「戦争映画としては甘口だが、それが良い。しかし・・」雪風 YUKIKAZE ひだしょーさんの映画レビュー(感想・評価)
戦争映画としては甘口だが、それが良い。しかし・・
これはなかなかの佳作。
ことさらに悲惨さを強調しないので、幅広い層に勧められるお気楽寄りの戦争映画かと思います。登場人物もみんないい人。戦争の悲哀を残酷な描写ではなく、人それぞれの覚悟で表現しているところが素晴らしいと感じましたし、役者さんの演技もそれに相応しい見応えのあるものでした。
また、私個人が「対空機銃を撃つとき、やたらワーギャー叫ぶ」という演出が嫌いなのですが(たぶん生死かけて銃を撃つとき、人は黙る・・と思うので)、それがなかったのは大変良かったです。邦画って、よく喚きますよね。安っぽくなるのでやめた方が・・。
順当にいけば★4でもよかったんですが、気になった点はCGシーンがまあまあ手抜きなこと。どうせ大和とほとんどモデリング変わらないんだから、シブヤン海でチラッとでも武蔵大破の場面でも作ればインパクト稼げるし、もっと栗田艦隊のギリギリ判断の肉付けになったのに、と思うのと、大和の沈没(?)シーンは突っ込みどころあり過ぎで笑いが。
あと、我らが先任を撃った野良戦闘機は、あのタイミングでどっから湧いた?
そして最大の減点は、「永遠のゼロ」よろしく、最後にああいう台無しメタシーンを入れないと気が済まない症候群ですね。言いたいことはわかります。しかしあれは本編内の演出や台詞に乗せてメッセージ性を伝えるべきもの・表現すべきもので、ドラマ作りの手法としては恥じるべき禁じ手でしょう。見てる方もちょっと恥ずかしくなりますよね。
せっかく後の世代に繋がるきれいなオチがついていたのに、もったいないです。
とはいえ、多少なりとも家族的雰囲気といわれた駆逐艦勤務の話でしたので、ギスギスした嫌な人間関係を見せられる事もなく、アマプラで公開されたら暇なときにもう一度は見ようかな?という気にはさせてくれる映画でした。
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