雪風 YUKIKAZEのレビュー・感想・評価
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生きて帰って手紙を書くという言葉には、戦争を語る上で大事なものが宿っている
2025.8.15 MOVIX京都
2025年の日本映画(120分、G)
駆逐艦「雪風」の大戦後期の活躍を描いた戦争映画
監督は山田敏久
脚本は長谷川康夫&飯田健三郎
物語は、1970年の大阪万博の映像とともに、雪風の水雷員だった井上壮太(奥平大兼)のモノローグが重なって始まる
井上は「寺澤艦長(竹野内豊)と先任伍長の早瀬(玉木宏)に伝えたいことがあります」と語り、映像は1942年6月に日本海軍がミッドウェー海戦にて敗北した事実を伝えていく
その後、井上が乗っていた艦は被弾し、雪風に救われることになった
気を失いそうになる井上に対して喝を入れた人物、それが早瀬であり、井上にとって彼は命の恩人となっていた
その後、井上は雪風の水雷員となり、早瀬たちと任務を果たす間柄へと成長していった
映画は、主に1943年頃からの雪風を描き、井上とほぼ同時期に寺澤が艦長に就任する様子を描いていく
そこから大戦末期の戦闘が描かれ、主にマリアナ沖海戦、レイテ海戦などが描かれ、最後は「大和」を見届けるところまで描かれていく
基本的に史実ベースのフィクションとして展開されていて、その但し書きが映画の最後に示されるという演出になっていた
日本軍の上層部などは実名で登場するが、雪風乗務員はほぼ全員が架空の人物となっていて、実在した人々をモデルにしているとされている
このあたりは寺澤艦長のモデルは誰なのかといった考察ブログなどが多数存在するので、それを参考にされた方が早いと思う
映画は、戦後80年の節目の終戦の日に公開されるという念の入れようで、そのメッセージは「戦争中でも国を次世代に託そうとする決断」というものが描かれていく
大和が一億総特攻の魁となるシーンがあり、ここでは帝国海軍の司令官・伊藤整一(中井貴一)が登場し、大和の艦長・有賀幸作(田中美央)と将来のために策を講じた様子が描かれる
さらに、寺澤と早瀬が艦長室で語るシーンなどに反戦的なメッセージがたくさん散りばめられている
物語としてはあまり起伏のない作品で、戦闘シーンも控えめとなっていて、当時の日本の状況とその戦時下における市井の人々の声、軍人としての声などが描かれていく
日本全土が焦土となるまで終わらないのではと危惧する人もいるし、それを肯定も否定もしないように感じる
とは言え、雪風が生還したのにも関わらず、広島と長崎に原爆が落とされたことには言及しないので、早瀬の妹・サキ(當間あみ)がどのようにして亡くなったのかの言及もない
早瀬の方が先に殉職しているのでスルーされがちだが、寺澤や他の乗組員たちは早瀬の故郷のことなども知っているので、言及がないまま終わるのは不自然のように思えた
その他にも「特攻」とされた零戦の出撃なども描かれるが、飛び立ってから「実はあれはそうだった」と解説するものの、特攻の映像などは描かれないし、いろんな艦船が沈んではいるものの、その沈没シーンは大和ですら描かれない
このあたりにメッセージ性はわかるが戦争の悲惨さはあまり伝わらないという印象が残った
戦争は始めてしまえば終われないというセリフがあるように、そこに至らないことが重要なのだが、そのために描く内容が乗務員たちの友情とか人間関係、上層部の現場を無視した決断というのは微妙だと思う
誰かが始めたものであっても、個々は国の将来のために何を考えて行動するのか、という部分が強調されていて、そのために雪風がどういった存在だったのか、というのは置き去りにされているように思えた
そもそも駆逐艦として出撃しているのだが、映画では救護船の扱いになっているのが微妙で、雪風の戦果というものは映画内ではほとんどわからない
なので、映画だけを観ると、戦闘で負傷した兵士を引き上げるだけの仕事をしているように見えるので、それで雪風の魅力や実力を描けているとは言えないのだろう
いずれにせよ、若い世代に向けて戦争はダメだよねということを伝えるのも大事なのだが、根っこの部分においては「あの時の決断が今の日本を作っている」という事実をもっと打ち出した方が良かったと思う
雪風が助けた人が戦争を生き延びて子孫を残しているし、伊藤の決断によって、若い人たちが戦死を逃れていた事実がある
そう言った「避けられなかった結末」に対してでも、国の将来のために決断と実行をしてきたということが大事なので、その連鎖が巡って今の国民がいるという事実にクローズアップした方が良いと思う
これは、日本人ならば誰しもが覚えておくことであって、自分が生まれるまでの歴史において、奇跡的に繋がっている命というものが今の自分を存在させているし、生かしているということを忘れてはならない
