「ラスト数分が残酷なメガ盛りサスペンス」名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック) LittleTitanさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 ラスト数分が残酷なメガ盛りサスペンス

2025年4月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

驚く

 元々劇場版は原作やTVシリーズ以上に大人向けですが、28作目はより一層、サスペンス上級者向けの超本格派。櫻井武晴さんの作品らしく、序盤のフリが終盤に効いてきて、ラスト数分は犯人に同情しかける程、悪魔的回収で幕切れる。
🦈
1. 主要人物が多過ぎる?
 発端になる事件の関係者、警察や政府の関係者が沢山登場し、結構みんな主要人物なので、中盤でこの人誰だっけってキャラが生じました。全集中できてない自分を戒めつつも、どうせ何回も観るんでしょって、初見の観客に不親切な造りたもと疑心暗鬼にもなった。なおそのキャラは本映画が初出で、長野県警の人ではありません。長野県警のメンバーは、TVシリーズを見てさえいれば、特別予習?復習?の必要性は感じませんでした。
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2. 犯人当ては難問
 種明かしで犯人を特定するポイントは分かったが、少しピンポイント過ぎて、伏線としては難易度高め。ただ登場時に怪しいのは確かなので、怪しさを巧みに解消する設定にミスリードされなければ、観客も種明かし前に犯人に気付けるかもしれない。
🔭
3. 天文台の間違い過ぎな使い方
 クライマックスの大立ち回りは、歴代作品の中でも屈指の迫力。にしても、電波望遠鏡は乗り物でも武器でもありません。日常的に研究している天文学者には叱られそう。と言いつつ、そのあり得ない活用法こそがフィクションの醍醐味。毎度ながら、コナン君のタイミングを損なうと絶命必死な、命懸けのアクションは見処。
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4. ラストの残酷さは10代にも伝わる?
 種が明かされた後も油断出来ない櫻井作品。犯人に突き付けられる言葉は、犯行に注いだ全てをひっくり返される残酷さ。取り方によっては「純黒の悪夢」のラストより無惨かもしれない。その最大の皮肉が、10代の観客にも届いているのかは気になる。

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ちっちゃなきょゥじん