劇場公開日 2025年8月15日

「「映画ならではの映像体験」は不足かも。が…」雪風 YUKIKAZE なまものさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 「映画ならではの映像体験」は不足かも。が…

2025年8月20日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

観やすい戦争映画という印象です。

その分、リアルさや映像自体の迫力には欠けるので、そういった物を期待すると肩透かしを喰らうかも。

俳優さんは上手い人ばかりですし、会話の間の取り方も良いのでストレスはありません。
しかし、戦闘描写は迫力や緊張感不足なのでメリハリが無く、やや間延びした印象。
この辺りは予算や技術力の問題かな…。

戦闘シーンの描写力不足は、テーマである「生きて帰る、生きて帰す」のメッセージ性不足にも影響しており、戦場から生きて帰る事の難しさ、生きて帰れない人々の多さ等の表現が少ないので、テーマの重みが伝わりづらくなっています。
雪風にフォーカスしすぎて、他の艦のシーンが少ないせいだと思うのですが、これも予算の問題な気がしますね。

これに関しては、史実に詳しい人(映画内で描写されなくても戦闘状況がイメージできる人)の方が楽しめるかもしれません。

とはいえ、リアルに寄せすぎて生々しい描写が増えると観れない人も出てきますので、戦争を知る入口としては良さそうです。
(「火垂るの墓」でも怖くて二度と観ないって言う人もおり、どんなに戦争の現実を克明に描いたところで、観てもらえなければ意味がありませんので)

戦後80年の年に、このような観やすい戦争映画が公開されたことは意義があると思いますし、携わった方々に感謝したいですね。
これを機に、戦争について考える人が増えてくれる事を願います。

なまもの