雪風 YUKIKAZEのレビュー・感想・評価
全281件中、61~80件目を表示
連合艦隊の最後
海軍記者として活躍された伊藤正徳氏は著書「連合艦隊の最後」の冒頭「250余隻、百六万トンの連合艦隊が出撃し、戦い終わるや、戦艦0、重巡0、小型空母1,軽巡3,潜母1,特務2,駆逐艦30,潜水艦12,合計49隻しか残っていなかったという惨敗を、開戦の前後に何人が予想したであろうか」と述べている。
明治維新後必死に欧米先進国の後を追い、維新から70年後には大和、武蔵という約7万トン級の世界最強の軍艦を有する連合艦隊を作り上げた大日本帝国。
本映画は駆逐艦「雪風」が参加したミッドウェー海戦、ソロモン海戦、マリアナ海戦、そして事実上連合艦隊の戦力が消滅したレイテ海戦、大和の海上特攻を描くことにより連合艦隊が失われていった歴史を描いている。
世界海戦史上空前絶後の大和の特攻作戦は伊藤整一第二艦隊司令長官が引き受けることになる。伊藤司令長官は駐米経験もある傑出した人物で大和の特攻には賛成ではなかったが、草鹿参謀長の「1億玉砕に先駆けて立派に死んでもらいたし」との最後通告を得て止む無く特攻作戦を率いる。(なお彼の息子も空の沖縄特攻で亡くなっている。)
明治維新以来血のにじむような努力で築いてきた大海軍は亡んだ。
しかし、戦後25年日本は力強い歩みを進めていることを示してこの映画は終わる。
雪風は日本を再建する次の世代の命を救ってきたのだった。
とても良かった。また観たいです。
戦争映画と言えば、何処まで忠実に史実に基づいて描かれているかとか特撮やCGなどの映像処理のクオリティはどうかとか目先の事を評価される方が少なくないと感じます。
勿論、それも大切な事ではあると思います。
ただ、最も大切な事は、純粋にそれを観てどう感じたかのか?という事ではないでしょうか?
第二次世界大戦末期の混乱の中で、雪風という駆逐艦が存在したという事実。艦長、先任伍長、を筆頭とした乗組員の思いと敵味方問わず救助活動を行ったという事実に、私は感銘を受けました。
命の重さはみんな同じです。混乱を極める状況の中でもそれを貫く意志の強さには頭が下がります。
「普通でいいな」と艦長が話した言葉は大切な事だと思います。争いの無い平和な世の中こそ目指す姿であり、今後もそうあらねばならない姿なのだと思います。
「普通である事の尊さ」に私達は気付かなければなりません。戦争を通して「普通である事の幸せ」をこの映画は気付かせてくれます。
再び同じ事が繰り返されない事を祈ります。
父母や祖父母世代への感謝の想いを再確認
賛否両論、個人的には良かった
戦争映画としては甘口だが、それが良い。しかし・・
これはなかなかの佳作。
ことさらに悲惨さを強調しないので、幅広い層に進められるお気楽寄りの戦争映画かと思います。登場人物もみんないい人。戦争の悲哀を残酷な描写ではなく、人それぞれの覚悟で表現しているところが素晴らしいと感じましたし、役者さんの演技もそれに相応しい見応えのあるものでした。
また、私個人が嫌いな「対空機銃を撃つとき、やたらワーギャー叫ぶ」という、生死かけて集中してる時、人はそうはならんやろ演出がなかったことにも救われました。
本当は★4~4.5でもよかったんですが、気になった点はCGシーンがまあまあ手抜きなこと。どうせ大和とほとんどモデリング変わらないんだから、シブヤン海でチラッと武蔵の大破等を映せばインパクト稼げるしもっと栗田艦隊のギリギリ具合が演出できたのに、と思うのと、大和の沈没(?)シーンは突っ込みどころあり過ぎで笑ってしまいました。
あと最大の減点は、「永遠のゼロ」よろしく、なぜ最近の邦画は最後にああいう台無しのメタなシーンを入れないと気が済まないのでしょうか?言いたいことはわかります。しかしあれは本編内の演出や台詞でメッセージ性を伝えるべきもの・表現すべきもので、ドラマ作りの手法としては失格の禁じ手です。
せっかく後の世代に繋がるきれいなオチがついていたのに、もったいないです。
とはいえ、多少なりとも家族的雰囲気といわれた駆逐艦勤務の話でしたので嫌な人間関係もなく、アマプラで公開されたら暇なときにもう一度くらいは見ようかな?という気くらいにはさせてくれる内容でした。
いい映画なのでぜひ1度見てほしい
