「司法のバグ」陪審員2番 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
司法のバグ
「正義(正しいこと)とは何か?」を観客に突きつけ、非常に丁寧に作られた、イーストウッド監督らしい見応えたっぷりのシリアスな法廷劇。
正義が不確かなこの時代。
思い付きで政治も経済も破壊しまくる大統領がいる時代には刺さる内容。
奇をてらってない。
天秤の傾きのイメージシーンなど、オーソドックスな演出。
ああ古臭いかもな、とさんざん油断させておいて、ラストには驚かされました。
そして司法って「事実」を基に「善意」と「誠実さ」で成り立つもので、「悪意」に弱く、また事実というのも「恣意的誘導」「不確かな記憶でも断言してしまう人」「信じたいことだけ信じる人間」によって歪められやすい、そんなシステム的なバグを抱えているんだ!
という指摘と、批判の精神が込められているようにも思えました。
これって、日本の冤罪事件などにも通じるなぁとしみじみ。
配信&ビデオ(Blu-ray)スルーになって、劇場で観られなかったのがもったいない作品でした。
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