「興覚め」近畿地方のある場所について meさんの映画レビュー(感想・評価)
興覚め
〇 良かったところ
・役者の演技が段違いに良かった。特に編集長の奥さんの獣のような演技には度肝抜かれた。
・序盤から、黒い人影に鳥居、そして「了」や「女」等書いたマークが日本中のいたるところに貼られているところから伏線張り巡らし、それを丁寧に近畿地方のある場所に収束させる手際はさすがだなと思った。
〇 悪かったところ
・BGMで恐怖をあおりすぎている。
今回の映画はVHSやDVDを見ることでストーリーが進行している。だが、その際に怪異に取りつかれた登場人物が言うセリフがBGMにかき消され、何を言っているのか分からない。それを主役が後になって解説することがしばしばあった。
個人差があるかもしれないが、BGMの音量を落とし台詞を聞こえるようにする等して欲しかった。
・怪異は昔話に乗るほどの大昔から存在して、現代では子供たちの遊びにまでなって多様化していた。その怪異の名前は三種類ほどあった。これは、本当に個人差があるかもしれないが、少し覚えづらいので、改善してほしかった。
・登場人物の行動が理解不能
呪いの発生源である岩を壊すために、社に赴く二人。二人は呪いに犯され、そのうちの男は、非常に危険な状態。
なんで、女性一人しかバールを持っていないのか。男の方は暢気にビデオカメラを構えているだけなのは、理解不能だった。命の危機に瀕しているのなら、ほんの短い時間でいいから、「あなたは映像をとって、記事を掲載して出世するんでしょ」とかの台詞を挟んで、男が自分の命を顧みてもバールを持っていない理由を説明してほしかった。
・限定の入場者特典での解説。
映画を昨日見終わり、youtubeに挙げられたレビュワーさんの動画を見ているとどうやら。「限定の入場者特典」でストーリーの細かな解説があったらしい。
なぜこのようなことをするのか。映画単体で勝負をすることが怖くなり、後になって情報をつけ足して「怖いでしょ」と鑑賞者に事後的に納得させようとしている意図がまるわかりだった。
しかも、限定にしたことによって、鑑賞者ごとにストーリーの把握の部分に齟齬が生まれ、万人が平等に楽しむ映画ではなくなった。
・これが特にひどかった。最後の「白い化け物」。思わず、失笑。恐怖が掻き消えた。
これは、いったいなんだ。
さんざん、「黒い人影の付いたマーク」をアピールし、昔話では、「黒い色をした神様」を描写し、黒を強調していた。それにもかかわらず、最後に白い触手がたくさん生えた化け物を登場させた。
これ、映画に何か関係あります?よくわからないものを登場させて恐怖を煽ればいいってもんじゃないでしょう。
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