そう言った側面を考えると、1人残らずに救助をしてきた雪風が救った命が、今の国民にどれだけ波及しているとか、伊藤の決断によって生かされた命がどのように繋がって今の日本を構成しているかをわかりやすく見せた方が良かったのではないだろうか
うんまあ
先行舞台挨拶で見ました。
竹野内豊さん、男から見ても憧れます。
映画はまあ、そのあと雪風を調べたりするいいきっかけにはなったかな。
艦長は実在しないので、複数の艦長の逸話をまとめた感じなのでしょうか。
舞台挨拶で言われていたように、こういった戦争映画で後世に伝えていくのは良いことだと思います。
ただいくつか気になる点もあったのは事実。
私が歳を取りすぎたせいかもしれません。
追記
なぜ1970年の大阪万博?という人が多いですけど、戦後復興を世界にアピールした万博ですよね。
加えて雪風は1970年か71年に解体完了。
そして今年に2度目の大阪万博。
特に個人的には違和感なかったです。
タイトルなし(ネタバレ)
「不沈艦」「幸運艦」と呼ばれた太平洋戦争の駆逐艦・雪風。
かつての乗員が、大阪万博開催の1970年に、乗船時を振り返る。
想いを届ける先は、専任伍長(玉木宏)、艦長(竹野内豊)・・・
といったところからはじまる物語。
艦隊作戦の先陣を切り、撃たれ産み逃げ出された乗員を救出することを任務とする駆逐艦。
幾度となく戦火を掻い潜り、「生き残ること」を主軸にした戦争映画。
テーマ的に、物語化するのが難しい題材だと思う。
難しいのは「戦う英雄譚」にも舵は切れないし、「反戦」「非戦」にも舵を切れないから。
それゆえ、竹野内豊演じる艦長(架空の人物)の人物設定が複雑になった。
その分、興味深くなったのだが。
玉木宏演じる先任伍長との対比が面白い。
映画としては、画面がせせこましい。
ほぼほぼバストアップショットで、登場人物の全身を写すフツショットは甲板上に限られている。
それ以上に引いた画は、CGでの戦闘場面と、予算的にかなり苦しい感じを醸し出している。
物語的には悪くないのだだけれど、戦争に対する怒りが希薄で、個人的には物足りなかったです。
終幕は、やや蛇足感あり。
上映後、拍手があったので、刺さるひとには刺さるでしょう。
手紙
戦後80年も近づいてきている中で、当時の時代背景を描いた作品が多く公開されており、今作は駆逐艦にフォーカスを当てた珍しい作品ということで気になっており、試写会にありがたいことに当選したので鑑賞。
人間ドラマを強く押し出した作品に仕上がっており、当時の雪風についての脚色はかなりされているようでしたが、人命救助をメインに動いていた船があったことに驚きましたし、基本的に良い人ばかり出てくるっていうのもとても好みで良かったです。
風向きを読んで相手方の攻撃への対処をする艦長や、行動が俊敏で頼もしい先任伍長、助けられた恩を返すためにやってきた水兵と、皆生き延びるために、そして助けるために懸命に動いているというのが伝わってきてとても誇らしい気持ちになりました。
国を救うための考えの相違でお偉い様方とぶつかるシーンはありつつも、国をなんとかして助けたい、戦争に勝ちたいと思う心があるからこその葛藤は胸が熱くなりました。
戦争映画なのに良い人たちばかりというのはめちゃくちゃ新鮮で、全員が前を向いて動いているのもとても好感が持てましたし、皆々様笑顔が綺麗なので観ていて気持ちが良かったです。
雪風がメインというのもあり、戦闘シーンはそこまで多くなく、基本的には防御のための攻撃メインなので銃撃戦はあるものの映像はそこまで変わらないので見応えは薄く、魚雷なんかも衝突のシーンをサクッと描かれるだけですし、敵の空中からの攻撃もなんだか流れ作業のような気がして物足りなかったです。
CGも海外の激ヤバ戦争ものを観ているので相対的にクオリティ高いじゃんと思ってしまうのですが、「ゴジラ-1.0.」とかと比べるとどうしても劣ってしまうなとは思ってしまいました。
万博開催が重なっているというのもあって、本作の始まりとエピローグで万博のシーンとモノローグが入るのですが、別にここはなくても良かったんじゃないかなとは思いました。
ただ当時の万博の映像を見てみると行ってみたいなぁと思ったのもまた事実です。
エンドロール後の演出はかなり好みが分かれそうだなと思いました。
意思を受け継いだであろう血縁の女性が台風で遭難している少年を助けるパートだったり、雪風の船上から観客サイドに話しかけてくる第四の壁を超えてくるパートがあったりと、堅実な作りだった雪風のパートとは打って変わって遊び心が出てしまっていたなと思いました。
こっちを応援してきた時はデップーじゃんってなりました笑
戦争というものがあった時代からどんどん遠ざかっていくなというのを強く感じるようになりましたが、こういった戦いとは別の面で戦争に挑んでいた人々もいたんだなと知るきっかけになってとても良かったです。
雪風についても詳しく調べたいなと思いました。
鑑賞日 8/7
鑑賞時間 18:30〜20:30
テーマをもっと絞り込んだほうがよかったのでは?
