「前半は雰囲気ホラーとして良い」近畿地方のある場所について 箸さんの映画レビュー(感想・評価)
前半は雰囲気ホラーとして良い
基本的に伏線回収がなされないので、起承転結は一応ついているが、前記の理由により、起!起!起!起!という印象を受けた。
そのせいで、
津山殺しのコスプレしてる倫理観ゼロのくせに弱いんだよ!
ビンタ除霊強すぎ、
編集長の奥さんカサカサしちゃったの!┌(┌^o^)┐
最後まで謎についてくるトンネル挟み撃ち顔面崩壊男女さあお前実体あるんか、怪異なのに車に轢かれて恥ずかしくないんか、
モグラ叩きのように出現する岩なのに、結局叩かないの!?ああ畜生、叩いてよ!?
作画が宮崎駿テイストの邪神、
足という機構がないのに移動する目…動力は何???といういらん感想を持ってしまった。
また、映画を見に行ったのに、独善的な奴が一人勝ちするという現実を見せつけられて終わった。菅野の演じたキャラクターに対して、映画なら何かしらに感情移入させられるだけの掘り下げがあって然るべきと思ったが、それに対しても現実の、日々の範囲内で想像できる程度の哀れみしか感じられなかった。いちいち書かないが、何を怖いと定めるかによって、作者の考えていることが浮き彫りにされる訳で、それが偏見を助長する可能性もあるのなら尚更繊細に描くべきでは?作家として活動するなら匿名掲示板と同じレベルではまずくない?と感じた。
あと気になったのが、怪談における仏教徒の弱体化である。仏教がなんだか難しい呪文があって意味が僧侶にしかわからなくて効果も弱いもの、という描き方をされるのは少し前の世代の怪談にはなかったものと思う。これは遺憾である。本物が紛い物に敵う訳がないと私は思うが、これも時代の流れなのかもしれないと思い悲しくなった。
前半を褒めておくと、なんだかわからないものが怪異を引き起こす、という時点での恐怖の演出はよく考えられていたと思う。こちらを一瞬見てくる写真、“見たら死ぬ映像”の意味のわからなさによる説得感、登場人物の後ろに迫る人影や顔の影、手。どれも恐怖を感じた。特に山から聞こえてくる声が、映画館を出た後、トイレのドアの軋む音や壁に固いものがぶつかって擦れる音と同じ音階で聞こえた時、これはよく出来ている!怖いぞ!と楽しくなった。
追記:最初は、人間が怪異に変化する話、として見ていたが、
菅野の演じるキャラクターは最初から上級怪異だったからビンタ除霊も現代版鏑矢の陣のようなカー突撃も功を奏したと言えるかもしれない
そうすると、独善的に振る舞う人間は人でなしであり怪異であるというメッセージを受け取ることができるかもしれないと気づいた。
映画を観た後の発奮をレビューに込めたつもりなので、本文はそのままにしておく。
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