「最高」シンシン SING SING Alejandro Gillickさんの映画レビュー(感想・評価)
最高
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傑作
実際にシンシン刑務所に収監されていた人が多数出演しているドラマ映画。
映像・音楽・演技はどれも最高。主演のコールマン・ドミンゴは、"ビール・ストリートの恋人たち"でしか見たことなかったけど、ここまでの演技ができる俳優だとは思ってなかった。声質がとにかく良い。クラレンス・マクリンをはじめ、本人役として出演した多数の元収監者たちもプロに引けを取らない名演を披露。
でも個人的に1番光ってたのはポール・レイシーだと思う。"サウンド・オブ・メタル"効果もあると思うけど彼がいるだけで場にどことない重みが加わるのがすごい。
仮釈放審査の面接での面接官の悪意に満ちた質問に、収監者に悪者のレッテルを貼る世間の風潮が垣間見えて嫌悪感を感じたけど、もしかしたら自分もそんな目で見てしまっているかもしれないことを自覚させられた気もする。
RTAのメンバー全員で人生最高の瞬間を思い返して共有するシーンが最高だった。多分あそこでみんなが語った出来事は実際に彼らに起きたことだろうし、それを語るみんなの顔が幸せそうで胸打たれる。中でもカーマインの公園での奥さんとの話が本当に胸に響いた。
クソほど報われない刑務所の中でも必死に希望を見出して闘うディヴァイン・Gは、"ショーシャンクの空に"のアンディにも重なる。他にも似てる要素をたくさん持った作品だけど、断然今作の方が自分の好みに合った。
ミニシアターで観るのに最適な映画。
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