「前半のモキュメンタリー映像群以外観なくてよい」近畿地方のある場所について タブローさんの映画レビュー(感想・評価)
前半のモキュメンタリー映像群以外観なくてよい
評価できるのは序盤にいくつか出てきたモキュメンタリーらしいフェイク映像たちのみ。ここだけは良くできていたが、後半はもう完全に失敗している。
ホラー映画として最も基本で不可欠である「恐怖」が後半は全くない。かといって笑えるようなセンスもない。
もののけ姫のこだまに手足がたくさん生えてるような変なのが最後に登場するが、監督は本気でこれを怖いと思って作っているのだろうか?
というか、この監督はこれまでの作品でも笑えはするが到底怖いと感じる怪異が登場したことがない。
もし今回の作品が笑いは抜きにして真面目に怖い映画を撮ろうとしていたとしたら、普通の人が怖いと思う感覚とはちょっと異なっている、悪い言い方をすると視聴者を怖がらせるセンスがないと言わざるを得ないかもしれない。(少なくとも自分の感じる恐怖の対象とは大きくかけ離れている。)
オリジナル映画であればそれでも良いのだが、今回はベストセラー原作の映画化なので、厳しい見方になってしまう。
この監督のファンを除き、この映画を観に行くお客さんの大半は「笑い」や「ユーモア」ではなく底知れぬ怖さと不気味さを期待していると思うので、がっかりして帰る人が多いのではないかと心配になる。
呪われた人が黒い目になるのって怖いのか?
たくさんの目玉が襲ってくるのって、集合体恐怖症でもなければ怖いと思わなくないか?
最後のエイリアンみたいな子供も、果たして怖いのかあれは。
あとそもそも、原作で浮かび上がってくる怪異の正体や一連の事件の謎について一切説明、伏線回収をしていない映画にも見える。(こちらの方が原作ファンにとっては問題かもしれない。)
映画が終わったあと、会場の空気がどんよりしていて、隣に座ってた女性客同士が「やりたい放題やな…」と漏らしていた。
共感しかない。
すごく子供だましな作品を見てしまったからか、みんな共感性羞恥を感じながら劇場を後にしているように見えて辛かった。
期待値が高すぎたな。
お二人ともコメントありがとうございます。
同じような感想のようで、共感いただけて嬉しいです。
Jホラーは一時期のブームに比べるとかなり衰退しているように感じますが、きっとこの先も傑作が生まれることを信じて、できるだけ観るようにしています。
共感ありがとうございます!
日本独自に進化してきた今までのホラー作品は、貞子とか呪怨とか、海外に出しても恥ずかしくない良作が多かったですが、最近のホラー作品は今までの作品に追随しないで独自の路線を極めようと頑張ったものの、ボタンの掛け違いで滑りまくった作品が頻発していますね。
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