「由衣ぃぃぃぃぃぃ!来ぉぉい! 敢ちゃぁぁん!」名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック) カツラギさんの映画レビュー(感想・評価)
由衣ぃぃぃぃぃぃ!来ぉぉい! 敢ちゃぁぁん!
犯人の動機が浅いと言う意見もあるようですが、そんなことはない。たとえ殺されてなくても強盗事件で舟久保真希さんが足を負傷させられて、バイアスロンの有望選手であったのに、成績が落ちて強化指定選手から外れることは、自分のせいでなく事件に巻き込まれたからであり、夢破れて生きる希望の無くなったことでとった行動は、犯人にとって真希さんの新しい希望を見つける手助けをしてやれなかったという重い思いが伺えます。
だから司法取引をして執行猶予のついた方の鷲頭隆の正規の懲役の3年という刑を免れることは犯人にとっては悔しいこと。直接殺された訳でないから3年すらもの足りない。なのに執行猶予で刑務所に入らず執行猶予終了後に失踪して隠れて生きている。
鷲頭隆を殺そうとしていただけでなく、国が改正刑事訴訟法を成立させるともっと自分と同じ思いをする悲しい人が増える可能性があるから、内閣を機密情報を公開するという脅迫で法律自体を止めさせようとするくらい激しい意思で活動していた(天文台の小型パラボラ搭載の天体観測車を無断で借りて国の機密情報を得る)。
それを大和敢助に目撃されていたことは敢助は記憶障害で忘れていたけど、思いだされると困るので接触しに来る鮫谷警部を殺したのは内閣を脅迫しているのがバレるのを防ぐためだから動機は深い。
脚本が警察や公安が絡んでくるものでミステリー要素が強いものになっているのは、パンフを読んでると脚本家の櫻井武晴さんは「科捜研の女」「相棒」などもやっていたので納得。しかも今作はよく出来た脚本に。
◯鮫谷警部の行動と殺害
◯犯人の逃亡先が霞が関駅前
◯大和敢助の死亡が犯人を〜
◯敢助に演技がバレると言わせる由衣の本気
その他にもいろんな場面が重なり合い、あれはこのシーンの伏線かと絡み合う場面が多数。
鷲頭が真希さんの死の理由を知り、命日の前に墓に毎年供えている座禅草が鷲頭の思いを冠した花言葉だったなんて普通に分からない。
小五郎回のフリに踊らされましたが、実際は長野県警回。
小五郎さんは華麗な銃さばきで活躍しましたが、推理は新一からの蘭へのメールで謎解きはしていないので、そこは物足りないから小五郎回マイナス0.5かな?
よく日本映画でアクション要素とミステリー要素は同じ映画で両立しにくいとされるのをコナン映画はよく出来ている方と思う。だからコナンの破天荒なアクションは毎回のお楽しみです。
タイトルの大和敢助の由衣ぃぃぃ!のシーンは泣きました。由衣さんは心の中で敢ちゃぁぁんと叫んで飛び込んだと思いタイトルにしました。
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