試写会で観てきました。
ちょっと辛口の評価なんですが、2時間の枠の中であれもこれも詰め込みすぎて、結果どのテーマも上っ面を撫でたような仕上がりになってしまった感が強いですね。
主軸を雪風という船の生涯としたかったのか、館長視点の物語にしたかったのか、先任伍長視点にしたかったのか、とにかく話があちこちに飛んでしまい、余韻が楽しめません。
あと、やはり予算が足りなかったのか、戦闘シーンが少なめ。対空攻撃のシーンも同じ様なシーンばかり。
演技が上手い役者さんが多数出ているが故に、余計演出面の問題が浮き出ている作品だと感じました。
んなもんだろう。
まぁ、実話を元にしたフィクションだから細かい事気にしたら山ほどあるだろうけど(^^;;
概ね、良かったと思う。
ただ戦後のパートは余計かな。最後、護衛艦バックに空にズームして、エンディングで曲入れて、タイトロールの横で日常生活、ベタだけど、が良かったなあ。
艦長の娘さんが海自に入って台風での人命救助はいらんな。
でも彼女を出す為のワンシーンなら仕方ないか(^◇^;)
厳しい意見が多いようですね。納得できる部分もありますが
舞台挨拶つき先行上映にて。
確かに突っ込みどころは結構あったかなあ。
妹の手紙が現代っ子過ぎたり、あんなに攻撃受けてるんだから早瀬伍長以外も亡くなっているだろとか、大和に敬礼していたけど今そんなことやってたら危なくないか?とか。
まあ、これを基に雪風や当時の情勢を若い人が調べるきっかけになれば・・・と。
戦争映画や戦艦マニアでもないので、まあまあ個人的にはそこまで酷評って感じではなかったです。
試写で見たけど……プロパガンダにしてもどうかと……
終戦時期あるあるのおためごかし。
海軍式制裁すら描けないなら、そもそも海軍を映画にしようとするな。
とりあえず今覚えてる問題点
・1970大阪万博の映像差し込んで、登場人物が雪風艦長に雪風の最期を語っている……かのような演出で始まるが、寺澤のモデルになった寺内艦長は1978年没なので雪風の解体も当然知ってる。
・雪風を大破解体ではなく、沈みましたと明言。現実では台風で大破し解体しただけなので沈んでない。不沈艦への冒涜。
・ミッドウェイで三隈の生存者救助を、本来関わってない雪風だけがやっていたような演出。史実では随伴していた朝潮と荒潮が担当。
・赤城と加賀がほぼ隣り合わせで燃えてる。そんな近かったらぶつかるわ。
・CG予算がないのか、戦艦や空母や巡洋艦達の沈没が報告書読み上げだけで語られる演出。
・艦長に楯突くもお咎めなしの先任伍長。最低でも鉄拳制裁の後営倉行き、悪ければ軍法会議。こんな艦で戦えるわけが無い。現代的価値観を持ち出すな。
・意味もなく出てくる先任伍長の妹。女の子出しとけば泣けるやろ演出サムい。
・特攻は人道に反するという話を、出現中の艦内で突然語り出す雪風艦長と先任伍長。現代的価値観を持ち出すな(二度目)。
・戦闘機の機銃掃射を受けて腕だけ取れて死ぬ先任伍長。チタン合金で出来てんのかこいつの体。
・それ以外ほぼ死体の映る場面なし。誰も死んでない雪風。
・和気あいあいと常に笑顔溢れる、仲間割れも制裁も皆無な駆逐艦内。ボーイスカウトかな?
・集まって燃えてる西村艦隊。ボーイスカウトなだけにキャンプファイヤーかよ。艦隊作戦どうなってるの?
・一度この反転し(史実)、そのまま再反転しないで消えていく栗田艦隊。栗田ターンって更に悪化出来るんだ……。
・レイテで雪風の魚雷に大破させられる護衛空母。(恐らく沖縄戦でのバンカーヒルのオマージュだけどそれをやったのは特攻隊)
・戦果がないかのように無駄として書かれる特攻隊。もちろん史実では多少の戦果を上げている。
・横転せず、艦橋付近が爆発して吹っ飛ぶ戦艦大和。何が爆発したの?
