあるシンシン刑務所。敷地内に鉄道が走っており、列車がちょっと哀愁のある警笛を鳴らして行き交っています。外から撮った刑務所はくすんでいて半世紀ほど歴史が止まっているように見えます。外からのシーンはほんのわずかでほとんどは刑務所の内側でのシーンとなります。本作はそこでRTAという更生プログラムに沿って演劇の活動をしている収監者たちを描いています。RTAは芸術を通じての更生を企図したプログラムで、収監者たちが創造的な表現を通じて力を得て家に帰ったときにきちんと生活できるようになることを目的にしていますが、かなりの成果をあげているようで、プログラム修了者のうち、刑務所に逆戻りする者は3%以下とのことです(全米の再犯率は約60%、数字はパンフレットより)。
ということで、物語の中心にあるのは演劇の稽古ということになるのですが、本作では厳しい稽古、様々な困難を乗り越え、上演したら大成功、めでたし、めでたしのようなサクセス•ストーリーのほうには行きません。それよりも、過去に取り返しがつかないような経験をし、悔いたり、心に傷を負ったりしている収監者たちが稽古や所内の日常の中で互いに交流しながら、心を開いてゆく、傷を癒やしてゆくことを中心に描かれてゆきます。そこでのメンバーそれぞれの気遣いや親切心、優しさが胸を打ちます。彼らは一時は絶望の中にいたのかもしれませんが、やはり希望は人との関わり合いの中から生まれてくるーーそんな当たり前かもしれないけど、人生の中でとても大切なことを教えてくれたのが、人々の尊敬を集めるカリスマ経営者でもなく、ロールモデルといわれるスーパー•アスリートでもなく、あの人たちだったということは忘れずに心に留めておきたいと思います。エンドロールにはちょっとした仕掛けがあるのですが、スクリーンに向かって感謝の気持ちを伝えたいような気分になりました。
この映画が私の生涯のお気に入り映画のリストに入るかどうかは分かりませんが、有力な候補に躍り出たのは確かです。しばらくしたら、再鑑賞したいと思っています。
実話版「ショーシャンクの空に」。演劇の力、本人役でも多数出演。そして、映画の内容以前に衝撃的だったこと。
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