「がっつりネタバレ。多くの人に観てほしい!」シネマティックコンサートツアー Chageのずっと細道 東西南北 ロマンシングヤーコ(C)さんの映画レビュー(感想・評価)
がっつりネタバレ。多くの人に観てほしい!
映画はまずChageさんのシルエットが映り歌やChageさんの言葉がどんどん流れてくる。それはまるで自分のそばでChageさんが語って歌っている錯覚さえ起こさせる始まり方だった。そしてワクワクしていると見覚えのあるシーンが。それは去年の9月に開催された「ちゃげっていうひと」のLIVEだ!音響がいいので当日の記憶が鮮明によみがえり今まさに生のLIVEを目の前で体感している気持になる。
そしてテンションが上がったところで愛知県豊根村で行われたお米作りの稲刈り編が流れてくる。つなぎを着て上手に鎌で稲を刈りファンと一緒に稲を干す。その姿は普段のLIVEでは見られない自然体で素に近いChageさんを見ることができファンとの近い距離間も伺える。
チャゲアス、MALTI MAX、細道についてのインタビューが。この時に吉川忠英さんと出会わなければ細道はなかったと語られている。その吉川忠英さんのサインが入ったTシャツを沖縄で着て海や市場や楽器屋さんに行くシーンもありとても嬉しくなった。
そして映画のタイトルにもなっている細道の密着が始まる。下北沢での細道から密着が始まりリハや発声練習など普段は見られないシーンを見ることができる。Chageさんが坂本あゆみ監督だからこそ撮影ができたというのも納得できる。
下北沢の公演日はピアノの力石さんのお誕生日だった。そのお祝いを楽屋でサプライズで行うなどこっそり楽屋をのぞかせてもらった気持になる。
沖縄での細道は22年ぶり。リハの音が外まで漏れ聞こえており私も少し聞いていた。インタビューを受けている地元の方も覚えている。
坂本監督がステージ裏でLIVEが始まると大急ぎで移動し撮影をしているのもこうして撮影していたんだという裏側も知ることができた。
沖縄の細道は今まで参加した会場の中で一番の盛り上がりだった。細道ではなくバリカタLIVEのような盛り上がりだったので参加できなかった人にもどれだけの盛り上がりだったのかを観てもらえるのが嬉しい。
終演後は会場付近でお友達と感想を言い合っているとそのまま誰も帰らない。そしてChageさん達が出てきたのでお見送りをする状態になっていた。あれは自然と起きた状態だった。打ち上げの様子では横顔の月の前にチカラさんと大ちゃんがなにやら話していたことの答え合わせもできこういうことだったのか!と時間が経ってスッキリすることも。
ガンガラーの谷では鳥のさえずりに気づかなかったけれどこうして歌の時に聞こえていたのかという発見。素敵なシーンになっていることに感動した。
終演後は客席を通って去り最後に一緒に写真撮影。そして去って行くChageさんをいつまでも見送るお客さん。バックには青い空だけじゃないが流れていて。夜空にはお月さんが出ていて帰るまでChageさんに「またね。」と見送ってもらっている気持になれた。
密着が始まってから唯一いけなかった水戸市での細道。どんな場所でどんなLIVEでどんなMCがあったのか。こうして知ることができるのは嬉しくなった。
スパハワイアンリゾートも。フラダンスの方の練習にお邪魔し早川先生から「Chage先生」と紹介されそこからずっと先生と呼ばれるChageさん。フラの方にも先生と呼ばれ恐縮しっぱなし。でも最後には「Chage先生です!」というシーンは面白かった。
フラの方達もリハを見ている時も出番前の舞台袖でも楽しく見ていてこういった裏側を見ることができるのも貴重だ。そしてフラダンスの方とコラボした終章~エピローグ~。このシーンが短かったのだけが唯一残念な点だった。フルで観て衣装ついての早川先生のコメントも観たかった。
楽屋でチカラさんとチャゲアスのLIVE終わりの話をしているのは貴重だった。本当に大変だったんだなと。だから今の細道では一つ条件を出したその土地場所でしか体験できないことや景色を観たいというのには誰もが納得すると思う。
清水公演が終わった翌日は豊根村での収穫祭。リハは9時頃とかに始まっていたはず。私がついたときには始まっていたのでラジオ体操は初めて見た。ご飯もおいしかったし。この日は本当にあったかくて気持ちのいいお天気だった。リハ中もファンに歌ってと言ったり「すごくこまるんだ」ではへいっ!というように!と指導したりもありました。本番ではミスをしてやり直したりも。映画では映っていないけど一般参加の人も後ろで一緒に観ていました。ラジオの収録も楽屋になっている部屋でこうして録音していたのかと裏側を知れるのは面白くもあり嬉しい。
最後はバス組は時間が決まっているので先に帰ったけど自家用車組の人達でお見送り。
普段の楽曲アレンジができた時も仲良くやり取りしているんだなというのを伺えたのは面白い発見だった。ほんとうに仲がいいのが伝わってきて自然と笑顔になっていく。
