劇場公開日 2025年8月8日

「お〜い!お金がかかっても監督らしさはブレず、彼の得意とする分野が前面に出た白石晃士ワールド全開!!」近畿地方のある場所について とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 お〜い!お金がかかっても監督らしさはブレず、彼の得意とする分野が前面に出た白石晃士ワールド全開!!

2025年8月9日
Androidアプリから投稿

様々な都市伝説や相次ぐ失踪事件など不可解な現象が一本の糸で繋がっていくカタルシス、総体として押し寄せる興味深さは、昔から変わらない。それを可能にするフッテージ・VTR映像の役割の重要さ。他人の原作でも、ハンディ多用によるPOVやフェイクドキュメンタリーとしての演出の自然さ等、白石晃士節全開!原作者も監督のファンらしいし、必然性すらある人選&組み合わせ。見つけてくださってありがとうございます!白石晃士ユニバース炸裂の安定キャスティングにニヤリ。
違うのは、名物暴力D・工藤も頼れる霊能者も出てこないことくらい?否!毎度のフィジカル"物理"になってい戦い方然り、洋画的にキャラ立ちした個性的ユニークな強烈キャラクター達が名物かつ魅力的なのに、本作は原作が小説ゆえか弱め。無論、赤楚くんは突っ走るし、菅野美穂はアウターいっぱい持ってる(?)けど。そんな、キャラクター主体でなく展開主体でどこか淡々とした語り口に"ドラマ性"の欠如は、本作の短所か長所か?つまり、どうしても小説的で受け身の印象を受ける。邪魔なんだよ~!!
説明的に淡々と映像素材・資料をひたすら見ていくという作り。主人公がキャラ立ちして生き生きと動き、葛藤し、自ら決断をする(=観客が共感する)タイプの所謂"ドラマ性"のある作品ではない。だけど、その色々な時代からの映像資料のクオリティが(出典元の再現度・解像度含めて?『笑ってコラえて』『まんが日本昔ばなし』)、赤楚くんもファンと公言する監督の代表シリーズ『コワすぎ!』に通ずる白石晃士監督らしくべらぼうに高いから、面白く見ていられる。むしろ、それこそが本作最大の見所!同監督の普段の作品と比べるとかなりの規模の大予算が付いているのを感じさせながら、根幹は変わらないのが安心できてよかった。
我らがフッテージキング晃士によるフェイクドキュメンタリー✕劇映画!ワクワクという表現が合っているかわからないけど、自分が子どもの頃にTV地上波で(ビートたけしとかが出ていたような)超常現象とか宇宙人UFO・UMA系の追跡検証系の特番を夢中になって見ていた気持ちに近いかも!そして、そういう番組内の映像を、白石晃士監督などのホラー監督が撮っていたという話を友人から聞いたことがあったことを思い出した。プロダクションデザインというか本当にこだわりを感じさせるそれぞれの時代感や番組感のリアルさ。にしても、そこまで期待させながら爆発力に欠けるクライマックスが薄く、キャラ立ちとオチが弱め。

P.S. 結局、菅野美穂が一番怖い?報連相できず単独で暴走しがちな赤楚くん演じる小沢を自宅に招いて怒りながらお弁当出すときの突然のおちょぼ口かわいかったけど!あと、「死ぬわけねーだろ!」平成JKの演技が最高で印象に残った。もし続編があったら『コワすぎ!』のトーンでやってほしい(赤楚くんが時空の渦・歪みぐるんぐるん?)。や〜る〜よ〜。

コメントする
とぽとぽ
PR U-NEXTなら
映画チケットがいつでも1,500円!

詳細は遷移先をご確認ください。