観た方が良い映画とは思うが………
38隻をあった駆逐艦の内、たった一隻のみ太平洋戦争を生き残った「幸運艦」と呼ばれた「雪風」。子どもの頃は、旧日本海軍の艦船にかっこいいと思って、プラモデルを作って楽しみ、今も、艦船ゲームにはまっている。戦争映画を多数観てきて、今回も「木の上の軍隊」を観たあと、続けてこの映画を観ました。望まなくても、徴兵され、否応なく戦場に放り込まれる時代。その中でどう生きるのかが問われる。軍隊は命令が絶対で理不尽でも従わざるを得ない。それでも人間性を失わない生き方を可能な限り貫いたのが雪風の艦長以下の乗員だったのだと思った。戦後10、20年後の日本が普通がいいなと答えた艦長の返答が殺し合いのない平和な世の中の到来を願っていることがうかがわれる。映画としてみると、戦後は復員船として奮闘するシーンで終われば余韻を残して終わったと思う。その後の海上自衛隊の江田島の学校の遠景、艦長の娘が海上自衛官として、水難救助の場面、雪風艦上の乗員総出でのメッセージは蛇足としか思えない。海上自衛隊の協力とクレジットにあったからだと思うが戦争法制定強行以降、専守防衛の自衛隊から米軍の尖兵の役割を負わされている現状をみると艦長の意思を継いでいるとは思えない。残念なラストだったと思う。
雪風
●物語
第2次大戦下、マリアナ海域で旧日本軍が米軍に圧される海上戦が淡々と進む。フィクションを織り交ぜてあるが、戦況を荒々しく描くのではなく、海に投げ出された船員を救助する面に着目して描かれる視点が秀逸。大戦末期には軍部内でも進軍か撤退か分かれていた面が描かれる。
雪風艦長の「争いは始まってしまうと終わらない。」はどの国際関係にも共通する。
ミサイル砲撃を受ける中で冷静な判断を下す任務は、並々ならぬ覚悟が必要だ。
艦長が故郷に一時帰還した際に残した一言
「普通がいい」
戦争に明け暮れた軍人だからこそ重みがある。
●演出
わざわざ有村架純を無理やりチラッと起用する必要はない。
エンドロールのUruが歌う曲は、切なくも胸に刺さる声で、重厚な作品に最適だった。
雪風 YUKIKAZE
ただの戦争映画やなかった。 心にドスンと落ちてくる “生き様” やった。
この作品は、第二次世界大戦で“沈まなかった駆逐艦”として語り継がれる「雪風」の物語を描いた作品です。単なる戦争映画というよりも、そこに生きた人間の「覚悟」と「誇り」を真正面から描いていました。
映画の中で強く感じたのは、「生きることは責任」だということです。
仲間を思い、国を思い、最後まで信念を貫いた兵士たちの姿には、観ているこちらの胸が締めつけられるようでした。特に、戦闘で命を落としていく者たちの背中と、それを見送る仲間たちの表情には涙が止まりませんでした。
「雪風」はただ沈まなかった船ではなく、信念を曲げず走り抜いた象徴です。嵐に叩かれようと、仲間を失おうと、旗を掲げて最後まで進み続ける姿には、今を生きる自分たちにとって大切な“生き方のヒント”が込められていると思いました。
現代の私たちは銃を持って戦場に立つことはありません。
ですが、SNSの中で飛び交う誹謗中傷や情報に振り回される毎日、人間関係の中での孤独や裏切り──これも一つの「現代の戦い」だと思います。
だからこそ、この映画が伝えている「信じ抜く力」「自分を貫く心」「仲間と共に生きる誇り」は、決して過去の話ではなく、今に生きるテーマだと感じました。
また、この作品を通して改めて考えさせられたのが「平和とは何か」という問いです。
それは、争わないこと、人を憎まないこと、人を見下さないこと。
そして「愛」と「優しさ」を持って人と接すること。
「ありがとう」「大好きだよ」という何気ない言葉が、未来を変える一番の武器になるのだと強く思わされました。
戦争を直接知らない世代の自分にとって、「雪風」はただの歴史を学ぶ映画ではありませんでした。
これは“命の証”を感じ、未来への責任を背負うきっかけとなる映画です。
「同じ過ちを繰り返さないためにどう生きるのか」を真剣に考えさせられる一作でした。
雪風かっこよかった。普通に泣けるぜ。⚓️
酷評は行き過ぎ
全281件中、61~80件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。