「見やすい反戦映画」雪風 YUKIKAZE あきさんの映画レビュー(感想・評価)
見やすい反戦映画
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ツッコミどころは多いけど戦後80年の節目に10〜20代が戦争の愚かさを知るためには程良い映画だったと思う。残念ながら観に来てた年齢層は高めだったけど。本当ならもっと上下関係は厳しく、盲目的に日本の勝利を信じる兵士がいたり、死傷者がいてもおかしくない。でもそういう目を背けたくなる要素をできる限り排除して、あの戦争がいかに愚かだったかをわかりやすくしている。もう少しやりすぎたらプロパガンダ映画だったかも。
ミッドウェイ海戦とかレイテ沖海戦とか、それが戦局にどう影響したかはわかりやすかった。そして司令部が立てる作戦が愚かで無謀なことも理解できて腹立たしかった。一億総玉砕とか特攻とかそんな作戦とも呼べない捨て身の作戦でどうする気だったのか。暴挙としか言いようがない。
中井貴一の伊藤艦長が死地へ向かうことを受け入れるシーンは悔しいけど恰好良かった。でも唐突な登場が残念。もっと序盤から居るべきキャストだし、もうちょっとその生き様を見せて欲しかったな。玉木宏の早瀬先任伍長が死ぬシーンもそれが戦争の現実ではあるんだろうけどあっさりだし、この艦はほかに戦死者いなかったのか?まるで先任伍長だけが亡くなったかのようで不自然に思う。竹野内豊の寺澤艦長も武士道を貫き常に冷静沈着な海軍将校として素晴らしいけど最期はそれで良いのか?というか死なせないといけないキャラだった?一番要らないと思ったのは最後のシーン。雪風の乗組員全員からの呼びかけは最もこの映画で伝えたいメッセージではあったと思うが蛇足のように思えて冷めた。
反戦映画としては見やすいし満足度は高いけど戦争映画としては物足りなさを感じた。
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