劇場公開日 2024年12月25日

「言語化されたキャプテンシー」勝ち切る覚悟 日本一までの79日 あんちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0言語化されたキャプテンシー

2024年12月25日
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鑑賞方法:映画館

まず映画館が各回満席なのに驚いた。そして特別料金2200円にも驚いた。
11月3日の日本シリーズ優勝を終点としてそれまでの79日間を取材したドキュメンタリーである。
79日前は8月17日の横浜でのジャイアンツ戦。11点取られて負けた。この時点では正直いって優勝はおろかCSに進むこととも考えづらかった。チームの意識面はその頃から少しづつ地殻変動していたと言いたいんだろうけど ドキュメンタリーとして明確に映像化できていない。
そう、このチームはシーズン終了時点では成績通り、もしかすると広島の大失速に助けられだけで実質的にBクラスの実力だったのかもしれない。
変わり始めたのはCSに入ってから。
何と言っても牧主将のキャプテンシーが大きいですね。牧はああ見えて言語化がうまい。映画の最初の方で、言葉で説明するか、やってみせるか、リーダーシップのあり方について言及している部分があるが、コミュニケーションを深めるためにはやはり言葉の力は必要なのだと思う。その点、牧は適切なタイミングで、適切な長さの、適切な表現ができる。彼の言葉が、筒香や戸柱、桑原といったキーマンに影響して、やがてチーム全体に伝播してとてつもない力を発揮していく姿がここでは描かれている。三浦監督が最後に話した通りコミュニケーション力の高さがこのチームの持ち味なのです。
もうひとつ感心したのは、毎日のミーティングで医療担当から前日までにケガをした選手の状況が他の選手に説明されるところ。代わりに出る選手をはじめいつまでカバーしなければならないかが完全に共有されている。公開性に優れているということ。
コミュニケーション力なり公開性にしても今までの球団とは違う、新しくそしてとても洗練された球団だと思う。どこかの相変わらず金にモノを言わせて使えるかどうかも分からない選手を引っ張ってくる田舎臭いチームと違って。(ホークスのことではありません。濱口や上茶谷を引き受けてくれたこととても感謝しています)

あんちゃん