・先任伍長以外誰も死んでないかの様な演出してんのに、「戦後の君たちへ」のメッセージを語り出す雪風乗組員。お前らも戦後生きてるだろ。
サムい演出と、現代的価値観の押し付けと、和気あいあいボーイスカウトななんちゃってコスプレ海軍ごっこだった。
試写会でよかった。タダだからね。
正直この演出が、表現規制と自粛に凝り固まった現代の限界なんだろうね。
だったらもう無理して作らない方がいいと思う。
映画的演出は理解するけど、ここまで酷い史実のねじ曲げは、英霊達への冒涜に他ならないと思う。
だって、歴史というのは、生きていた誰かの人生なのだから。
良かった点?
犬と猫は可愛かった。
自衛隊全面協力のリアルな護衛艦ストーリー
ムービーウォーカー様より最新映画 雪風YUKIKAZE 特別試写会に招待いただき先行鑑賞しました
主題歌やキャストも公開前から話題作
楽しみにしていました
壮大なスケールで描かれる史実に基づいた最大級の感動巨編
メガホンを撮ったのは
「空母いぶき」で助監督を務めた山田敏久監督
主演は竹内豊さん
他豪華キャスティング
主題歌はUru
ザ・日本の歴史映画という古き良き作風
堅実で安定感のある作品
当時の映像や写真などモノクロ写真がリアルさを感じます
日本の戦争映画というと、悲惨な戦況や死にゆく兵たちの姿をドラマチックに盛り上げる悲劇的な作りが多い中、この作品は 戦争映画でありつつも戦闘シーンなどの描写もないから比較的鑑賞しやすい
当時の写真などドキュメンタリー描写もあって
戦争映画の堅実で深く重みのある内容だけど
戦争映画の血生臭感はない、ヒューマンストーリーさが際立ちました
護衛としての役目を果たす駆逐艦「雪風」
最後まで救い出す彼らの生き様を雪風隊員目線で描かれています
戦時中日本の様子を実直に描かれた作品でした
Uruの主題歌も良かったです
駆逐艦雪風知ってればですが
戦争の頃の歴史を多少知ってれば楽しめますが
なんか脚本は何とかならなかったのかなと着色とか尾ヒレは必要ですが
ハズレてるかな残念
最後は口あんぐりになりました正直余計な尾ヒレが残念でした
「監督〜脚本家〜俺は観てるぞ〜〜頼むぞ〜」
なんじゃこれ!
宣伝をみて、戦後生き抜いてきた母がどうしても見たいというので、他の方の酷評内容を知りながらも鑑賞。結果、これは、、、酷すぎた!
どのシーンも戦う場面なく、表情アップか上半身のみが映って、おそらく戦闘しているであろう場面を表情と部下の報告で把握しなければならないシュールな内容!笑 チープでした。
海上の話なのに、撮影場所は海じゃないでしょ〜とツッコミ満載の緩やかな波打ち。そして一切映らないリアルな航海、人を助ける話が海で溺れている人は映らないというところからプールだよね!!!って突っ込みたくなる場面。
攻撃シーンは、かなりの合成。ある人が死んじゃって、戦場で死んだ人はタンカーに乗せて海に流すらしいんだけど、え?イカダ船じゃないよね?戦艦だよね?どこから落としてんの?って感じで、海に流した?落とした?音が
ポチャッ〜。浮いているじゃないか!笑
とにかく、人の悩んでる顔か上半身しか映ってませんので、人の顔と会話で何が起きているかを聞くしかないトンチキ映画でした。母親も、なにこれ?なんの映画か分からないと、ふて寝してました。
一番演出がさぶすぎたのは最後のシーン。映画のメンバーから現代の私たちに語りかけているだろうシーンがありますが、わざとらしく、さぶい演出としか思えず。なにをテーマにしているのか一切読み取れません。
いえ、ストーリーが頭に入りませんでした。
あの時代を伝えたいのであれば、コンプラなんて考えず描写したら良いのになー
出来る…出来ない、を超えて、やらざるを得ない悲壮感。
戦後教育や戦後社会の醸成の賜物により、戦前・戦中に比べ、相当軟弱千万となった我々…日本人。
にも関わらず、
未だに我々日本人を奇異の目で見て、オンリーワンとか云ってホメてんだか貶してんだか分からない連中がいる。
今だって、ココが変だよ!日本人な状況だとしたら、
当時、日本と対峙していた連合国側は、我々を相当ヤベー連中だと、恐れ慄いていかもしれないね。
自分達ならもう白旗をとっくに揚げてる状況なのに、叩いても叩いても反発してくるし、
それこそ…特攻や玉砕って云う十死零生な戦術とは到底云えない戦法を平然を装ってやってくる。
平気の平左で淡々とやってくるなら、単に狂ってるからとっちめて狩り尽くそう…ってなるだろうけど、
なまじ平気じゃないのを分かってて、断行してくるから…余計に恐かったんじゃねぇかな。
理性がチラ見してる狂気ほど、端から見て怖ろしいモンは無い。
ましてや、完膚無き迄にフルボッコにして、狂気の沙汰としか思えない新型爆弾を2発も落として、、他国なら遺恨と禍根で、到底分かり合える事など無いまま…永きに渡る冷戦状態と為っても可笑しくないのに、
今じゃシレっと同盟国。
多少…不気味に思われても仕方無いのかなぁ。
日本の常識は、世界の非常識…?
