「「記憶は、真実に勝る。」」名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック) サムシングエロスさんの映画レビュー(感想・評価)
「記憶は、真実に勝る。」
——そう語る今作は、コナン映画史上でも屈指の**“記憶”と“過去”がテーマ**になったサスペンス・ドラマ。観終わった後、ただの謎解きだけではない、哀しみと決意の余韻が胸に残る。
まず、タイトルにある“隻眼(せきがん)”というワードがすでに不穏で、誰が、何のために隻眼になったのかという背景が少しずつ明かされていく構成は、まさに「フラッシュバック」の連続。過去と現在が交錯する脚本は緻密で、伏線も丁寧に張られており、シリーズファンにはたまらない作り。
特に印象的なのは、灰原哀の描写。彼女の過去にまつわる新事実や感情の揺れが丁寧に描かれ、物語の核を成している。コナンとのやりとりも胸を打ち、これまでの劇場版以上に“人間ドラマ”としての完成度が高い。
またアクションパートも健在。終盤のクライマックスはまさに劇場版ならではのスケールで、息を飲む展開。音楽の使い方も効果的で、静かな場面の緊張感をグッと高めていた。
ただし注意点としては、小さなお子様にはやや重いテーマや複雑な時間構成が難しく感じるかもしれない。でも、長年シリーズを追ってきた大人のファンには、間違いなく響く一作。
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総評:
推理・アクション・人間ドラマの三拍子がそろった傑作。
そして何より、灰原哀ファン必見。
「なぜ、彼女は笑わないのか」——その答えが、この映画にある。
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