「生きているからこそ」シンシン SING SING ニコラスさんの映画レビュー(感想・評価)
生きているからこそ
まず初めに、ワタシは大きな勘違いをしていて、作品名から韓国の動物園を舞台にしたパンダの物語だとばっかり思い込んでいて、全くのノーチェックだったことに最近気が付いて観に行ったのでした(トホホ)。
そうしたら、重たいテーマでしたね。生まれた時には同じスタートラインに立っていると思ったら違っていた、そんなCMも流れていますが、生まれた地域や境遇においては自然と法を犯さずには生きられない場合もある。
その後の人生においても何らかの理由で踏み外さなければならない場合もある。
けれど塀の中の彼らは「人生が二度あれば」などとは考えず、今いる場所でできる精一杯のことをしようと取り組んでいる(中には、ここが一番良いとか、ここしか居場所がないと考える者もいましたが)。
どこにいたって、どんな人だって、一所懸命取り組む、仲間と協調する、それは素晴らしいことだと再認識させられました。
その反面、それでも厳しい現実は待ち受けていて、なかなか世の中は変わってはくれない、そんな無力感も見せられた気がします。
出所する【G】を出迎えた【I】、抱き合い涙する二人にはシャバに出られて打ち震える喜びと、これから突き付けられる現実の情け容赦ない刃に恐れおののき震える、その両方が垣間見えたような気がしました。
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