知るか!ほっといてくれ…。
一つくらいは引き上げて
やたら主張するローマ字の「YUKIKAZE」に、HPのIntroductionで長々と書かれた役者紹介…
嫌な予感はやっぱり当たるもんですね。
救助の様子から寺澤の着任、そこから戦局を解説しながら雪風の行方を追う流れ。
しかしこれは一体何を描きたかったのか。
戦争の悲惨さも、雪風や寺澤の活躍も、乗員同士の絆も、家族愛も、どれ一つ伝わってこない。
まず全体として緊迫感を感じない。
寺澤が機転をきかせるシーンもあるが、内容も描写も地味。
終盤に井上が早瀬の意志を継ぐような演出があったが、そこの関係性すら薄すぎて…
田中麗奈や當真あみは主要キャラの背景としての役割しかなく、そこへの寺澤らの心情も不足。
『ディア・ファミリー』に続いて感動のオチ要員でスベらされる有村架純が不憫。
最後、主題歌をバックに知らない記憶をいっぱい見せられて笑った。(本編で見せてくれ)
竹野内豊は滲み出る人柄こそ役に合っているが、台詞回しと滑舌が残念のひと言。
玉木宏か奥平大兼を主役にして、この2人の関係性を主軸にした方がよかったんじゃないかな。
名前のテロップをやたら出すけど、意味のあるキャラのはほぼいない。
同期の写真など意味深な台詞や描写はあるが、まったく掘られずメインも立たず。
実話でもないのに話に起伏がなく、メッセージ性もエンタメ性も皆無。
出産や命に対してベラベラ台詞で語ったり、メタ的に観客へ呼びかける締め方には寒気がした。
「一人残らず引き上げろ」と繰り返す作品で、こんなに全ての要素を取り溢してるとは…
普通がいいな。←いやいや、ヤベーレベルだって!
戦後80年。年々戦争の記憶が遠退いていく。
終戦の年に生まれた人でさえ80歳。つまり、戦時下を体験した人は80歳以上、戦争をしかと覚えているとなると90歳以上にもなり、実際に戦地へ行った人は95歳~100歳、それ以上にもなる。
日本は超高齢化社会でその人数も世界中と比較して多いが、戦争を覚えている/伝えるという観点からすれば限られてくる。
いつからか。“戦争を知らない世代”なんて言葉が言われるようになったのは。
その当時は比喩だったかもしれないが、今はもう本当にその言葉通り。
8月15日に何があったか知らない。8月6日や8月9日に何があったか知らない。そもそも日本が昔、戦争をしていた事を知らない世代も。
これって真に警鐘を鳴らすべき事だと思う。
近い将来戦争を知る世代が皆いなくなり、日本が戦争を知らない世代だけになった時、戦争をTVやスマホのニュースのみの遠い他国の事と無関心。戦争をリアルサバイバルゲームでしか知らず、そういった感覚で再び口火を…。
突飛な考え過ぎかもしれないが、私は本当に危惧している。だって戦争なんていつの世も、愚かな理由で始まるものだから。
だからこそ毎夏、戦争を振り返る事は大事である。
毎年毎年耳にタコ…なんて事はない。うんざりするほどうんざりするほど、耳や頭や心に留めて置かなければならない。
映画でそれを伝えていくのも映画が存在する意義の一つだ。
全く知らない戦争の姿=恐ろしさ、悲惨さを、フィクションながらも映像として見る/知る事が出来る。
節目の年には特に多く戦争題材の映画が作られるが、今年も例外になく。
駆逐艦“雪風”。
数々の激戦をくぐり抜け、大和や他の戦艦は沈んだが、雪風は終戦まで沈まず、“不沈艦”や“幸運艦”とも。
戦後は“復員輸送船”として兵を故郷に送り届け、1969年に台風被害で破損するまで使命を全うした。
何度か映画の題材にも。近年だとあのゴジラ相手に闘ったと言えば分かる人も多いだろう。(雪風繋がりで田中美央がまたまた乗艦)
新艦長、先任伍長、若い水雷兵を主軸に、彼らがどんな思いで雪風に乗り、何の為に闘ったか。
VFXを駆使した戦闘シーンもあり、スケールなど今夏の戦争題材の映画の中でも一番の大作であろう。
しかし残念ながら、名作にはなれず沈んでしまった。
作風としては真摯な作り。それ故、演出も脚本も演技も良く言えば正攻法、悪く言えば教科書通りのステレオタイプで特別秀でたものがない。
