「これはひどい」近畿地方のある場所について SP_Hitoshiさんの映画レビュー(感想・評価)
これはひどい
カクヨムで原作小説を読んでいて、気になる作品だったので、評判がいまいちだったのは知っていたが、あれをどう映画にしたのか、というのが気になって観ることにした
原作はモキュメンタリー風で様々な種類の記事にリアリティがあるのと、真相に迫りそうでありながらなかなか迫っていかないもどかしさが面白かった。また、リアリティを保つために、かなり緻密に背景の設定と、明かすべきところ、明かすべきではないところを考えられているだろうことにも感心していた。
映画については、中盤までは非常に面白かった。廃墟とか、昔のテレビ番組の映像がいかにも、って感じ。特にまんが日本昔話風のアニメは声優も含めてかなりそれっぽくなっていてすごい。
しかし、小沢の行動がおかしくなるあたりから急激にリアリティがなくなった。深夜に小沢の異常行動を発見した同僚の編集部員はなぜ病院に連絡しなかった?
小沢と瀬野の二人で失踪した小沢の先輩の家に行くところから、明らかにおかしくなる。人が死んだのになぜか警察に連絡しなかったり、小沢がずっと無意味にビデオカメラを回し続けている。バッテリーの残量が減っていくことで時間の経過を表したかったのか知らんが、車で移動中くらいは電源切っとけば?
そしてとってつけたように瀬野が黒幕みたいなオチ。だとしたら瀬野のここまでのいろいろな行動や言動の説明がつかない。
小沢もずっとビデオカメラ回すだけで、異常なことがたくさん起こっているのに止めたり、本気で抵抗したりしないし、意味が分からない。
「岩」も作り物感丸出しの形状。最後のCGもはっきり見せすぎちゃってて全然怖くない。
原作が緻密に作っているだけに、中盤以降のあまりに雑すぎる脚本がよりひどく感じる。
映画化するにあたって、なんらかの映像的インパクトとか、クライマックス感が欲しかったのかもしれないが、これはあまりにもあんまりだ。
いろいろな謎が残っていてもかまわないから、最後までリアリティ重視で恐怖の緊張感を保ってほしかった。
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