「ホラーケンタウロス」近畿地方のある場所について セイコウウドクさんの映画レビュー(感想・評価)
ホラーケンタウロス
当方原作を読んでから鑑賞しました。
おそらく原作の雰囲気を期待して見るとがっかりするかもしれません。
前半、というか色んな怪談話を収集するパートはかなり良くできていたと思います。
映画なので原作ではテキスト形式のものも全部動画に変わっていました。
どれも作り込みが細かくて、過去のニュースや録画をそのまま使っているんじゃないかと疑うクオリティ。
不気味なだけのエピソード達の関連性が徐々に明らかになっていく怖さは、原作通りで満足です。
ただ、不意に関西電気保安協会が流れたところで普通に笑ってしまいました。
周りで見ていた方すいません。
ここからが賛否両論分かれるところだと思います。
後半に入ると今までのはなんだったのかというようなマッチョな展開に。
取り憑かれた赤楚衛二をビンタ1発で回復させる所から、何やらうっすらと風向きが変わります。
キッチンから飛び出してくるあられもない姿のおばさん。
急に好戦的になる菅野美穂。
格闘・ノーマルタイプの技が普通に当たる幽霊。
あのジブリ作品を思い出すロケーションと怪物。
勢いとインパクトが凄い。
正直後半だけ切り取って見たら中々面白かったんじゃないか‥
ただ問題はやっぱり前半と後半のテンションがあまりにも違ったことでしょうか。
幽霊かと思ったら下半身がプレデターだったみたいな。
後半やオチが弱くなるホラーはよく見かけますが、これは次元が違いました。
後半が強すぎて前半が吹き飛びます。
テコ入れされた漫画みたいな緩急差。
前半までのあれやこれやは一体なんだったのか。
菅野美穂さんは豹変するので逆にイカれ具合が際立っていてよかったのかもしれません。
なんだこの女。
前半後半それぞれ面白さが違うので、
原作を見ないか、別モノとして見た方が楽しめるかと思われます。