岡山での細道MCでは語られなかったカメムシの話もこうして映像で見るとさらに楽しく笑えた。カメムシが入ったのも豊根村で分解しても出てこなかったのもチカラさんから聞いていたし東京で確認してもいなかったのに岡山で出てくるとは!映画では指が臭い!まででしたがこの後ファブリーズも会場にふったそうです。
イベンターさんとも長い付き合いなのが伝わるし仲間として信頼しあっている関係も伺える。
高知に行くシーンでは全く同じ景色を見ながら移動したのが映画を見ながら自分の記憶とも重なり一緒に移動している感覚にもなれた。電車がアンパンマン号で止まるというハプニングもあったんだよなと。居酒屋さんで磔磔の話をしているのもそうそう!!と聞きながらうなずいたり。一緒にその場で話を聞いている感覚にもなれた。車で会場まで移動するシーンも同じようにタクシーで会場に向かったので同じ景色を見ながら同じことを感じた記憶も蘇った。
高知公演終了後にインタビューを受けていた人がわフレンチブルの飼い主さんだったということも映画で知ることができ色々と自分の中の記憶にある疑問も解決されていくのも不思議な感覚になる。
大ちゃんの言葉もとても心に響いた。これからもずっと一緒に支えながら同じ景色を見てそしてそれを見せてほしいと思った。Chageさんが真摯に因果うと向き合いファンと向き合う姿勢を一番近くで見ているからこそ出てくる言葉なのかもしれない。
これで終わりかと思っているとBillboardの映像まで映画で見ることができる驚き。「坂本あゆみ監督がBillboardの映像も入れたいと言っている。」という話は聞いていたけれどほんとうに入るとは思ってはいなかった。大阪の会場に来て撮影はされていたけれど。
音源化も配信もされていないクリスマスセットリストのBillboard公演。年明けには聞けない曲を少しでもこうして映画で映像を観ながら聞けるのは嬉しい。
そしてBillboardの「横顔の月」からCD音源に変わりエンドロール。合間には本編には入らなかったシーンもありエンドロールも見逃せない。エンドロールに「横顔の月」はピッタリで歌詞にある通りまどろみの中で映画の余韻に浸ることができる。
エンドロールが終わり真っ黒になったスクリーン。そして明るくなる客席。どの会場も自然と拍手が起きた。この拍手が何も言わなくともお客さんの観終わった後の気持ちが伝わってくる温かい拍手だった。
ChageさんがMCでよく「こっち(ステージ)から見るお客さんの顔がすごくいい顔をしている!」と。インタビューではChageさんは見てもらう側と言ってるようにお客さんは見る側なのでChageさんの見えている光景は見ることはできない。
でも映画ではChageさんが見ているお客さんの顔を見ることができたのも嬉しかった。円盤化されたライブ映像でも客席は映るので見ることはできるけれど映画で観たお客さんの表情は円盤化されたものでは観られない顔だと思う。このお客さんの表情を撮れるのも坂本あゆみ監督だからなのだろうと思う。
映画の中ではスタジオで語る言葉はもちろん。沖縄の打ち上げであろう場所でのインタビューが一番自分には心に響き印象にも残っている。
自然体で語る言葉は今のChageさんの想いでありこれから先の道につながる言葉なんだと思う。「Chage」というアーティストを俯瞰でもしっかりと見ていてどこに進んでいくのか。それは今のChageさんにもまだわからない。どこかに進もうとしているその道や行きつく場所が見つかった時こそ「Chage」というアーティストが迎える最後なのではないかと思った。
だからこそその道や場所が見つかるまではずっと模索しながら自分のやりたいことを自分らしく楽しみながら進んでいくんだろう。その進む道をこれからも一緒に歩んで行きたいと思う。
上演後に舞台挨拶がありChageさんも上映前からいろんな場所で話している通り坂本あゆみ監督はありとあらゆる場所に参加し撮影をされていました。全てではないけれど私が参加できた場所ではLIVE中だけでなくお客さんが会場前でしゃべってたり、終わった後に帰っていくところを撮影したり。どこまで撮影するのか?と思ったぐらいだった。
去年の細道は年明け最初の小倉から年内最後の高知まで。全部で24か所のうち18か所に参加した。後半のほとんどがこうして映画でまた振り返りながら参加するだけでは知ることができない部分を知ることができる。
内容はどこで観ても全く同じ。それなのに観るたびに新しい発見や違った感じ方や言葉が染みたり。一回として同じ受け取り方はできない。Chageさんも二回は絶対に観た方がいいと言っていたのにも納得です。まだ映画は観ることができるので足を運んでください!私はまだまだ観に行きます。
『「映画」を「映画館で」観てほしい!』という坂本あゆみ監督の言葉通りこの作品はただのドキュメンタリーではなく「映画」なんだと観終わってから改めて思う。最高の音響で映画館でこの作品を一人でも多くの人に観てもらいたい。
そして「Chageってどんなひとなの?」というのを自分の目で見て聞いて「ちゃげっていうひと」を知ってほしい。
広島からは好評であればChageさんのなかでは第二弾も考えているそうです。昭和館で上映された映画も今回のも円盤化を願います。そして映画の第二弾も期待しております!