「【実在の最も重い警備で有名なNYシンシン刑務所を舞台にした演劇による更生プログラムを受ける"as himself"元収監者出演多数映画。今作はそこにこそ、この映画の価値があると思った作品である。】」シンシン SING SING NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【実在の最も重い警備で有名なNYシンシン刑務所を舞台にした演劇による更生プログラムを受ける"as himself"元収監者出演多数映画。今作はそこにこそ、この映画の価値があると思った作品である。】
ー ”今週のシネコンの収益はコナン君に任せた!”と思いながら、久しぶりに名古屋のミニシアターの殿堂へ。
映画好きの人達が集う映画館であり、上映中の映画のフライヤーも刈谷日劇同様にババーンと置いてある太っ腹の映画館である。で、今作も含めた上映中の映画や他の映画館ではお目に掛かれないフライヤーを多数ゲットしてから、予約してあった席へ。-
■実在の最も重い警備で有名なNYシンシン刑務所を舞台にした演劇を通して、ムッチャ怖い顔の収監者たちが人間関係を育みながら変容する過程を追ったヒューマンドラマ。
無実の罪(本人曰く。ここら辺はキチンと描かれない。)でシンシン刑務所に収監されたディバインG(コールマン・ドミンゴ)。だが、彼は更生プログラムRTAの演劇活動が、自由を感じる唯一の場である。
そこに、白人の収監者を脅しているディバイン・アイ(クラレンス・マクリン:"as himself"第一号)が志願してくる。ディバインGは共にプログラムを仕切っているマイク・マイクと彼の演技を見て参加を認めるのである。
最初は”仕切ってんじゃねーよ!”などとディバインGに突っかかるマクリンだが、演技を練習するプロセスで、彼の態度は徐々に変化していくのである。
◆感想<Caution!内容に触れています!>
・冒頭から、ムッチャ強面の”俳優”多数出演で、”どっから集めて来たんだろ?コールマン・ドミンゴくらいしか知らないぞ?”と思って観ていたらエンドロールでビックリ。多数の"as himself"俳優で”マジっすか!”である。
・演劇活動の題目は、シェイクスピアなどの重いモノが多かったのだが”喜劇をやろう!”と言う事になり、タイムトラベルも入れたゴチャマゼ演劇をやる事になるのだが、その演劇については余り映されない。が、エンドロールで本物の劇の映像が出てくるのだが、結構受けていたなあ。
・RTA参加者たちが、自分の人生で一番輝いていた時を話すシーンは、彼らの絆を感じたシーンである。小遣いで買ったかき氷の味、芝刈り、妻にプロポーズした時。だが、そんな時は彼らの人生には戻って来ないのである。
・ディバインGは、親切にもクラレンス・マクリンの仮釈放の面接のノウハウを纏めて渡して上げるのだが、ある日盟友と言っても良いマイク・マイクが小さな収監室で脳動脈瘤破裂で突然死して、且つ彼の仮釈放の嘆願も通らずに、彼は劇の練習中に”こんなことをやって何になるんだ!”と暴言を吐き、その場を去ってしまうのである。
驚きつつ、その後姿を見るRTA参加者たち。
だが、刑務所の庭で独り座っているディバインGの所に歩み寄るクラレンス・マクリンが言った言葉が沁みる。”皆で話し合ったんだが、お前を赦すよ。”
<そして、クラレンス・マクリンは一足先に仮出所をし、漸く刑務所を出たディバインGを出迎え”自由は良いな。”と言いながら強く抱き合うのである。
今作は、実在の最も重い警備で有名なNYシンシン刑務所を舞台にした演劇による更生プログラムRTAを受ける"as himself"元収監者出演多数映画であり、そこにこそこの映画の価値があると思った作品である。>
■一応記すが、私の臨席のオバサンは序盤からガックシと頭を下にして熟睡してました。私は優しいので、そのままにしておきました・・。