雪風が出撃した幾多の戦闘も順を追って紹介しているが、ダイジェスト的。ドラマやエピソードに深みは無く薄っぺらく、戦闘シーンですら短く、迫力や緊迫感に欠ける。
その戦闘シーンもVFXの粗さは元より、似たような描写ばかり続き、創意工夫ナシ。『男たちの大和』のような迫力もナシ。
一応雪風にフォーカスしているが、そこまで主軸って訳でもなく、何を焦点にしたいのかボヤけてもいる。
軍の無謀な作戦に異を唱える士官たち。当時軍人が上からの命令に逆らう事などあり得なかったので、こんな描写はあり得ない。戦地に赴く軍人たちの訴えを聞き入れ、作戦内容を変える軍上層部もあり得ない。
武士道精神を持った艦長、艦長と先任伍長が家族やこの国の“普通”の未来を思う。悪くはない描写もある。
が、若い兵たちが敵国の凄さについて話が盛り上がったり、お決まりのような仲間の死。これまたあり得ない描写や泣きを強要するような悲劇を挿入。
他にも細かく言うとあの時代なのに若い兵たちが短髪じゃないなど、作風は真摯なのに、リアリティーなどに本気度を感じられず。
竹野内豊、玉木宏、奥平大兼らの熱演も空回り。
要はこれは、お国の為に闘った崇高な軍人を称えるプロパガンダ映画。
ラストシーン、雪風乗組員たちが今の日本へ、「見てるからな~!」「頼んだぞ~!」と声高らかにメッセージして、チープな演出にドン引き…。
“今の日本”も何故に最初の大阪万博が開催された1970年代…? 回想ナレーションで済ませるなら現大阪万博の現代でも良かった筈。じゃないと今を生きる我々にイマイチ響かない。
これ、私が苦手なタイプの戦争映画。前にも何かのレビューで書いたが、今戦争映画を作る意味は反戦映画である事。兵たちの友情や迫力の戦闘シーンなど要らない。そんなの、戦勝国であるアメリカが余裕ぶっこいてやるやつ。
一般人目線で、戦争によって大切な人や自由が奪われていく。戦争の悲惨さ、憤り、愚かさを訴える反戦映画でなければ、今日本が戦争映画を作る意味はない。一般人目線は當真あみちゃんが請け負うが、あれだけ…? 戦時下の苦しさも感じられない。
一応言いたい事、訴えたい事は分かるが…、
見るもの、魅せるものに欠けた。
まさか今の時代にこんなの作るとは…。
節目の80年にあまりにもお粗末な、戦争賛美に捉えかねない時代錯誤作。
普通がいいな。←いやいや、ヤベーレベルだって!
「マヌケ」のフネ『YUKIKAZE』
この作品は、史実がどうとか映像がどうとか言う作品ではなく、あくまでもフィクションで、駆逐艦はただの舞台装置である。
ヒューマンドラマがメインというのは理解できるのだが、それにしても「まぬけ」に描かれている
戦闘シーンは引きの映像が無く、何をしているのかわからない。誰か、図で解説して欲しい。
そんな作品なので間違っていることもあるし、記憶違いがあるかも知れないが、気になったことを書く。
・護衛していた輸送船が敵から雷撃を受けた後のシーンで、雪風は敵の潜水艦を追いかけ、爆雷を投下するのだが外してしまう。
問題はこの後で雪風は、敵から魚雷を撃たれ回避行動を取る。その後、ソナー手と思われる人物が敵の潜水艦は作戦海域を離脱しましたと報告し、戦闘が終了する。
作戦海域から離れたからと言って、ゲーム等でば無いのだから、戦闘が終了するわけでは無いはずでしょう。
好意的に受け入れば、護衛すべき船団と離れすぎたから、潜水艦を追うのを止めたのだろうか。
それにソナー手がそこまで敵の潜水艦の位置を補足しているのに、敵の潜水艦が魚雷を撃てるだけの距離で、明後日の方向に爆雷を投下しているのが「まぬけ」である。
爆雷を外すシーンってのは珍しくないが、いくらでも他の描き方ができたはずである。
ここのシーンは、詳しくない人が見ても、艦長は周囲の人達に、速力が出ませんと反対されているのにも関わらず、
敵の潜水艦を取り逃がすどころか、自船を危険に晒した「まぬけ」なシーンに映るだけでこの場面は必要だったのでしょうか?
