「心霊スポット巡りのビデオに隠された秘密」近畿地方のある場所について bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
心霊スポット巡りのビデオに隠された秘密
原作は、オカルト・ホラー作品としてSNSでも話題となった『背筋』の小説。フィクションの事案を、さも事実の様なノンフィクション仕立てで展開するホラー・モキュメンタリー小説を、ホラー作品を多く手掛けている、白石晃士が監督し映画化。かなり、原作とは違う展開と内容ではあったが、ジャパニーズ・ホラー独特の見えないに『何か』が迫り来る恐怖を浮かび上がらせてくる。
その舞台となるのが、近畿地方のあるダム湖に隣接する一帯。過去にその地方で起きた、オカルト現象を取材していた雑誌編集長が、疾走するところから物語は始まる。同じ編集者の小沢衛二とオカルトライターの瀬野千鉱は、失踪した編集長が携わっていた事案を引き継ぐことになる。そして、編集長が残した資料やビデオを頼りに、様々なオカルト現象の事案を紐解いていくと、それらが近畿地方のとある場所に集中している事に気づく。そして、それらの現象と編集長失踪の真相を探る為に、2人はそれらの現場へと足を運んでいく。
その中で、
・行方不明となったランドセルを背負った少女
・昔話で語られてきた、山へ誘い込むような薄気味悪い声
・赤いコートを着て、現れる髪の長い女
・林間学校で起きた集団ヒステリー
・「まっしろさん」という子供の中で流行っている遊び
・自殺が頻発に起きる薄気味悪いマンション
・街中に貼られている呪いのシール
等、悪寒を感じて、ついつい自分の背後を振り返ってしまうような世界観に、引きずり込もうとする意図は感じた。そして、これら事案が近畿地方のダム湖と繋がった時、呪われた扉の秘密が明らかになる、クライマックスへと向かっていくのだが…。
あまりに都合よく録画されたオカルトビデオやUSBの資料を次から次へと見せるだけの展開と大きな効果音だけで脅かす様なチープな演出。そして、CG頼みのラスト・シーンの描き方には、怨念や呪縛をテーマにしたジャパニーズ・ホラーならではの恐怖は、今ひとつ感じなかったのが正直な感想。
出演は、編集者の小沢衛二役には赤楚英二、そしてオカルトライターの瀬野千鉱には、菅野美穂が務めていたが、劇中、ほぼこの2人だけで物語は展開する。クライマックスからラストシーンにかけての、菅野の表情と演技だけは、鬼気迫るモノがあった。
こんばんは。伏線はすべてミスリードするために用意したということなのでしょうがオチがクルッと回って元の人に取り憑くという斬新な脚本です。でもこれは多分、収拾つかなかっただけなんじゃないかな。
お邪魔します。
伏線を張るだけ張っておいてほとんど回収しない、というこの手法は見ようによってはある種の感動を呼ぶのかも知れませんが、私は残念ながらその境地には至っていませんでした。
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