「中途半端。淡々と物語が進む。」LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族 玄米chaさんの映画レビュー(感想・評価)
中途半端。淡々と物語が進む。
私は前作は次元の墓標と五右衛門の作品のみ視聴していたが、冒頭であらすじが大まかに説明された。この点はとても助かった。
ルパンのハードボイルド調な画風は、私はそんなに気にならなかった。が、不二子は個人的にはうーん、と思った。カラフルなだけでは?と思った。
本題だが、話が淡々としていて、深くもないし浅くもない。
問題1 ムオムというキャラクター。不死身というより超人な何か。
本作の敵、ムオムは不死身と映画で説明されていた。が、あれは不死身を強調しているというよりも、反射神経やパワーが人間を越えた超常現象を操るジャンプのバトル漫画のラスボスのような存在として描かれている。ルパンは泥棒の話ではないのか?これじゃあワンピースさながらのバトル漫画じゃん。血族と言うタイトルも良くない。ムオムの正体が最後に分かるが、血族要素は薄い。血族と言うからには代々の繋がりがないと意味不明になる。
問題2 泥棒してない
作品中でも『自分たちは泥棒であり、復讐はしない。お宝を盗む。』とルパン本人が言っているが、結局お宝はない。それに相当するものもあるが、お宝としての価値は強調されていない。最後に破棄している。ルパンはあくまでも泥棒である。その泥棒稼業の合間に敵対勢力となんやかんやし、変装や道具を使って出し抜くからルパンなのである。拳銃の名手の次元や剣術の五右衛門ならいざ知らず、ルパンは頭脳で敵を欺いて欲しかったなぁ。
問題3 小池ルパン作品の繋がりが薄い
いつからこの最後の作品の結末が決まったかは分からないが、他の小池ルパン作品の関連がとても薄く、別になくても話がそんなに困らないのが問題。この結末に華を持たせるなら、最初の次元の墓標の時から黒幕を匂わせたり、不死身のムオムの体のヒントになる生物の話を出すなり、そういうことを散りばめておくべき。ヤエル岡崎が使う銃器は実は謎の超高度な技術で作られていたとか、ホークの腕力は実はマモーの研究で得られた副産物の超人薬だったとか。そういう小出しのヒントをずっと匂わせておけば、この映画を見ながら徐々に視聴者が感づいたり、はたまた予想以上の仕掛けに驚かされたりすると思う。それが、没入感や、楽しさ、になったと思う。この作品にはそうした場面が無く(私が知らないだけかもしれないが)、いきなりルパンが推理した結論を言うもんだから、没入できない。もっと端々で4人で相談したり、何気ない一言を言わせたりして、視聴者にも謎解きをさせるべき。あのクラゲで気付けるなんてマニアか生物学者だけじゃない??
他にもあるがこのくらいです。
もしもこの作品に私が手を加えられるなら、
・ムオムの超常パワーは無しにし、単純に不死身の体にする。血族感を出すために、ムオムに一族と言えるようなバックボーンを与え、それを説明させる。
・お宝として、不死のレシピ、みたいなものを作る。
・今作を1作品として独立させ、ヤエル岡崎やホークやワケわからんキャラは出さない。モブはもっとモブにする。意味不明な島でなく、黒幕の秘密の研究開発施設みたいな所を舞台にする。ワルサーなような毒ガス展開は消す。
・ルパンが頭脳とテクニックで敵を欺き、泥棒する話にする。
・銭形、五右衛門、不二子にちゃんと脇役としての仕事を与える。
かな。
以上、素人のレビューでした。
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