・雪風は通信機を破壊され、他の船と連絡ができない為に孤立してしまうシーンは、そもそも雪風が後続艦に通信ができない事を伝えればいいだけなのに、
艦長達は通信機が使えない事を知ってるにも関わらず、何もしないのである。他船との連絡手段は他にもある。信号旗を使う方法や手旗信号など。
そもそもこの映画の再序盤に、発光信号器を使っていたというのに使わないのである。それは余りにも「まぬけ」である。
それに晴れた昼間で、先頭を進んでいたからと言って、味方の大艦隊が完全にいなくなるまで、本来であれば、二百人余り乗っているはずの乗員達が誰も気づかない。何をしていたのかと疑問に思う「まぬけ」なシーンであった。
さらには、レーダーで敵を発見したしましたと報告を受けて、双眼鏡を覗くとなんと上から下までクッキリ見える空母の姿が見える。晴れた昼間にも関わらず、見張り員はどこを見ていたのでしょうか。
『YUKIKAZE』には実は、十数人しか乗員していなかったという設定なのかも知れないが、なんともお粗末な「まぬけ」である。
・敵の駆逐艦?をたった一発で沈めた後、何故か艦長は回頭させるのを拒否して、真っ直ぐ敵へと突っ込んでいく。
理由は魚雷攻撃を受けるというものだった。記憶が定かではないが、たしか敵に砲撃を受けていたはずである。
にも拘わらず、艦長以下気にするのは敵の魚雷だけ。描写が一切無いのでわからないが、敵との距離は近づいていくはずである。そうなると、砲撃が命中しやすくなるであろうに、魚雷が恐くて回頭できないというのはお「まぬけ」な理由だった。
・不発弾を処理するシーンでは、艦長が男気を見せて現場から避難しないのであるが、他の
人物達も雁首を揃えて見守っているのである。
せめて艦長と責任者の数名だけ残っていれば、いつ爆発するかもしれないという緊張感が増したであろうに。
それにせっかく5分をカウントするのに、一瞬で時間が過ぎてしまう。まさしく「間が抜けて」しまっている。
雪風は台風で沈没したとナレーションで言われていたが、本来であれば台風で損傷した為に解体されたはずである。
なんとも、演出でも脚本でも「まぬけ」である。
こんな「まぬけ」な船でも生き残れたのだから『YUKIKAZE』は幸運艦であるというのだけは、誰の目から見ても疑いよう無いであろう。
戦闘シーンを描かないのか、それとも描けないのかは知らないが。有能な人物達を「まぬけ」にするなら、「雪風」である必要では無かったはずである。
あくまでも丹陽のシーンもほぼ無いなら、その全てが架空の船「弱風」という設定で、救助シーンだけで映画を作ればいいのにと思わずにはいられない。
興業としてネームバリューのある「雪風」が必要だったのかもしれない。だとしたら一番の大「マヌケ」はそれに釣られて見に来る人達だろうか。
最後にこの作品は、『戦後80年』を強調していた。この『戦後80年』は、残念ながら元乗員の方々のほとんどが亡くられてしまっている。なので、好き放題描いても、元文句を言われはしない。『戦後80年』というのはそんな意味なのであろうか?
雪風のことはまったく知りませんでした‼️
この作品はヒドい‼️こんなに嘘臭くて、薄っぺらい戦争映画は久しぶりに劇場で観ました‼️今作には理想的で、崇高な軍人さんがたくさん登場します‼️これまでの帝国主義、軍国主義を絵に描いたような横暴な軍人は全く登場しません‼️そんな素晴らしい軍人さん達が日本国のため、一人でも多くの若者を助けるため奮闘する‼️時代は44〜45年で、日本としては追いつめられ、軍艦や戦闘機、食料に至るまで不足し、肉体的にも精神的にも逼迫していた時代にしては雪風の乗員たちには悲壮感のかけらも感じられない‼️食事の席で「丹下左膳もう一回観たかったなぁ」とか「俺は愛染つら」、「俺は駅馬車。ジョン・ウェインのアクションスゴかった。あんな国と戦争してるんだなぁ」とか。敵国の映画をスゴいとか言ってたら、当時としては懲罰モノでしょう‼️この辺もリアリティがない‼️ちなみに小津安二郎監督は上海で「風と共に去りぬ」を観て、その国力の違いに驚愕したらしいです‼️そしてそんな素晴らしい軍人たちを演じる俳優陣の演技もなってない‼️竹之内さんにも軍人の威厳が全く感じられず、セリフもぎこちない‼️明らかにミスキャスト‼️玉木宏さんのキャラも深掘りされず、鑑賞後全く印象に残らない‼️中井貴一さんのまるでホラー映画のような顔色の悪さ‼️特攻を強要する軍の上層部に対して艦長たちが反論するのも本当かなぁと思ってしまう‼️とってつけたような主人公と同期の三人の絆も写真の描写だけなので、イマイチ胸に響かない‼️玉木さん扮する早瀬の妹の、兄の無事を祈る姿も、兄妹の絆を見せるシーンが全くないため、妹役の當真あみちゃんの無駄遣い‼️肝心の戦闘シーンも銀残しっぽい映像で雰囲気を出そうとしてるのはわかりますが、アメリカ軍の戦闘機も点々みたいな描写だし、戦艦が魚雷で撃沈されるシーンも上空からのごまかしショットに終始している‼️そして終戦後も雪風はほぼ無傷で残り、70年の大阪万博直前まで活躍してたらしい。