「キャラクタービジネスだけの映画」名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック) 烏丸沙鴎さんの映画レビュー(感想・評価)
キャラクタービジネスだけの映画
まず私はコナンの原作は途中挫折勢です。
子供の頃読んでましたが、50巻近辺でやめています。
また最近は作者のガンダムネタを入れたキャラクター遊びにも嫌気がさしていますが、アンチではありません。
これが前提です。
久々に評判がよいとのことで、子供を連れて見に行きました。
なので、単純に作品として見てみましょう。
色々破綻した作品で評価をくだせないというのが感想になってしまいます。
一番気になったのは、犯人の銃器描写です。
「ライフルが使用された→短い連射可能のライフルだった」が犯人の決め手になるわけですが、肝心の犯人のもっている銃器が拳銃弾を使用するものなんですね。
これがなにが違うかというと、ダンプカーとバイクぐらい違いあります。
銃器を知らない人向けに説明すると、「死因は大型車に轢かれたのが死因→犯人の乗っているのがバイクなのに作品では大型車扱い」みたいな。
例えが難しいですが、この場合ダンプを持ってるやつが犯人なはずなのに、バイクが大型車として作品中で扱われているのに違和感があるんです。
銃器も同じで短いライフルがトリックなのに、短い拳銃弾を使用する自動小銃(ちゃんとした区分でいうとPCC:ピストルキャリバーカービンの略)がそれとして話が進む……
本来だったら犯人別に居るんじゃないかとなるレベル。
銃器に疎い日本といえども無知にも程がありますね。
お祭り映画でとやかくいうのもなんですが、その時点でシラケてしまいました。
監督なのが助監督なのか、演出部は反省したほうがいいです。
小五郎のおっちゃんが銃の名手でお巡りさんのリボルバー(回転拳銃)で慣れてるはずなのに、慣れてないオートマチック(自動拳銃)で当てちゃう描写も百歩譲って許せます。
こういったあり得ないアクションにとやかく言ってるわけじゃなく、根本の描写と基幹のトリック描写がおかしいんです。これをOKするって結構深刻ですよ。
で、スタッフもコナンも好きじゃないでしょ?
最後のカーチェイスのシーンも佐藤さんと高木くんが車で追跡するけど、確か設定では佐藤さんの方が運転上手かったよね? 咄嗟に乗るならそうなりませんか?
そういう細かいところも愛がないと感じる所以でした。
出せるだけ人気キャラクターを出し稼いでいくような、キャラクタービジネスだけが一人歩きしたような作品でした。
初期の原作を読んでいた勢の独り言でした。
個人的にはテレビスペシャルで十分なレベルでお金を払って後悔しました。
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