「白日のもと」近畿地方のある場所について ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
白日のもと
激ヤバホラーと聞いて小説と漫画版を観てから映画を鑑賞。特典はお札風しおり(書き下ろし小説付き)でした。
しっかり怖い要素も盛り込みつつ、ミステリー要素も入れつつ、白石監督らしさも交えたらしさ全開の作品に仕上がっていました。
原作との怖さとは違うベクトルには行ってしまったかなとは思いましたがそれはそれで楽しめました。
オカルト雑誌の編集長が失踪してしまい、企画の穴を埋めないといけないので残された資料を元に企画を作っていく中で怪しい情報がバンバン出てきて…といった感じの作品です。
出てくる映像がどれも絶妙なバランスを突いてくる怖さで、修学旅行での山から声が聞こえたかと思ったら生徒がバッタバッタ倒れていったり、配信系はガッツリ取り憑かれたり、首吊りの紐がぶら下がってたり子供の写真の目がギョロッと動いたり後ろに気づいたらいたりとJホラーらしい怖さを醸し出していましたし、突撃バラエティでの番組での子供の遊びがカルトじみていたりとゾワゾワさせられました。
インタビュー動画や見たら死ぬ動画の不気味さも最高でしたし、それらの映像が繋がっていって近畿地方のある場所になっていくってのもミステリー的に楽しめました。
まさるさまエピソードはかなりぶっ飛んでおり、お母さんが好きなのに亡くなってしまっておいおい泣いていたら、神様からお母さんに変わる嫁さんを見つけて甘えなさいという指示を受けて、村に突撃するのかと思いきや、山の上から柿があるよ〜と呼びかけまくるという遠距離にも程があるストロングスタイルで攻めていき、しかも死後もその呼びかけは続くという持続っぷりはやってんな〜ってなりました。
そこから編集の小沢くんがガッツリ取り憑かれたり、編集長を見つけたかと思ったらとんでもないくらいカオスな状況になっていたりと、ゾクゾクさせるホラー全開で超楽しかったんですが、終盤はいつもの白石節が抑えられなくなったのか、赤い女を物理でいってしまったり、微妙なCGでウネウネしたバケモンをバンバンお出しして、最後のメッセージでさえもバケモンをニュルんって出したりと遊び心しかないんですが、今作の真面目なミステリーパートと比較するとどうしても別もんになっていたのは惜しかったです。
白石監督は基本的に物理で攻めてくる監督なので、ジワっとしたホラーとはちと相性が悪いようにも思えましたが、ホラーというよりかはホラーコメディになっちまったかなとは思いました。
まぁゲロビンタがあった時点で節ははみ出ていたんだと思います。
菅野美穂さんが面白いくらい作品を引っ張り上げてくれるので頼もしいですし、喜怒哀楽全部やったんじゃないかってくらい動いていますし、パールでドカンや車でズドンとか大女優にやらせることじゃないっすよ〜と色々と最高でした。
赤楚くんの頼りない感じもホラーの餌食として最高の塩梅だなと思いました。
特典の小説も面白かったですし、小説と合わさって1本の映画になった気がします。
白石監督は大舞台でも自分を貫き通す漢なんだなと再確認することができました。
もっと暴れちゃってくださいな。
鑑賞日 8/9
鑑賞時間 18:45〜20:45
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