この70年の万博を起点とした物語というのも今としては意味不明というか違和感がありますね‼️そして映画は雪風のおかげでたくさんの若者が死なずに済んで戦後日本の復興に貢献した、みたいなメッセージを高らかに謳い上げるわけですが、その象徴ともいえるシーンがラストに登場‼️死亡した早瀬も含めた雪風の乗員たちが勢揃い、観客席に向かって「見ているからなぁ」と全員で手を振る‼️もうホントに作り手側のセンスを疑う愚の極致とも言える最悪なシーン‼️呆れて笑いが止まりませんでした‼️この作品は第四の壁も超えるのか⁉️デッドプールじゃないんだから・・・‼️この作品もテーマとしては良いのかもしれません‼️あんな悲惨な時代にこんなにも崇高な軍人たちがいて、雪風という軍艦が素晴らしい活躍をした‼️そんな素晴らしい物語を監督の演出を始めとする製作陣たちの作劇と、役者たちの演技がダメにした‼️そんな映画ですね‼️
無理やり1人56した脚本
歴史は詳しくないので、そこは他の方にお任せするとして
戦後80年という大きな節目に公開した割には、随分とチャチなものだったなと
とにかく艦のCGがショボい。20年前の「男たちの大和」と同等か、下手するとそれより酷いんじゃないかと思う。2025年の映画としてはちょっと厳しいグラフィックだったなーと
それから、CGショボいくせに生々しいシーンだけ妙にリアルなのやめてほしい。生身の人間が航空機の機銃掃射を受けたらどうなるか?なんて映さなくても分かるんですよ。手足が吹っ飛ぶ系の描写に耐性ない自分にはかなり辛かったです。何でそういうところだけ妙に手が込んでるのか?
だいたい、戦闘が終わった後に、敵機が単独で雪風に機銃を撃ち込んでくるのが理解できない。戦略的に何の意味もないし、普通やるなら爆撃でしょ。主要キャラを無理やり56したかっただけとしか思えない脚本ですね。
あとこのシーンで言うと、仲間がやられたのに他の乗組員は「あっ、これダメなやつだ」って感じでまったく取り乱していないのも違和感あった。何でそんなに冷静なの?で水葬の時に無理やり泣いてたって感じ。これでは視聴者は感情移入できないよ
プロモーションなどもかなり気合いが入っていた本作だが、蓋を開けてみれば「なんじゃこりゃ」って感想しか出てこない残念な作品だった
海戦もの、伝記もの(名前が寺内正道さんでは無い)、海難救助もの、…どれも中途半端で、何とか取り繕った様に感じた🌊
マリアナ沖海戦、レイテ沖海戦、栗田ターン、坊ノ岬沖海戦が描かれている(みたい)ですが、戦場を俯瞰で映す事は無く、どの戦闘も操舵室の号令シーンと対空砲の稼働を観ているだけで、艦隊戦を観たい方にはお勧めできません。戦況は若者のナレーションで説明します(中井貴一さんがいるなら、中井さんのナレーションの方が良い気がします)。かと言って海難救助ものかと言えば、徹底して描く訳でも無く違いますし、中途半端な印象です。台詞の「ミッドウェイ」のイントネーションが違う気がします。艦長がハッチから顔を出して、目視と三角定規で爆撃位置を予測して、操舵者を蹴って回避を続ける有名なエピソードは、台詞で説明するだけで神憑りに避けていく様を映像で観せる事は諦めた感じでした。他の艦の乗組員が雪風の塗装を剥がして、お守りとして持ち帰ったエピソードはありません。海難救助映画でも無いので、終盤の現代パートは蛇足に感じました。歌をフルで流してから波音のエンドロールを流しますが、歌の時にエンドロールを流して欲しいですし、ダラダラとして余韻も何も無いので苛つきました。竹野内さんより玉木さんの方が人間味のある話し方なので、今回は玉木さんを艦長にして救助しまくる映画の方が個性が出た気がします。戦争の悲惨さも特に感じず、昨今の政治経済を反映した映画だと思いました。良かったシーンは特攻機に向かって頼んだぞーと手を振るシーンと、あと當真あみさんが可愛かった事です。あまりにつまらないのですが、もしかしたらADの山田さんに押し付けて、本来の監督は逃亡したのではないでしょうか。主人公の名前は寺内正道さんのはずですし、所謂アラン・スミシー作品的な産廃だと思いますので、鑑賞はお勧めできません。
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